定年をむかえ、世間から終わった人の烙印を押されてしまった男の悲哀を描いた映画「終わった人」。

大ヒット御礼で中田秀夫監督と名古屋で舞台挨拶が行われました。

舘さんが登場するやいなや、黄色い・・じゃなくて

太く力強い男性陣の「まってました〜」「舘さんかっこええ」のかけ声が!

舘さんは6月8日の「名古屋城本丸御殿」オープニングセレモニーにもアンバサダーとして名古屋にいらっしゃっていたので

一昨日はお疲れ様!」という声も。

本丸御殿の際はわたくしは遠くから見ておりました。

 

 

名古屋を代表するスターといえば「舘ひろし」さん。

いまだからいいますけど・・

その昔、我が家からも近い舘さんのご実家の前を、用事も無いのに何度もウロウロしたことがあります(笑)

ロックバンドのころから好きだったのです。いとこのおにいちゃんにもらったレコードを聴いてましたの。うふふ

まさかその数十年後、その舘ひろしさんと「あぶ刑事」の時だったかな、お仕事ができる日がくるとは思っていませんでした。

いや〜あの時はうれしかったです。

2年前には恭サマもご一緒させていただきました♪

 

定年をむかえ、世間から終わった人の烙印を押されてしまった男の悲哀を描いた映画「終わった人」。

「西部警察」「あぶない刑事」などスタイリッシュでハードボイルドな役とはまったく正反対のトホホな初老の男性を演じています。

 

(C)2018「終わった人」製作委員会

 

4度目20年ぶりの共演で妻を演じたのは黒木瞳さん。

このインパクトの強いタイトルの同名小説を手がけたのは内舘牧子さん。

左遷された元エリート銀行マンで本社に戻れないまま子会社で定年を迎えたエリートサラリーマン田代壮介が、もがきながらも第二の人生と向き合う姿を描いているヒューマンコメディです。

 

仕事一筋で趣味なし、そして定年したら夢なし、仕事なし家には居場所なし。

冒頭は定年する日からはじまり、「定年って生前葬だな」とうインパクトの強い台詞が印象的。

昼間の時間をもてあまし、スポーツジムやカルチャースクルールにかよいはじめる様子はかなりリアル。昼間の図書館、喫茶店、公園で時間を潰すのもよくみかける光景。

妻は、美容師でお金を貯めて自分の店を持つのが夢。その夢のために忙しい毎日を送っています。

壮介が暇すぎて、温泉旅行にでも行かないか?とさそいますが、忙しいからと断られる。

あ〜そーいうのあるある。そうです、定年後のあるあるがいっぱい詰まっているのです。

 

本作をみているとやはり妻、女性のほうが、近所づきあい、趣味とかネットワークもたくさんあるので、たくましさを感じるんです。

(C)2018「終わった人」製作委員会

 

前半は、ほんとになさけなくて。お腹の出た初老の男を冴えない顔つきでぼんやり座っていたり、いつものダンディな舘さんはいずこに?と笑ってしまいます。

衣装合わせのときはどんなダサイ服でも似合ってしまってこまったという舘さん。

途中、意を決して仕事をはじめようと、スーツに着替えるのですが、それが

似合いすぎ!カッコイイのであります!

クランクイン前は「舘さんをどれだけダサくできるか、燃える」って監督がおっしゃっていましたが冒頭は大成功でしたね。

カルチャースクールで広末涼子さん演じる受付嬢にちょっと恋をする。その彼女をデートに誘うシーンはサングラスで決めてます。そのサングラス姿もカッコイイこと。

これは舘さんいわく、「あぶない刑事」シリーズを意識したそうです。

前半のコメディの部分は、歩いていてちょっとコケてみたりするのも

小芝居もちょくちょくされていますが、これもあぶない刑事シリーズでコンビを組んでいた柴田恭平さんの小芝居からヒントをえたものとか。

舘さんがサングラスをかけて広末涼子さん演じる女性を尾行するシーンは「衣装合わせでダークスーツにサングラスで『あぶない刑事』を彷彿とさせます・

 

まだまだ終われないぞー!というお父さんへの応援映画。

こんなカッコイイ68歳をみたら俺もがんばろーって思いますし、

奥様は、どうかご主人を支えてあげていただきたいです。

え〜?!わたしのこと?!

はい、いつか主人もこの日がくるのですね。

 

 

 

さて、舞台挨拶後は、これまた大ファンの中田秀夫監督の楽屋へ。

中田秀夫監督といえば「リング」「仄暗い水の底から」などJホラーの火付け役であり、「リング2」ではハリウッドに進出。

わたくしは、監督の「女優霊」が今までで一番こわい日本のホラー。いまは技術が発達しましたが当時はとにかくこわかった。

 

「リング」(98)ではじめてお会いして、「ガラスの脳」「カオス」「ラストシーン」「サディスティック&マゾヒスティック」など立て続けにご一緒しまして。ホラーとはなんぞや。日活ロマンポルノとはなんぞや。いろいろ勉強させていただきました。

 

その後も、精力的に映画を撮り続け、「怪談」「インシテミル」「クロユリ団地」「モンスターズ」などヒット作を放ち、

そして「ホワイトリリー」で日活ロマンポルノ復活。

 

いや〜〜監督にお会いするのはじつに10年ぶり。

 

以前、「成瀬巳喜男が好き」とおっしゃっていましたが、その時の監督は白い衣装の黒髪の女性の登場する映画がおおかったので

あまりピンと来なかったんですよ。

でも今回監督が初コメディで夫婦ものときいて「成瀬!!」と思いました。

映画化にあたっては、監督自らこの原作に「一目惚れ」して企画書をセントラル・アーツに持ち込んだほどの惚れ込みようだったとか。

監督は壮介に自分を重ねたそうで、映画監督のオフと似ているんだよ。

監督で脚本書く人は忙しいけど、ボクは撮影が終わると次までは少し時間があるので、同時間をやり過ごすかという部分が似ている、と。

 

 

今年は3本も公開作品があるのでそれも楽しみなのですが、

今後の展開をきいたところ・・・

「昔は尖っていたけど、いあまはジャンルは問わずなんでもやるよ!ハイハイ、むかしよりハイハイっていえるようになったんだよ。

同じ世代の瀬々監督や三池さんもどんどん撮ってるしね」

「子どもも小さいからがんばらなくちゃ。

来た球は打ちたいな。いろいろとって、「終わった人」のように意外だねっていわれることも実は嬉しいんだ」

 

監督はフランス映画もイギリス映画もとにかくジャンル関係ないシネフィルで、

撮影所育ち。どんな映画でもどんとこいですもん。

いろんな作品を見たいです。

今後も監督にお会いできるよう、わたしも

終わった人にならないように頑張ります〜〜

 

 

(C)2018「終わった人」製作委員会