「俳優・山田裕貴という人」

名古屋出身の山田裕貴という俳優を、“発見”したのは井口昇監督の「ライヴ」。

井口作品が好きで観たのですが、主演をつとめる彼こそが山田裕貴さんでした。

2014年以前はゴーカイジャーで子ども達の心は掴んでいたのですが、私はしらなくて、「ライヴ」以降は彼を探し始めたのでした。

監督で映画を選ぶ、脚本で選び映画やテレビドラマを見ることが多いけど、

久々に俳優でみたくなった人であります。

 

初めてお会いしたのは村上虹郎主演の「二度目の夏、二度と会えない君」の名古屋キャンペーン、舞台挨拶。

全力で俳優やってます!芝居好きです!作品に参加してます!という熱いものが伝わる人。作り手という感じ。

そして、絡みはないけど「亜人」に私がレポーター役ででていたので亜人役の山田くんと、勝手に共演したと世間様に言いふらしておりました(笑)

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総合司会をさせていただいた今年の3月のとよはし映画祭で「亜人」の本広克行監督がゲストにはいり、

山田さんも愛知出身ということでゲストでお越しいただき、トークショーが実現。

2017年は12本の映画に出演した彼は、以前よりも俳優魂200%な勢いで

オフタイムの食事会でも熱く語ってくれたのでした。

「まだまだです」

それがわたしが毎度聞く彼の言葉。

山田さんの「まだまだ」はたぶん、この先何歳になっても「まだまだ」というのだと思うさんそれだけ向上心もあり、一作品ごとに全力投球しているからです。

 

 

「ナゴヤドームで始球式 背番号は父と同じ」

投球とといえば、山田さんのお父様が元プロ野球選手山田和利さんで中日ドラゴンズに在籍していたのです。

(現在は広島東洋カープの二軍守備・走塁コーチ)

彼もリトルリーグで活躍していたということもあり、名古屋に縁が深く8月10日ナゴヤドームで開催された

中日ドラゴンズ「ブルーサマーシリーズ 2018」開幕戦となる東京ヤクルト戦の始球式投球者を務めたのです。

映画にひっかけ、「あの頃父の背中を追いかけていたという山田さん。

当時のお父様と同じ背番号「30」で投げきった感涙インタビューは記憶に新しい。

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今回は、始球式の前にオピリーナで単独取材をさせていただきました。

主演作品「あの頃、君を追いかけた」

 

今回「あの頃、君を追いかけた」で座長をつとめ、

スタッフ、キャストとともに作り上げた作品ということもあり、山田さんのその想いは並々ならぬ熱量を感じました。

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山田さん演じる浩介は、女子には興味がなく悪友達といつもつるんでバカのことばかりする日々が一番好き。

ある日、高校一番の美女で優等生の真愛を好きになってしまいます。あることをきっかけに真愛も浩介を意識するようになり

二人のささやかな時間、仲間達との楽しい時間が続きます。高校生活も終わり、二人はそれぞれ違う道に進み、やがて二人に別れがやってきます。そんな二人が10年後に再会。愛おしかったあの頃の時間を回想する浩介・・。

 

この映画は台湾で大ヒットした同名作品がオリジナルとなります。

台湾の人口10分の1の人が観たという大ヒット作品で、新人監督でありながら、200万人を動員し、社会現象を巻き起こし、日本でも大ヒット。

私は公開当時にみてその年のナンバー1映画なり、今でも大好きな作品です。

あらたな「君追い」が誕生する、

山田裕貴くんが主演を務めると言うことで、公開前からとてもたのしみにしていました。

日本版の内容は、オリジナルをリスペクトしつつ、日本ならではのにおいがプンプンする青春映画になっていました。

日本の風景、日本の学園生活、日本の家屋や食べ物が登場し、彼らの時代とは違いますが、

私が過ごした「あの頃」、高校時代を思い出させてくれたのです。

それはオリジナル台湾版では感じることが出来なかったことであります。

 

山田さんもオリジナル版は今まで観た映画の中で3本の指に入るくらい好きだそう。

それだけに、

時代感や場所を変えそのように攻めていったらいいかということを監督となんども考えたそう。

 

そして本作では、二人が「もし・・」つきあっていたら、というパラレルワールドがとてもうまく表現されています。

台湾で仲良くデートする二人はパラレルワールドの二人か、現実なのか。

若いときのことを思いだし、「もし○○と結婚していたら」とか「もし○○になっていたら」ともう一つの自分の人生物語の妄想癖のあるわたしは、このパラレルワールドはハマッた(笑)

