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将棋について
将棋上達法(将棋の初段を目指す方への提案・サポート)

朝日杯将棋トーナメントで羽生名人が優勝されました。

羽生名人が渡辺2冠に負ける姿を見るのが怖くて

「決勝は羽生VS豊島が好ましい」などと書いた

チキン野郎の私をあざ笑うかのような羽生名人の

指しっぷり、大変失礼致しました。

改めまして、おめでとうございます。


今回の朝日杯の本選トーナメントは企画・運営も

将棋の内容も、そして結果も充実していました。


さて、渡辺居飛車穴熊の信者である私としましては

渡辺2冠がお手本となるべく、先手中飛車に対して

一直線穴熊を採用してくれたこと自体は嬉しいの

ですが、これはこれで残念な結果となりました。


高橋九段はブログで一直線穴熊について

「あの形自体は、私自身も、対局・VS等で結構

指してる。そして、指せば指すほど居飛車側が

苦しくなる感触を持ってる。」と語っています。


やはりそうですよね


私自身は先般ブログに書いた通り、別の理由

が主たる原因で(序盤に懸念する局面あり)

一直線穴熊をレギュラー戦法から控え戦法へと

格下げしましたが、仮に序盤を無難にこなして

穴熊を組み上げることが出来てもその後の

捌きと申しますか、仕掛けと申しますか

展開が非常に難しいと感じます。

極端な表現をすれば

「一直線穴熊を指している時はいつも息苦しい」

こんな印象でございます。


いくら羽生名人が相手でも最強渡辺穴熊

こんな負け方するのを見てしまったら、ブレイクスルー

でも無い限り、当分控え戦法とするしかありません。


渡辺2冠が順位戦A級最終戦で久保九段と対戦

しますが、久保九段が中飛車を採用してきたら

(恐らくかなりの確率で採用するでしょう)

どういう対策を講じるか楽しみです。

ちなみに久保九段戦は今日と同じく

渡辺2冠が後手番となります。


そして、本日の本題です。

二人の対戦成績は羽生名人から見て31-32。

この均衡が今後どれだけ続くのでしょうか?

(願わくば、ずっと続いて下さい。あと10年くらい。)

そして今日の勝利で羽生名人は通算1308勝となり

中原誠十六世名人と並ぶ通算勝数3位タイ

なりました。

2位のひふみんが現在1319勝ですので、

数か月後には単独2位となることが予想されます。

1位の大山十五世名人の記録は1433勝ですので

3年後位の到達が常識的な予想です。

大山十五世の全盛期(いつが全盛か議論の余地あり)

は棋戦自体が少なかったですし、戦争で兵隊にも

取られています。それでこの数字はモンスターです。


それと通算対局数(純粋に対局数のみ)でいうと

羽生名人はまだ歴代9位です。10位は大内九段で

8位は桐山九段と往年の名棋士に挟まれています。

羽生名人が超ハイペースで驀進してきたことが分かります。

1位はもちろん「75歳にしてカキフライ定食とチキンカツ

定食のダブルを一度に食べ尽くす。」加藤一二三先生です。


野球のイチロー選手が記録を達成するごとに

「イチローの活躍によりかつての伝説的

プレーヤー記録や記憶が掘り起こされた」

という主旨の文章を目にします。

羽生名人も同様の存在です。


<本日の結論>


羽生名人とイチローは別格。