モデル、俳優として絶大な人気を誇る若手実力派俳優の成田凌さん。

「逃げるは恥だが役に立つ」「わろてんか」「劇場版コードブルー・ドクター・ヘリ救急救命」など話題のテレビドラマ、映画に連続して出演し、ひっぱりだこの成田さん。

主演映画「愛がなんだ」でお会いできるかな〜と期待していましたが、来名キャンペーンは今回が初めてとなりました。

17年続く中部の長寿映画番組三重テレビ「シネマクルーズ」でのインタビューです♪

 

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(東京国際映画祭) ©2019 TIFF

 

さて、インタビューレポの前に、「活動弁士」についてちょっとだけ説明しますね。

活動弁士という職業はみなさんはご存じですか?

 

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(C)2019「カツベン!」製作委員会

1893年にエジソンがのぞき込む方式のキネストコープを発明し、日本では1896年にこれが上陸。このあとリュミエール兄弟が、大きなスクリーンでたくさんの方と一緒に映画を観ることが出来る現在の映画シネマトグラフが登場して、日本では明治30年に大阪の南地演舞場が最初の興行になったそうです。

この映画にまだ音がなかった時代、無声映画に登場する人物のせりふに音をあてて、また物語を説明していた人が活動弁士といいます。

スクリーンの横に立ち、各映画館には専属の活動弁士がいて、観客は「映画を見にいく」ではなく「弁士の説明を聞きに行こう」という時代だったとか。

日本は、落語、講談、浄瑠璃など多様な語り芸が伝統として受け継がれています。活動弁士も独自の文化として定着していたのです。

アメリカやヨーロッパでも弁士のような人はいたのですが、日本とは文化の違いか、音楽は流れていたけど弁士はいなかったそうです。日本ならでは映画文化なんです!

この映画では、100年前活動弁士の黄金期から今の映画になるまでの黎明期を描いていますが、それだけではありません。

活動弁士のドキュメンタリーチックな難しい物語ではなく、成田さんが演じるカツベンしに憧れる俊太郎と、幼なじみの恋の行くへ、ニセ弁士を追う刑事との追跡劇、ライバル映画館や弁士との攻防戦など笑いとアクション、人情ドラマなどてんこ盛りのエンタテイメントに仕上がっています。

劇中で活動弁士役の成田凌さんのそのカツベン!ぶりがお見事で、映画の中で劇中劇がはじまり、成田さんの映画の説明がはじまると

観客と同じくその語りに酔いしれます。ついつい一緒に声を出したくなっちゃいます。

 

活動弁士という職業を知らなかった

 

本作は、「Shallwe ダンス?」「舞妓はレディ」の周防正行監督の5年ぶりの最新作。

周防作品常連のベテラン俳優の中、成田さんとヒロインの黒島結菜さんはオーデションにて起用されています。

 

〜活動弁士の役についてどのように最初はおもわれましたか?

成田さん「そもそも活動弁士という職業があることを知らなかったんです。役を演じることが決まって

今も活躍されている活動弁士の語りを見せていただきました。スクリーンの横で、映画を説明している弁士を見た時に、なぜかすごく当たり前に思えました。落語、講談を観た後だったから、すごく自分の中で馴染んで聞こえ、当たり前のことに思えたのです」

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4ヶ月の猛特訓

 

〜劇中劇をみながらの練習だったのでしょうか?

成田さん「クランクインの前に4ヶ月間練習しました。最初のうちは弁士の方に教えていただき、ひたすら何度も語りを繰り返す反復練習でした。劇中劇はまだ仕上がっていなかったので、その元になるオリジナルの映画をみながら、何本かあるのでそれを繰り返しました。言葉で教えていただくのはとても難しいです。日本の話芸のリズムは僕らの世代には馴染みがないので、そのリズムを体に馴染ませていくところからやりました」

 

〜いろんな声色も出していますね?

成田さん「全身で声をだすので3時間しか声が持たないので、3時間が限度でした」

 

この映画を通し、演じたことで日本の話芸に関して興味を持たれた成田さん。

成田さん「昔の時代の劇場は、映画に音楽をつける楽士がいて、お客さんの野次もあって無声映画でありますが、

劇場には音がありましたね。いま、応援上映とかありますから、戻っているような気がしました」

「音楽が流れ、弁士の説明を聞いて、贅沢な時間はぜひ(映画「カツベン!」)で体感して欲しいです」

 

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走る成田凌さん

 

あまり走るというイメージがない、成田凌さんと竹野内豊さん(笑)

刑事役の竹野内豊さんもふくめ、走るシーンはとても躍動感があって

ほんとに活動写真をみているようでした。

 

成田さん「そうですね、自転車をこいでいるのか、持って走っているのか(笑)トラックにとびのったりとか、いろいろありましたけど、この映画って全部アクションだとおもうんです。追いかけっこしようが走ろうが、語りもそうです。ずっと動いていたので走るシーンの当たり前にやっていました。でも下駄で走るのは大変でした」

と撮影を振り返りながら楽しそうに話してくださいました。

 

東京国際映画祭でもメインキャストのかたにお話をお聞きしましたが、みなさん「楽しかった!」「幸せな時間」とベテラン勢が口をそろえて嬉しそうに話してくださいまして。聞いているわたしも笑顔になっちゃいますね!

成田さんは最後に、和気藹藹とか仲良しこよしだけではなく、「映画を作っている」という実感がヒシヒシと伝わってくる幸せなひとときだったとおっしゃっいました。

作り手のいい雰囲気がそのまま作品に反映しています。

そして「カツベン!」は、全体的にとても心地いいリズムで見ていただける映画。

成田さんが言うように、語りも動きも全部がリズミカル♪

12月13日までまだ日にちがありますが、期待してお待ちくださいね。

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今回は成田凌さん編を書きましたが、

周防監督編、東京国際映画祭編と

クドイくらいに(笑)レポートします♪お楽しみに