礼拝音声
聖書箇所:1テサロニケ 3:6-13
説教題:パウロの慰めと祈り
導入)
この箇所は、原文では二つの文から成っています。一つ目の主節は、「私たちは慰めを受けました。」というものです。慰めという語は、励ましをも意味することのできる語です。二つ目は、11節から始まる二つの祈願文です。日本語の聖書では、節の分割の都合上、「(神が)~してくださいますように。」という三つの祈願文のように訳されていますが、13節は、12節の祈願文の目的、もしくは結果の叙述になっています。パウロが述べている慰めと、祈願を確認してみましょう。
本論)
慰め、励まし
1)パウロにとっては、テモテの報告で確認したテサロニケ教会の信徒たちの愛と信仰の歩みが慰め、励ましとなりました。私たちも、お互いに信仰の歩みが証となり、牧師や他の信徒の慰め、励ましとなるように心がけるべきです。
2)パウロは、単に報告を聞いて励まされただけでなく、そのことを感謝と喜びのうちに神に祈ることによっても、慰めと励ましを受けたと考えられます。私たちも、互いのために感謝を持って祈る実践をこころがけることが望ましいと考えられます。
3)パウロは、テサロニケの信徒たちの霊的、信仰的成長を祈ることによって、励ましを受けることが有ったと考えられます。私たちも、牧師だけでなく、信徒間においても、互いの信仰の成長を祈り合って、励ましを受けるものでありたいと思います。
祈り
1)パウロは、テサロニケの信徒たちが聖書的理解を深める必要が有ることを感じて、自分をもう一度テサロニケに送ってくださるように、神に祈っています。私たちは、そのような人が与えられるように祈り、また、自分でも求めて聖書を読み、知識を増し加えるように努めることが必要です。
2) パウロは、その次に、テサロニケの信徒たちが、これまでの実践以上に愛が増し加わり、溢れるように祈っています。神は愛ですから、信徒の共同体は、愛の関係が深まるように努めることになります。
3)原文の雰囲気は、「あなたの心が、聖別において責められるところのない様に強められるように」というものです。それが、愛が増し加わり、溢れることの目的・結果であるということです。強められるというのは、「確立する」ということが基本に有る語意です。私たちの愛は、この世の愛とは異なり、キリストの愛に対する信仰から出ています。ですから、そのような愛が増し加わるように生きる時、私たちは、この世の基準から取り分けられた・聖別された者として姿勢、生き方を確立していくことになるのです。そして、それは、イエスの再臨の時まで、キリストの身体なる教会に連なる全聖徒の継続的な取り組みとなります、