舞台はボルネオ島です。東南アジアにあり、
グリーンランド島、
ニューギニア島に次いで世界で3番目(4番目といわれる場合もある)に
面積の広い島(面積 725,500 km²、日本の約1.9倍)。南シナ海(西と北西)・
スールー海(北東)・セレベス海とマカッサル海峡(東)・ジャワ海と
カリマタ海峡(南)に囲まれています。南部がインドネシア領、北部が
マレーシア領。そしてブルネイ。
世界で最も多くの国の領地がある島です。
さて、世界には大きく分けてアフリカゾウとアジアゾウの2種類のゾウが
います。アフリカゾウに比べてアジアゾウは小さめで気性が温和です。
アジアで人間と仲良く暮らして人間のために色々働いてくれているのは、
アジアゾウ。アフリカゾウは気性が荒く、こういったことはできない
らしいです。中でもボルネオのゾウは別の地域のアジアゾウに比べて
「頭が小さい」「オスの鼻が直線的に伸びている」などの特徴があって、
「ボルネオゾウ」という亜種名で呼ぶ研究者もいるそうです。
そして、ボルネオ島に生息するゾウは更新世(新生代第四紀の前半~
200万年前から約1万年前まで)の中期から後期に移動し、遺伝的に隔離
されてきた個体群であることを示めしました。そして、ボルネオに生息
しているアジアゾウは進化上貴重な隔離群であることが分かって来ています。
特にボルネオ島北部(マレーシア行政区画)のサバ州のゾウの個体数は1000頭
くらいと考えられているそうですが、実際には600頭が限度だとか。
サバ州では1980年代以降、アブラヤシなどのプランテーションが急速に
広まり、多くの熱帯雨林がプランテーションに変わっています。
そのため、ゾウが生息できる地域が急速に狭められてきました。同時に
害獣駆除という名での合法的な射殺、密漁なども行われ、個体数は減少
し続けているのだそうです。現在、アブラヤシなどの農園にやってくる
ゾウは射殺するか、できるなら捕まえてタビン野生生物保護区
(1205平方km)へ放逐しているのが現状です。
日本のクマと同じように、人間が開発して山の自然が少なくなって食べる
ものが無くなるから、彼らは人間の生息域に出てくるのです。その結果
射殺されてしまう…。
以前知床を取材した時と同様、単に可哀想と思うのではなく、解決策を
考えなければならないと感じました。
ゾウのような大型の動物は、1頭生きていくのに最低限必要な森の広さが
あります。タビン野生生物保護区でもこのまま放逐を続ければ、この地域の
生息可能な限度を越えてしまいます。そのためサバ州政府はゾウの輸出を
始めているそうです。自然環境の中でなくても、遺伝子が世界のどこかで
残っていれば、と。
そこで旭山動物園が立ち上がったのです!!
はいっ!! 放送のご案内ですっ!!
今回も弊社木下D(大先輩)の総力取材!!
海外取材を含むドキュメンタリーパートを
弊社佐藤(同期)が撮影。
ナビゲートパートを私と。
ボルネオ取材も大変だったそうですが、この日の旭川も大変!!
寒いったらありゃしない!!
夜はホルモン喰いに行ったけど。グフッ。
『動物の故郷からのメッセージ ~旭山動物園プレミアム~』
2月20日(日) 午後2時~3時24分
ナビゲーター:相武紗季
ナレーター:遠藤憲一
HBC制作 TBS系全国12局ネット
お近くの放送局は御覧の通りです。