お帰りなさい、メリー・ポピンズ♪

人生をカラフルに変えるエンタテイメント「メリー・ポピンズ リターンズ」が2月1日に公開となります。

 

1964年にウォルト・ディズニーの手によって映画化され、アカデミー賞5部門を受賞した名作ミュージカル「メリー・ポピンズ」

小学生の時、リバイバル上映で映画館で見た時に、そのファンタジーの世界に浸りいつかメリーがお家にやってくるのではないかと本気で思っていました。

可愛かったな〜わたし(笑)

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(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved

傘をさして、風に乗って空から舞い降りてくるシーンは今でも目に焼き付いており、お天気がよいのに風の強い日はついつい空を見上げ

一瞬だけメリー・ポピンズの世界に入ることがあります。まだまだ好奇心と妄想族という部分では子どもなのかも(笑)。

 

いつもメリーのことが頭のかたすみにあったので、50数年ぶりに続編が製作されると聞いた時は嬉しくて公開を心待ちにしていました。

今回のメリーは、凧につかまって空から下りてくるんです。前作のラストが子ども達の凧揚げシーンでしたから、ちゃんとつながっていたのです、

もちろん初見でみていただいても存分に楽しめるけど、マイケルが大人になったという設定なので

ところどころに子どもの頃のマイケルのことを拾い上げていく物語(脚本)がニクイですね。

 

舞台は前作から20年後の大恐慌のイギリスはロンドン。いたずらっ子だったバンクス家のジェーンと弟のマイケルも大人になり

マイケルは3人の子どものシングルファーザー。妻は病気で亡くし家の中は荒れ放題。お手伝いのエレンはすっかり歳をとり、それでも憎まれ口をたたくのはかわりません。

生活は苦しく双子の兄妹と幼いジョージはお父さんに気を遣い、「昨日のパンなら安くしてもらえるかもよ」なんて、けなげでとてもいい子達。

そんな中、風にのって凧につかまって地上に降りてきたのがメリー・ポピンズ。

バンクス家がピンチに一行ったときにやってくるメリー。ほぼ強引に子ども達の教育係としてバンクス家に住むことになります。

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(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved

お風呂に入るのもおっくうな子ども達ですが、メリーの魔法によってバスダブが海の世界になったり、

お片付け中にママの大切な置物を割ってしまいこまった子ども達を助けるために、器の画の中に入り込み冒険を仕掛ける。そんなメリーの魔法によって、子ども達は夢と希望を取り戻し、明るくなっていきます。こまったことにマイケルは、現実に縛られすっかり昔の彼ではなくなっている。そんなマイケルにもメリーは大事なことを思い出させてくれます。

 

メリーに扮するのは「プラダを着た悪魔」でブレイクし「ボーダーライン」「クワイエット・プレイス」でいまやハリウッドを代表する女優エミリー・ブラント。前作のジュリー・アンドリュースの真似ではなく、エレガントでツンデレな彼女ならではのメリーをしっかり作り上げています。唄も素晴らしくうまいですよ!

監督は「シカゴ」「イン・トゥ・ザ・ウッズ」でミュージカルでは定評のあるロブ・マーシャル。

マイケルを演じるのは007でもお馴染みのベン・ウィショー。そのほかメリル・ストリープも登場し唄を披露しいています。

 

そんな俳優陣の日本語吹き替えを担当したのが、メリーに平原綾香さん、マイケルには谷原章介さん。

吹き替えも見ましたが、とにかく平原綾香さんの歌がすばらしい!そしてなによりもエミリーにぴったりの台詞回しに声。

谷原さんもあのハンサムな声で魅了します。

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谷原さんは今や司会者としても活躍していますね。

以前、映画ハンサムスーツでお会いしたきりですが、相変わらず「ハンサム」という言葉がぴったりの紳士でした。

マイケルの吹き替えでは

「マイケルというのは教育係のメリーによって楽しい子ども時代を過ごしたのですが、大人になって大事なことを忘れてしまっている。

現実に気持ちを引っ張られてしまつています。僕自身も子どもの頃ってそうだったな、自分も子どもの心を思いだしながら演じました」

と、演じていくうちに自分の子ども時代を思い出したそうです。

苦労した点をお聞きすると、「悩みを抱えているキャラクターなので、彼の気持ちをメリーの出現によってどのように変化させていくのか悩みました。感情を内側で抑えるという演技が難しかったです」

今回、歌も披露している谷原さん。「歌がへたでね〜苦労しました(笑)歌と台詞がミックスされたのは舞台でも経験がありますが、

今回二曲とも3拍子なんです。」

「1,2,3 1音と単語が一つ。日本語だと1音に単語が2,3はいるんです。日本語として表現するのに試行錯誤しました」

お子さんもいらっしゃる谷原さん。「子どもとの接し方で「頭ごなしに怒るのではなくちょっとしたユーモアと大人としての包容力が大事ですね。

メリーに色々僕が教えてもらいました。」と、にっこり笑う谷原さん。ベン・ウィショーがもはや谷原さんにしか見えなくなった私でした。

 

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そして別の日にメリーを演じた平原さんにもインタビュー。

この日は大阪のプレミアでメリーの衣装を着て歌も披露した試写会がありました。

吹き替えとエンドソングを同一人物が担当するのは初めてのこと。

平原さんは、昨年舞台でメリーを演じ大好評を得ています。

すでにメリーを演じてはいるのですが、今回は映画でエミリーブラントの口の動きに合わせていくというまた別のテクニックが必要になります。

声を作り方についてお聞きしました。

エミリーさんは少し、声が低いんです。彼女と同じように日本で話すと肝っ玉母ちゃんみたいになってしまう(笑)」

「ドスのきいた声になってしまうので家族と話し合って声を少し彼女より高くしました」

たしかに、字幕を聞いてみるとエミリーの声は低め。平原さんがいうように日本語だと優しさがなくなってしまうかもしまうかも。

そして「英語は、敬語が語尾に表現されないので、その語尾だけでメリーぽくもなくもなってしまうのです。言い回しを変えさせていただき、訳詞の方と相談しながら台詞をつくっていきました、彼女はツンデレなのでそれを上手く生かされたかと思います」

 

今回、完全吹き替えといって、台詞だけではなく歌も日本語キャストが吹き替えています。(ラ・ラ・ランドなど英語の歌が使用されています)

歌についてもお聞きしてみました。

「英語と日本は全く違うので難しかったですね。実際にエミリーの声を片耳で聞きながら、日本語で歌っていくんです」

「エミリーさんと歌うと日本語だと合わなくなってしまうので、彼女の口の動きに合わせていくというのがホントに難しくて」

当時の収録を思い出しながらも楽しそうに身振り手振りをつけて、楽しくはなす平原さん。

お気に入りのシーンは、メリーが魔法を使わず子ども達を寝かしつける所だそうです。

メリーの切なさ、子ども達への想いがしっかり伝わる素敵なシーン。

それとメリーの洋服もみどころ。

肩幅がぴったりあったパフスリーブとマントのようなコート。

平原さんは、メリーの入浴シーンのお洋服が好きでドレッシーなドレスではなく、ルームウェアのようなファッションになるので、

彼女のプライベートを垣間見たような得した気分になったと嬉しそうに話してくださいましたよ。

平原さんの歌声はもちろん、平原版のメリーをぜひ劇場で見て欲しいです。

 

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