 

台湾での撮影はオリジナル版へのリスペクトでもありますね。

 

山田さんもパラレルワールドがオリジナル版よりも効いているのというのが見どころのひとつと話していました。

 

「齋藤飛鳥さんに会いに行く毎日」

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共演者の齋藤飛鳥さんは乃木坂46の顔でもある。

彼女の初の映画出演となった本作。少女から大人への顔の変化が抜群に可愛かったです。

 

齋藤さんと共演した感想を聞いてみました。

 

浩介や真愛の捉え方が違うのはいいことだと思いました。それが劇中ですれ違いな二人に似ているし、少しづつ距離を縮めていくのもすごく似ていました。

どうしたらよいかわからないということも聞かれたりしましたが、

はじめての映画だからこそのピュアさがお芝居にも出ていて、それは真愛にとても近いと思いました。

 

「なによりも、めちゃくちゃ可愛いんですよ。絵が持つというか」

ニカッと笑いながら

「なかなか映画の現場では会えない人ですよね、だから現場に行ったら会えるアイドル!そして僕らが(芝居で)変なことやっていたら彼女の笑顔が見られるワケじゃないですか!」

まさに真愛そのものだったと撮影を振り返っていました。

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「悪友たちを演じた俳優に伝えたこと」

 

浩介の友人を演じた俳優達とは昔から仲のいい友人だったのか?というくらい自然でした。クラスにいたなぁ〜あのバカな男子とおもえるくらいリアルな子もいた。

「男子たちは本読みの時に食事に行って僕の思いを伝えたんです。バカな話もしたり、台湾版の話もした」

さらに「自分もそうだったけど、名前をおぼえてもらってない時期の俳優ってつらいんです。芸人やってて初映画という俳優、新人賞は取ったけどその後はまったく。。モデルから俳優とかいろんなの個性が集まったんです」

「万引き家族に少し出ているだけで、出てるんだ〜スゴイ!とみなさん目の色変えるんです。僕が昨年12本の映画にでても知らない人はたくさんいるし、今日の始球式だってドームお客さんの半分以上が僕のこと知らないと思う。

だから、この映画をたくさんの人にみてもらって、あの映画に出てるんだ!スゴイっていってもらいたいんです」

誰もが見てくれるような、その映画にでていたね、といわれるようなスゴ位映画にしよう!と彼らとじっくり話し合いました。

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「家のシーンは裸のみ?!」

そういえば、浩介の実家は豆腐屋で「家族に隠し事はなし」というコンセプトの父ということで、

「裸族」なのです。

実は、山田さん、実家のシーンも前半は多いのですが、ほぼ裸なのです。

「裸の生活はたのしかったですよ。僕、どんな人の前でも出せるんです。見て欲しいじゃなくて、なんていうか古代の人ってそうでしょ?w」

「台本読みも待ちの時間もまっぱで、隠してください!っていわれるけど僕は平気。」

始球式もまっぱでやれます?

「むしろやりたい。」と裸族の思い出を楽しそうに話してくれました。

 

裸だったり、中国武術にはまっていたり、天然パーマの浩介と山田さんは同一人物かとおもえてきたくらい役に寄り添っていたようです。

丸坊主にするシーンはホントに丸刈りにしたそう。丸刈りにしてしごとがこなくなってもいいやと思うくらいな気持ちで切りましたという山田さん。

クルクルパーマも丸刈りも似合っていた山田さん。

歳が違いすぎて、山田さんが名古屋にいて凄く近くにいたのだろうけど

(笑)

彼の高校時代をなんとなく想像出来る気がします。きっと高校生活も全力だったにちがいないw

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この映画を観た後は

自分の「あの頃」を思いだしてもいいし、

パラレルワールドにいって違う人生を想像してもよし。

 

 

ひとつ言えることは、

「キラキラ映画」ではないということ

 

みんなが本気で青春している

愛おしい映画なのです。

 

「あの頃、君を追いかけた」

10月5日公開

監督:長谷川康夫

原作:ギデンズ・コー

出演:山田裕貴 齋藤飛鳥 松本穂香 佐々木宝 國島直希 中田啓祐 遊佐亮介

 

配給:キノフィルムズ

 

http://anokoro-kimio.jp/