聖書箇所:2 列王記 10:15-17
説教題:エフ―とヨナダブ

導入
  今日の箇所は、イスラエルの王、エフーの記録の一部です。このエピソードに突然登場するのがレカブの子、ヨナダブです。しかし、彼がどのように次の出来事に関連しているのかはあまり知られていません。                                      
  まず、エフーの背景を理解する必要があります。神はエフーをイスラエルの王として任命しました。その目的は、アハブの家系とイスラエルにおけるバアル崇拝を滅ぼすことでした。(9:1-10参照)前の王のアハブの妻のイゼベルはツロの王の娘でした。彼女はアハブと結婚し、イスラエルにおけるバアル崇拝を推進しました。
  エフーが神から王に任命された直後、彼は当時のイスラエルの王ヨラムとユダの王アハズヤを殺しました。ユダの王アハズヤは、イスラエル王国との良い関係を築こうとしたために命を落としました。彼の息子ヨラムはアハブとイゼベルの娘アタルヤと結婚しました。その結果、ユダ王国にもバアル崇拝が入りました。また、エフ―は、神の命令に従い、イゼベルとヨラムの70人の兄弟たちを殺し、さらに、アハズヤを支援しに来たアハズヤの親戚42人も殺しました。エフーは神の命令に従って忠実に働いていたことになります。

本論
15節 エフーはまだ神の目的を果たすためにすべきことがありました。予期せぬことに、彼はレカブの子ヨナダブに出会いました。ヨナダブはエフーに会いに来る途中でした。エフーは彼を認識しました。彼はヨナダブがどんな人物であるかを知っていたのです。レカブの子孫は、後に、レカブ人と呼ばれました。彼らはケニ人で、モーセの義理の兄の子孫です。彼らは異邦人でしたが、イスラエルの人々が荒野で過ごすときに助けました。彼らはヨルダン川をイスラエル人と一緒に渡り、ユダの地に定住し、イスラエルの神への忠誠心でよく知られていました。記録には詳細は書かれていませんが、当時の人々は彼らを非常によく知っていました。レカブとその子孫はエレミヤ書35章において、神とその命令に対する忠誠心の模範として言及されています。
  ヨナダブはエフーに会いに来たということですが、それは、彼のの使命を支援しに来たということです。また、エフーのヨナダブへの質問は、彼らがイスラエルにおけるバアル崇拝の破壊において神に対する忠誠心と熱意を共有しているかどうかを確認するものでした。意識を共有していることを確認したエフ―は、ヨナダブの手を取って戦車に乗せました。それは、合意と相互の約束を示すしるしでした。ヨナダブを得て、イエフはサマリアに到着した際に歓迎されたに違いありません。サマリアはイスラエルの首都でした。
16節 エフーは神への熱意を証明するようなことを言いましたが、彼の熱意は中途半端でした。イスラエルにおけるバアル崇拝を根絶することに熱心でしたが、ヤロブアムが作った金の子牛二つを保持し、民が偶像を崇拝し続けることを許していました。
17節 サマリアはイスラエル王国の首都だったため、アハブ王の親戚の多くがそこに住んでいました。イエフは神の命令に従い、彼らを殺しました。それはエリヤに語られた主の言葉によって行われたことだと述べられています。その内容は繰り返し聖書に出て来ます。(1列王記19:15-18、 21:20-24、2列王記9:7-9参照)
  エフーによるバアル崇拝への最後の一撃が続きに記録されています。歴史的に、体系的なバアル崇拝は完全に滅ぼされ、イスラエルでは消えました。(10:28 参照)
  因みに、ユダ王国の方では、アタルヤとバアルの祭司とその支持者たちは、神の祭司ヨヤダの命令で滅ぼされました。残念ながら、エフーは心から主に仕えずに金の仔牛を保持したので、彼の王家は四代までしか続かないと神から告げられました。(10:30-31参照)

まとめ
エフ-はこのエピソードの中心人物です。しかし、ここでは神の意志に焦点を当てる必要があります。

1. 神は神の民の中で偶像崇拝を許さない
  神はイスラエルとユダの民に繰り返し警告を発しました。使徒ヨハネは手紙を締めくくる際に、「子どもたちよ、偶像から遠ざかりなさい」と書きました。(1ヨハネ5:21)
  神は、神の民の共同体に偶像崇拝を持ち込む者に罰を下します。エフーによって殺された者たちを思い出しましょう。私たちはそのような者たちの一員であってはなりません。エフーはバアル崇拝を完全に滅ぼしましたが、ヤロブアムの罪を放置しました。彼は金の子牛を保ち続けました。彼の家系はひ孫のゼカリヤが暗殺されたときに終わりを迎えました。

2. 神は偶像崇拝に立ち向かう者たちを祝福される
  エリヤはバアルの四百人の預言者たちと一人で戦いました。彼はイゼベルに命を狙われたとき、死にたいと思いましたが、その時、神はエリシャと7千人の支援者を与えて励ましました。(1列王記19章)
  ヨナダブと彼の一族は神への素朴で強い信仰で知られていました。彼はエフーがバアル崇拝を滅ぼすのを助けました。彼の子孫たちは神とレカブの先祖から与えられた掟に忠実でした。
  パース日本語キリスト教会の私たち一人一人も、あらゆる種類の偶像崇拝に立ち向かう神の民の集まりとして認識されるべきです。
  私たちは神に忠実であり続けましょう。自分の弱さを謙虚に覚え、イエス・キリストを通じて私たちに与えられた神の素晴らしい恵みに感謝しましょう。

主が2025年の年に私たちを祝福してくださいますように!