将棋界で本当に起きた感動の逆転サクセスストリー「泣き虫しょったんの奇跡」

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(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社

 

ただ今大絶賛公開中です!

 

いまや空前の将棋ブーム!愛知県からは藤井聡太棋士というスターが生まれましたね。

本作は、小学生から将棋一筋、あるプロ棋士の実話がベースになっているますが、

将棋に興味がない方でも一人の男の人生、信じ続ければ願いは叶う、そして、

仲間の大切さ、人は人によって生かされているんだという人生賛歌のような作品なのです。

 

日本将棋界に大きな風穴を開けた棋士、瀬川晶司五段。

かれこそが今回の物語の主人公なのです。瀬川さんの自伝をもとに映画化にあたりメガホンをとったのは

9歳から17歳まで*奨励会に所属し(奨励会については下記に説明)、プロ棋士を目指していた過去を持つ豊田利晃監督です。

「王手」という映画で脚本を書き、映画界にデビューし、「ポルノスター」で監督デビュー、松田龍平主演の「青い春」わたくしお気に入りの「ナイン・ソウルズ」

「クローズEXPLODE」など、本作で記念すべき10作目となります。

本作の主演の松田龍平さんをはじめ渋川清彦さん、新井浩文さんなどなど映画界において、キャスト陣やスタッフのファンが最も多い監督であります。

 

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「青い春」から、じつに16年ぶりに松田龍平を単独主演に迎えました。もちろんその後も助演などで参加し、お付き合いはずっと続いていたそうですけどね。

松田龍平さんしかり、豪華キャストが出演していますが、棋士を目指す俳優達は徹底して駒の扱いの猛特訓。難しい作法でもある将棋の手つき、駒さばき、駒をおく指の接写など経験者ならではの監督の厳しいこだわりがあったそうです。

 

先日、豊田監督と松田さんにテレビ映画番組シネマクルーズで単独取材をさせていただいたときも、「将棋の映画を作るなら手つきを完璧にしたい」と思ったそうです。それは所作ができていないと知っている人が観るとさめてしまうと。

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対局シーンはこの映画の見どころで、あらゆるアングルから撮影して将棋のスリリングさが将棋を知らない人にも伝わります。

松田さんも相当練習をかさね、初心者でしたが、猛特訓をして自分自身が演じる瀬川プロからも指導を受けたそうです。「駒を置く指の接写もあって大変だった」と撮影を振り返っていました。

でも、すごいのはその努力のかいがあってなんと先日「初段」になったそうです!パチパチ!松田初段誕生です。

音楽もこの映画は素晴らしいのです。

 

瀬川プロ(しょったん)の気分にあわせて、ドラムのみの激しい曲やピアノのみの優しい曲になったりと対局シーンは、何度でも観たくなります。

音楽は、元BLANKEY JET CITYのベーシスト・照井利幸さんが担当しています。愛知出身なんですよね。監督曰く「映像を見ずに脚本を読んでそのイメージで曲を作ってくれましたが、(音楽の世界観が)本作と見事にマッチしていました」とおっしゃっていました。

照井さんが完全書き下ろしで手掛けた劇中音楽もオススメ!
(サウンドトラック『泣き虫しょったんの奇跡 Original Soundtracks by Toshiyuki Terui』も、9月5日(水)より発売中)

 

そして、奇跡のお話ではありますが、彼のまわりには奨励会の仲間でありライバル、町の将棋クラブのオーナー、幼なじみのユウヤ、アマ名人になった後に彼に注目した新聞記者、家族、様々な支援者によってかれはもう一度プロを目指すのです。

いろんな人に出会い、助けられたしょったん。子ども時代もすごくよくて、何の取り柄もない少年が、将棋と出会い夢中になっていく。この松田龍平が青年役を演じていますが、少年期は窪塚洋介の息子、窪塚愛流くんが演じています。これがすごくよかった!!

しょったんの幼なじみで、お隣に住み毎日将棋を指していたユウヤの役を「君の名は」の主題歌で大ブレイクを果たした

RADWIMPSの野田洋次郎が扮しています。元々、松田さんとは親友で、今回その距離感がばっちりでていました。

監督は、野田さんに数年前にあっていて街中で「ぼく、音楽やってます、監督のファンです」と声をかけられてことがあるそうです。ご縁ですね!

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(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社

豪華なキャストたちが、豊田監督と共に本気で役に挑んでいるのがひしひしと伝わってくる。そして観賞後は爽快な気分になります。

あらら、

お気に入りすぎて長文になりましたので

名古屋の舞台挨拶の様子は、パート2でお届けします!(笑)

 

「泣き虫しょったんの奇跡」

監督・脚本 豊田利晃

原作・瀬川晶司

音楽・照井利幸

出演・松田龍平 野田洋次郎 永山絢斗 染谷将太 妻夫木聡 新井浩文 渋川清彦 松たか子 國村準 美保純

早乙女太一 イッセー尾形 小林薫 上白石萌音 駒木根隆介 

(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社

公式サイトhttp://shottan-movie.jp/

*よりたのしく映画をご覧いただくために「奨励会」を説明しておきます。

日本将棋連盟のプロ棋士養成機関で、四段以上のプロ棋士から推薦を受け、試験に合格すると入会できます。何度もリーグをかさね、年齢毎に段数を上げなければ行けなく、26歳の誕生日を含むリーグ戦までに4段になれないと退会という厳しい規定がありました。

この奨励会でプロの道を閉ざされてしまうとアマチュアに転向する人もいて、この映画の主人公瀬川プロは、2005年に特例として編入試験をうけたのです、この翌年から実力あるものはプロ棋士になれる、プロ編入試験の規程ができるという、古い体制もかえてしまったのがこの瀬川プロなのです。