少し前に九州の某温泉地に飛行機で行った時のこと。実はこの温泉地は20年前にリゾート開発の仕事で何度も通った場所である。もうその際のことは大半、覚えていないのだが、食い意地だけははっているので、その空港内のお寿司屋さんの握り寿司が美味しかったことだけは漠然と覚えていて(毎回、東京に戻る際に食べていた)、今回も着陸後、ちょうど昼時だったので、件の寿司屋に寄ったものである。


 「ランチ1000円」というちらし寿司を注文したのだが、これがひどいシロモノだった。市内へ行くバスの時間が迫っていて急いでいたこともあり、早くにでてくるものをと思って注文したのだが、食べ終わって「失敗した」と猛烈に自戒した。「食い意地大将」の面目にかけて¥2900の特上にぎり寿司を注文すればよかったと後悔、後悔である。申し訳ないが、このちらし寿司を初めて食べた人は二度とこの店に立ち寄らないだろうな。


 飲食店を経営したことはないが、経営者らとはよく話をする。その際に聞いた話で印象に残っているのは、「絶対に採算がとれない値段だが、リピーターを呼び込むために清水の舞台から飛び降りる賭けランチ」を提供することがある、という話。

 件の寿司屋は「1000円のちらし寿司で豊後水道の美味い魚がのった寿司を食べようなんて、おこがましいヤツ」という姿勢を、注文した客に明らかに表明していた。だから二度と行かない。


 いやでも比較したくなるわけだが、東北は地方に行けばいくほど、客が「これで採算とれているのか?」と心配したくなるような、くそまじめ且つ過良心的な店が多い。ま、だから会津は薩長に負けた、とも思う。

 何故か、どうしても西日本が好きになれない「心はオジサン」である。


 温泉旅行している際に土産物などで「○○温泉の湯の花」を使用した化粧水とか販売していると、必ず一度は手にとってみる。効能書きなどを読むにつけ、ブランド化粧品なんぞを買うよりはるかに安い金額で、これだけの効果があるなら、うん、旅の恥(?)はかき捨てじゃん、などとワケわからん独り言を言いつつ、つい財布のひもを緩めたりする、実は、とても「一般消費者」の悪口など言えないほど、「心はオジサン」はアホな消費者となりさがる手合いである。


 過日、その温泉場で同じようににんまりしながら温泉水の化粧品を手にした途端、案内してくれた人から「待った」がかかった。小声で、「これは全て化学合成品で出来ているから買わないほうがいい」と。立派な営業妨害だな。


 くどいほど効能書きをたれた土産物に簡単にだまされる旅行客と、真実を伝えて営業妨害するヤツと、どっちがどっちだ、なんて比べても仕方ないんであるが、ごとほどさように、この手の化粧品によろめくお年頃が情けなくもある。


 あ、ついでだから言っちゃうと、純粋な「湯の花」って別府温泉からしか産出できないらしいよ。あとは硫黄などの不純物が混ざっているか、化学合成品か、だそうで、日本各地で「アホな消費者」を狙った商売が横行しているってことですたい。はい。


 アンナ・ミラーズの続編のようだが、ミスドではやはり「オールドファッション」に尽きる。とか思っていたら、この春、「ドーナツ屋のプライドをかけた云々」とかでこれら定番商品を続々とリニューアルしたというので、さっそく最寄のミスドで「OF」は勿論、フレンチクルーラー、ハニーディップを入手して試してみた。


 ( ゜∋゜)・・・うむむ・・・ま、特段、変化したかと言えば、そうのような、そうでないような・・・(ま、確かに午後2時の焼き上がり直後のヤツは美味いな。)

 正直、長年の愛好者(かい?)からすると、「変わらないから好き」って微妙な心理があるわけで、この辺が難しいところやね。


 大手菓子メーカーの定番(ベストセラー)商品の大半は、毎年、消費者モニター調査の結果などを踏まえて、微妙に味や食感の調整を図っており、その差は好きな消費者に「変わらない味」と思わせるほどだそうである。だからこそ連続してベストセラー商品として愛されている由、そう考えれば、あらためて「プライドをかけて」などと言う言葉は大手菓子メーカーからすれば「なんぼのもんじゃい」であろう。

 こんなこと「言わずが花」なんじゃないの?ミスドさん。

・・・でも3つ共、美味しくてペロリした。(///∇//) 加齢と共に甘いものを食べなくなった、なんて舌の根も乾かぬうちの(我ながらあっぱれな)早業であった。