すでに医師から説明を受けた夫が来たのでワッと泣きました。
そして一気に言いました。
私「かくかくしかじか。かくかくしかじか。でもね、私、大丈夫じゃないか、って思うの」
夫「そう思う。マユなら大丈夫って思う」
私「そうだよね。私、頑張るわ」
夫「うん!頑張って!」

夫が私にスッと言った「マユなら大丈夫」という言葉は私を勇気付けた。

さすが!!!夫は私を良~く分かってる。

夫は、私のこれまでの数々のミラクルや、懸賞に当選する実力を見てきているので、私の運の良さを信用している。疑っていない。
「私、頑張るわ!フレーフレー赤ちゃん!フレーフレーわ・た・し!!」
ベッドに逆さまに斜めになったまま、こぶしを天井に突き上げながら、応援団のように声を出す私。

ふざけているのではない。

大真面目です。
そんな私を、ごく自然に見つめる夫。


私「でもさ、こんな倉庫部屋だよー、怖いわーーー幽霊出るー笑」
夫「明日になったら大部屋が空くらしいよ」
私「頑張るね!じゃあね!タクちゃんよろしくね」
夫「じゃ、明日また来るね」


夫が帰り、倉庫部屋にたったひとり。
薄暗い天井の蛍光灯を見ながら、
斜めのままで考えた。

カーテンの彼女はダメだったようだ。
先生は私に「まず助からない」と言った。

でも「まず助からない」ということは、100%ではないってことよね?
100%なら「100%無理」と言うはずです。


そしてコブシを天井に向けて突き上げ、たったひとりで声を出した。
ガンバレ私!
ガンバレ赤ちゃん!
エイエイオー!
がんばるぞー!
絶対に勝つ!
エイエイオー!
エイエイオー!

ひとり、倉庫部屋で、
声を出しながら、

真剣に、全力で

私の身体を応援する。

エイエイオー!エイエイオー!
がんばるぞー!がんばるぞー!
赤ちゃんガンバレー!赤ちゃんガンバレー!
エイエイオー!エイエイオー!
がんばるぞー!がんばるぞー!
赤ちゃんガンバレー!赤ちゃんガンバレー!


斜めになりながら、天井に向かって何度も何度もコブシを突き上げる。

 

 

熱よ出るなよ!
熱が出ても、私の身体よバイ菌を殺して熱を下げろ!
バイ菌め、かかってこいや!戦って勝つよ!!

どこに穴が開いている?
さあ塞がってちょうだいね。
どこに穴が開いている?
ここかな?さあ、どんどん塞がっていく~。
塞がっていったね。
ここにも穴が開いている?
さあ、どんどん塞がっていくよ。
塞がっていったね。

穴がス~~~っと塞がっていくところをイメージすると、塞がったように思えました。

「若いから次があるから」といった先生、私はこの子をあきらめない
何故ならこの子は待ち望んだ女の子に違いない。
私には分かる!


不安は消えていきました。
何故なら私は「運がイイ人」だから。

私は想像をしました。
赤ちゃんが、無事生まれ、それも、願いどおりの女の子。
しかもとてもカワイイ。

あの時は(今の状態)、大変だったね・・・と、笑いながら話す家族。
数年後、このことを書いた本を出版し、ベストセラーになり
「徹子の部屋」に出演する・・・

イメージはどんどん膨らみ、「徹子の部屋」での黒柳さんとの会話も、素人の主婦ながら完璧なトークっぷりを披露する・・・
・・・かくかくしかじか・・・

ラストは

徹子姉さん「とーっても楽しいお話、ありがとうございました。SUGITO まゆみさん、今日のお客様でした」

私「ありがとうございました」

ルールル ルルル エンディング曲

完結。

 

おおっ!

何なんだ今のストーリーは???

一体何分想像していたでしょうか、
長い長い想像が終わると、自分の想像力に惚れ惚れしました。
私は私の想像力に満足し、このイメージどおりに、きっとなるだろうという安心感に包まれました。

一筆書きのように、

止まることなく、

サラサラと流れていったそのストーリーは本当に見事だった。
脳の中で一気に作り上げて完結したそのストーリーは、あの瞬間に奇跡的にスラスラと作り上げたもので、それっきり再現することは出来ませんが、あの状態で完璧なストーリーを作り上げた想像力と集中力は我ながらスゴかった。


私はこのとおりになる!!
私はこれに勝ち、必ず女の子を生む。
しかも超美人。
そしてこの事をいつか必ず本に書く。
それはベストセラーになって「徹子の部屋」に出るのよ

題名は、そうねぇ「運に勝つ!」

もう間違いなく大丈夫という自信がみなぎってきた!!!


私は絶対に大丈夫!!!
だって、今までもずっと、上手くいってきた人生