建築家長沼幸充ブログ -129ページ目

環境にやさしい家づくりとは

今回は、自然を意識した住宅づくりについての本を読んでみました。


「じっくり派」のための家づくり講座〈2〉自然住宅(環境×健康)編/野池 政宏
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趣旨としては、環境にやさしい家づくりについてです。

単に、「こういう工法がよい」とか「エコ材料を使いなさい」ということではなく、

環境への負荷はどのようにかかっているかなど、より大きな視点で書かれています。


材料や省エネについても書かれていますが、長持ちさせることが長期的には

エコにつながるという視点は、納得できます。


日本政府も200年住宅という提言をしていますが、

長持ちさせることで消費エネルギーを減らすという考えは正しい方向です。


長持ちさせるには、例えば接着剤を使用していない無垢の木材を使うとか、

設備配管の取り替えは必要になるので、取り替えやすい計画にしておくとかが

具体的な方法としてあると思います。

これらを実現するには、家を建てる時のコストが上がることが多く、

最終的にはクライアントの理解と意識の高さがなければ、実現することは出来ません。


私は、良いものを長く使うことが好きなので、

ぜひクライアントにも勧めていきたいです。

住宅断熱についてその2

引き続き住宅の断熱について。

今回読んだ本は、これです。


「外断熱」が危ない! (住宅が危ない!シリーズ)/西方 里見
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非常に過激なタイトル?なので、どういう内容なのか分からなかったのですが、

読んでみると、前回読んだ本と趣旨は変わらないと思います。


この本のメインテーマは、外張り断熱と充填断熱の違いについて。


外張り断熱とは、木造住宅の場合、木の柱梁の外側に断熱材を張って、

さらにその上に外装材で仕上げるというもの。

充填断熱とは、約1.8m間隔で並ぶ木の柱の間に断熱材を詰め込み、

外装材は柱の外側に取り付けるもの。


この本の場合、最近の外張り断熱の流行に異を唱え批判の対象としており、

いかに外張り断熱に問題があるか、また充填断熱のほうが優れているかという

ことを解説しています。

前回の本にもこの流れは少し書いてありましたが、この本のほうがより顕著です。


住宅の断熱性能を決めるのは、断熱材の性能(密度や厚さなど)によると

前回の本で勉強しました。

つまり工法には影響を受けない。

日本よりも寒いヨーロッパなどでも外張り断熱と充填断熱は、両方使われている

ようですし、この違いは断熱層の作り方の違いと捉えてよさそうです。


そうなると日本の木造の場合、まず外張り断熱にするには、より多くの断熱材が

必要となりコストアップになります。

また木の柱梁の外側に断熱材を貼り付け、その外側に外装材を張るとなると、

どんどん建物の外形が大きくなります。

余裕のある敷地での建設ならばそれでも良いですが、例えば東京のような

狭小地での計画では、内部空間を狭くしなくては収まりません。


以上を考えても、コストが低く建物外形を抑えられる充填断熱のほうが、

日本には向いているのかなと思われます。


充填断熱でも作り方次第で、高断熱化をすることは可能ですから、

工法の違いよりも、断熱材の選定などを重視したほうが良さそうです。

住宅断熱について

最近省エネルギー住宅について、改めて勉強しています。

洞爺湖サミットが近づくにつれて、環境問題などが取り上げられ、

それに感化されての行動です。



排出されるCO2は、建物建設時がかなり多くの割合を占めています。

そのため住宅建築時の工法や材料の選定などが、重要です。


一方住宅を建て終わってから、そこでの生活の中でもCO2は排出されます。

大きいエネルギーを必要とするのが、給湯と暖房。

最近のエアコンは効率が良いため、冷房時はかなり少ないエネルギーで、

まかなえているようです。


建てる前と、建てた後、どちらも取り組むべき課題ですが、

まずは建てた後の時間がより長いので、そのあたりを勉強してみました。


今回読んだ本は、これ。


体にいちばん快適な家づくり―高断熱・高気密の常識のウソ (講談社プラスアルファ新書)/岡本 康男
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いろいろと数値を取り上げて理論的に断熱について解説してあります。


趣旨としては、「外張り断熱も充填断熱も、性能差は断熱材の性能による」というもの。

最近ハウスメーカーなどで、外張り断熱が売りになっているものを見かけますが、

断熱の性能は工法の違いによるのではなく、断熱材の性能によるということです。


冷静に考えてみれば当たり前なのですが、外張り=高断熱という

流れが出来ているところを、この本は分かりやすく警告しているのだと思います。


その他、断熱材の種類についてや、全館24時間冷暖房のすすめ、

ソーラーハウスなどについても書かれています。

一部現在ではまだ一般的でないものもありますが、

高断熱にすることで生活に必要なエネルギーが少なくなるという方向性は参考になります。


新書で読みやすいので、ぜひ。