もういくつ寝るとお正月と思ったら、あと24時間ちょっとで新年を迎えます。

オピリーナで再び映画紹介をすることになった2018年

映画という枠の中で新しいことにチャレンジした2018年。

今年は種まきなら、来年は発芽。愛知での映画を面白くするコト、考えています。

今年も約350本長編、80本の短編観賞、映画祭に行ったり、テレビインタビュー、舞台挨拶司会、映画イベントの司会と企画、

そしてコラム執筆など相変わらずの映画まみれの一年でした。

東海ラジオ 「タクマ神野のど〜ゆ〜ふ〜!」木曜日の映画コーナーでで紹介した中から

選びました、2018年洋画ベスト10。

 

邦画は、ランダムに年明けに発表します。

 

洋画部門

1位

フィギュアスケート界を揺るがした大事件

「アイトーニャ史上最大のスキャンダル」アイトーニャ史上最大.jpg

Copyright (C) 2017 AI Film Entertainment LLC. All Rights Reserved.

実在のポーランドのフィギュアースケート選手、トーニャ・ハーディングのスキャンダルを描いた衝撃作。アメリカ女性初、のトリプルアクセル成功者でありながらリレハンメルオリンピック出場権をめぐりライバル選手ナンシー・ケリガンへの襲撃事件などのスキャンダルを起こし一瞬にして世界的な嫌われ者になってしまったトーニャの壮絶な半生を描いていく。言葉と肉体の暴力で娘をねじ伏せていく鬼母を演じた女優がすごい!エミー賞7回も受賞しているアリソン・ジャネイ!

 

 

 

2位

小さな少年の大きな勇気に世界中が泣いた

「ワンダー、君は太陽」

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(C)2017 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.

主人公はトリチャーズ・コリンズ症候群という、たったひとつの遺伝子の突然変異によって骨や顔が著しく変形してしまう病気の男の子通称オギー。

そのオギーがはじめて10歳にして学校という“社会”にでることでうまれた差別を乗り越えていく様を、オギーや彼を取り巻く家族、友人の視点から描いていきます。オギーを演じたのは、「ルーム」のジェィコブ・トレンブレイくん。オギーのことを誰よりも理解した愛し素晴らしい演技に何度も泣かされた。

異なる個性を尊重し「思いやり」と「個性を受け入れる」ということの大切さを教えてくれる物語です。おかあさん役のジュリア・ロバーツが近年最高の演技を披露。

 

 

 

3位

衝撃と感動のサスペンス

「スリー・ビルボード」

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(C)2017 Twentieth Century Fox

中年女性がアメリカミズーリ州の片田舎の町の道に突如現れたのは3つの赤い看板。その広告主は何者かによって娘を惨殺された中年女性ミルレッド。事件の発生から、7ヶ月たっても一向に捜査が進展しないことに苛立った彼女が、警察署長を批判するメッセージを掲示したのです。

映画そのものも、第一印象は悲しいお母さんの復讐劇と見せかけといて、次から次へと違う顔が見えてくる。作品全体はかなり静謐(せいひつ)なムードに包まれているのに、片時も目が離せません。善人とも悪人とも言い切れない、善悪表裏一体の人間という生き物の群像ミステリー

 

 

 

 

4位

タイ映画史上歴代ナンバー1ヒットを記録した高校生Dreamチームが仕掛けた史上最大の頭脳ゲーム

 

 

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(C)GDH 559 CO., LTD. All rights reserved.

一人の天才少女をリーダーに、高校生の犯罪チームが頭脳と度胸だけを武器に世界をマタにかけたカンニングをするというクライムサスペンス!

中国で実際に起きた集団不正入試事件をモチーフにして「カンニング」という題材をスタイリッシュに描いています。

ティーン達のひらめきと危うさ、スピード感のある展開、そしてきわどいスリル、そして学園ドラマもしっかり描かれていくという見事な構成!

後半の世界をまたにかけ、ある手法を使った最大のカンニングシーンは、28分間手に汗握り、心臓の鼓動が聞こえるくらい興奮しました、

 

 

5位

大迫力の音楽と豪華なパフォーマンス

「グレイテスト・ショーマン」

「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナム。ショービジネスの原型を作ったと言われる人物。

冒頭からそれはそれは、煌びやかなミュージカルで幕開け。IT’S SHOW TAIME!とヒュー・ジャックマンが迎えてくれる。

バーナムの波瀾万丈の半生、家族との心温まるエモーショナルな物語に加え、ゴージャスな映像、心トキメクナンバー、ダンスと全編に流れる曲い酔いしれた。

 

6位

老いも若きも大興奮!大ヒット中「ボヘミアンラプソディ」BRメイン.JPG

[c] 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation.  All rights reserved.

