天使の気まぐれ13 | 恋愛小説 くもりのちはれ

駅までの道の途中、急な上り坂がある。


『悪い。いくら村瀬が軽くても、ココは何でも俺、無理っ。歩けるか?』


ケン君は、ゆっくりと私を降ろすと、顔を覗き込むようにじっと見つめてくる。


『奈緒!大丈夫?変なトコ触られたりしてない?ほらっ、私に掴まって。』


ずっと私たちの後を小走りで追いかけていたミキが、ケン君を睨みながら


私に手を差し出し支えてくれる。


そんな私たちの様子を見ながら・・・


『なぁ、村瀬ってさ・・・渡会をどうやって落としたんだろ?って思ってたけど


なんとなく、悪魔みたいなアイツが絆される気持ちも解らなくもないな。


でも、何だろな?解んだけど・・・んっー何でかな?』


と、私とミキを交互に見て、そして何やら楽しそうにククッと笑う、ケン君。


『そっか、お前って犬コロみてぇなんだ』と、ボソッと呟く。


はぁ?何言ってるのこの人・・・


そして〝はぁー〟と声が出ない代わりに、聞こえるようなため息を吐いた私。


何だか、この前もタカ兄に同じようなこと言われた気がする。


〝奈緒ちゃん、歩のペットみたいだな〟って。


落ち込んだように俯き歩く私の腕を、ミキはクイクイと引っぱる。


『奈緒、こんなワケわかんない奴の言葉に、耳傾けちゃ駄目だよ。』


顔を上げるとミキが『結局、奈緒が可愛いって言ってんだよ・・・コイツ


小さな声で囁く。


そんなワケないし・・・


でも、何でケン君は歩君に会うかもしれないと言う危険があるのに、こうやって


後を付いてくるのだろう?


すぐに駅前のいつもの待ち合わせの場所が、見えてきた。突然・・・


『奈緒ちゅわーん!!』


恥ずかしい・・・向こうの通りから聞こえるその声は・・・やっぱりミッキー・・・


『んっ?!何あれ?別の意味で、超怖いんですけど・・・』


ミキが、顰め面でミッキーを見る。


はい・・・私も・・・そう思います・・・


歩君の友人にしては、別の意味で完全に壊れてると・・・失礼だけど・・・思います。


『あれっ?お友達じゃん!!お名前はぁ?』


大きな声と大きな手の振り方に、ミキは完全にミッキーを変人と断定したらしい。


『ちょっと・・・私、お近づきになりたくないんですけど・・・』


そう言ったミキの声に私は、苦笑いを浮かべるしかない。


でも、その後にミッキーが又、信じられない言葉を叫ぶ。


『おっ!!ケンじゃん。奈緒ちゃんの護衛、ご苦労さんっす!!』


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