八坂神社前交差点を渡ると右角の歩道隅になにやら石柱が置かれています。道標だろうと近づいてみると古めかしい庚申塔が立っています。時折見る古めかしい石塔に街道を旅しているんだなあ、と一人感慨にふける瞬間です。
路傍に建つ庚申塔
庚申塔をあとに道を進んで行くと、大きくカーブした右手に現れるのが冨塚八幡宮です。国道1号線に面して鳥居が立ち、境内の奥に裏山の上に鎮座する社殿へつうじる長い石段をみることができます。
冨塚八幡宮鳥居
社殿へつづく石段
その石段の登り口の左脇に大きな句碑が置かれています。これが芭蕉翁の句碑なのですが、石面には「鎌倉を生きて出でけむ初松魚」と刻まれています。この句意は江戸っ子に珍重された初鰹(はつかつお)は鎌倉で水揚げされて、生きのいいまま戸塚を通り、江戸まで運ばれたようすを詠んだものです。
芭蕉句碑
冨塚八幡宮は平安時代、前九年の役平定のため源頼義・義家が奥州に下る途中、この地にて応神天皇と富属彦命の御神託を蒙り、其の加護により戦功を立てる事が出来たのに感謝をして、延久4年(1072)社殿を造り両祭神をお祀りしましたことが始まりです。
冨塚八幡宮拝殿
44段の石段を登りつめると正面に拝殿が現れます。拝殿の裏手には本殿が境内の木々の木漏れ日を浴びて輝いていました。
冨塚八幡宮本殿
そろそろJR戸塚駅から1キロ強の距離にさしかかります。予想通り、上方見附跡の案内柱が現れました。この上方見附を過ぎるといよいよ戸塚宿から西へ下る旅人を悩ました「大阪」の登り坂が始まります。
登り坂が始まるとすぐ右側に「第六天宮」の扁額が掲げられている鳥居が現れます。国道一号に面して比較的広い敷地を持つ神社ですが、どうも趣に欠ける雰囲気で敷地には一面に石盤が敷き詰められ陽射しを遮ることができるような木もありません。
第六天宮
この第六天宮を過ぎると、およそ1kmにわたってつづく標高差約40mの「大坂(おおさか)」の登り坂が始まります。戸塚宿を発って藤沢宿へ向かう旅人が、上方見附を過ぎていきなり出合う難所だったようです。
大坂一番坂
かつての東海道は今よりも道幅は狭く、勾配もかなりきつかったのではないでしょうか。このため戸塚宿の馬子や人足が副業で荷物や人を運んで手間賃を稼ぐ格好の場所だったのです。
登り坂を進んで行くと、路傍に七基の「庚申塔」が整然と並んでいます。ほんのちょっと街道らしさを感じる情景です。
七基の庚申塔
庚申塔
一番坂が終わる戸塚警察署下交差点を過ぎると、次に二番坂が始まります。二番坂を登って行くと大坂上信号が現れます。ここで道が二手に分かれます。それでは左手の道を進んでいくことにしましょう。
大坂二番坂
左手の道をしばらく進むと二番坂が終わる戸塚汲沢町歩道橋が見えてきます。この辺りから道路の真ん中に木々が茂る中央分離帯が始まります。以前はこの中央分離帯には街道らしい松並木が植えられていたようですが、現在では松の木はちらほらといった状況です。
中央分離帯
汲沢町歩道橋から道は緩やかな下り坂となり汲沢第二歩道橋へと下りていきます。そして汲沢第二歩道橋をすぎると歩道脇に現れるのが「東海道 お軽勘平戸塚山中道行の場」の記念碑です。
東海道 お軽勘平戸塚山中道行の場
それほど仰々しい記念碑ではないのですが、道路脇の狭いスペースに無理やり置いたような佇まいです。あまり手入れが行き届いていない様子で、スペース内は雑草で覆われています。
東海道 お軽勘平戸塚山中道行の場
「東海道 お軽勘平戸塚山中道行の場」の記念碑を過ぎると、やがて道は日本橋から46kmと表示された原宿第一歩道橋へとさしかかります。この歩道橋の先に吹上信号がありますので、ここで右側の歩道へと移動します。
吹上信号から下り坂の道を進むこと250mほどで浅間神社の鳥居前に到着です。鳥居をくぐり古木の並木がつづく緩やかな坂道を上って行くと境内へと至ります。その境内の奥に社殿が鎮座しています。浅間神社ということなので、あの浅間造りの社殿かと思いきやごく一般的な社殿だったのでがっかりした次第です。
浅間神社石柱
浅間神社鳥居
浅間神社参道
浅間神社社殿
浅間神社をあとに国道1号に沿って進んで行きます。浅間神社からおよそ500mで原宿の交差点です。この交差点を過ぎると道は中央に木々が植わる分離帯がしばらくつづきます。この区間は見るべきものもなく単調そのものです。
原宿信号から860mほど歩くと影取歩道橋東側の信号に到着します。ここで中央分離帯は終了します。ここから先420mほど行ったところの影取第二歩道橋までも単調な道程がつづきます。
影取第二歩道橋を過ぎると左手に諏訪神社が現れます。まあ、それほどの神社ではありません。
諏訪神社
諏訪神社を後にして国道1号をその先へ進んでいきます。左手に広がる畑地を過ぎていくと降り坂になってきます。 藤沢バイパスになっている国道1号は右手へ分かれていきますが、左手へとつづく旧東海道を進むと、藤沢バイパス出口の信号に到着です。
旧東海道は県道30号と名を変え、遊行寺坂方面へと進んで行きます。藤沢バイパス出口の信号から620mほど歩いたところに旧東海道松並木記念碑が現れます。江戸時代にはこの辺りは見事な松並木がつづき、広重が描いた東海道にも描かれたほどです。そんな往時を偲ぶようにここに記念碑が建てられています。
旧東海道松並木記念碑
旧東海道松並木記念碑
この旧東海道松並木記念碑を過ぎるとまもなく遊行寺の坂へとさしかかります。
其の三へつづく
秋・9月、10月、11月の歴史散策コースの日程を発表しました!