ボーカルのフレディ・マーキュリーの死から27年たった今も絶大な人気を誇る伝説のバンド「クィーン」。その結成から名曲「ボヘミアンラプソディ」が生まれるまでの誕生秘話、解散の危機、そして復活までをドラマチックに描いていく。クィーンを知らない方でも、ワンフレーズ耳にしただけで、心が躍り出す名曲ぞろい。バンドの危機を乗り越えクィーンと観客が一体となった、クライマックスのライブエイドチャリティーコンサートシーンが最高だった。

フレディの魂の歌声に身震いし、感動してなんども涙した。

フレディのほか、演じている俳優達のそっくりぶりが素晴らしい。応援上映ではわたくしもブライアン・メイコスプレで司会をした思い出の作品。

 

 

 

 

7位

惜しくもアカデミー賞を逃したが私の裏アカデミー賞作品賞はこちら!
「デトロイト」
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(C)2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
 

「ハートロッカー」で史上初のアカデミー賞監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー監督の最新作
1967年.権利や社会に対する黒人達の不満が爆発したデトロイト暴動はアメリカ史上最大級の暴動であり尊い命も奪われた大惨事。その暴動の裏側で50年もの歳月、歴史の闇に埋もれていた一夜の事件を、実話を元に描く。警官達に、死のゲームのような強制尋問をされる、若き黒人たちの逃げ場なきモーテルの密室での数時間を赤裸々に描く衝撃的な40分間。早く終わって欲しい。誰か助けに来て!と心の中で叫びながら見ていました。尋問の先頭に立つドSの人種差別警官フィリップの性格の悪さが尋常じゃない! これは人種差別だけじやない、人間の愚かさを描いている作品です。世界中の人に人類同士の危機感をもってほしいという監督の全身全霊のメッセージが込められているような気がする。

 

 

 

 

8位

全く新しい恐怖を描く「クワイエットプレイス」7e8e3283bc8b5094.jpg

(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved

音に反応し、人間を襲うなにかによって荒廃した世界で、生き残った一組の家族を描く。日々のルールは「音を立ててはいけない」。音にまみれて生活する上で、音を立てないというのはほぼほぼ困難。

冒頭の10分間、音楽も音もない。登場人物が裸足で音を立てないように、手話かアイコンタクトで話をしていので、見る側にも緊張感が漂ってきて、咳払いもできないほど。後半、恐怖のクライマックスは母の出産。どのようにして、出産するのか、生まれた赤ちゃんの産声は?知恵をしぼりその何かから身を守る様は圧巻です!ハラハラ感が止まりません!

 

 

 

 

 

9位

時をこえて家族をつなぐ愛と絆の物語

「リメンバー・ミー」3657bc643dc71ac5.png

(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

オレンジのマリーゴールドが敷き詰められた橋を渡るとそこは陽気なガイコツたちが住む死者の国。そこはまるでテーマパークのようで、ガイコツ達が闊歩し、活気溢れる町並みで生活しているのです。天までとどくような煌びやかな建物は往年のスターが住んでいるという夢の世界。こんな楽しいところは死ぬまでに一度は行ってみたいわぁ。

もちろん、音楽が大好きなミゲル少年の家族の絆も描かれていて、曾お祖母ちゃんココとのエピソードに涙腺崩壊。ラストは身も心も骨まですっぽり感動に包まれます!日本語吹き替え版ミゲルの母の声をあてた松雪泰子さんとの舞台挨拶も楽しかった。

 

 

 

 

 

10位

こちらは女優に捧げます。

カナダで最も有名な画家の感動物語「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」

アカデミー賞作品賞ほか4冠受賞「シェイプ ・オブ ・ウォーター」

共に主演はサリー・ホーキンス。79b70ce561ce1761.jpg

(C)2016 Small Shack Productions Inc. / Painted House Films Inc. / Parallel Films (Maudie) Ltd.

シェイプ〜は、冒頭の30秒で傑作と確信。

しあわせ〜は、これは埋もれさせちゃいけない作品。絵も、部屋も、風景も、夫婦も、ずっと見ていたい、とても愛おしい気持ちになりました。

特筆すべきは2作品の主演サリー・ホーキンスの演技です。常にナチュラルで、台詞が少なくともキャラクターの心情が伝わってくる憂いのある表情。大好きな女優さんです。どんな悪状況下でも小さなことで喜びを見出せる精神をもつこと。彼女が映画を通して教えてくれます。

 

 

 

次点

アカデミー賞外国語映画賞チリ代表で受賞「ナチュラルウーマン」

トランスジェンダーのマリーナが突然死した最愛の彼に最期のお別れをするまでを描いたエモーショナルな物語。最愛の人の死に悲しむ間も無く、彼の家族から酷い言葉の暴力を受け、葬儀に参列できない。

マリーナは、変態、汚い、気持ち悪い、など暴言を家族から浴びるが、何があっても背筋を伸ばし凛々しく彼への愛が本物だということを私たちに見せてくれる。シーンの途中、マリーナが歩いていると、強い向かい風が吹いてくる。

45度体が前に傾いてもどんなに風が強くても彼女は、前に進もうとする。

 マリーナのように、自分らしく生きよう。そんな気持ちにさせてくれる人生賛歌。

 

 

 

 

 

順位はあまり関係ありません。

12月に観賞したものでもお気に入りはありますが、2018年1月から11月に観賞した作品にしぼりました。

2019年も素敵な映画にめぐり逢えますように。

今年も一年、ありがとうございました。

映画パーソナリティ 松岡ひとみ