美人さんが名古屋弁喋るとなんだか品があるんですね〜。

 

6月6日に映画「焼肉ドラゴン」の中京テレビ主催舞台挨拶付き試写会にて

三姉妹を演じた真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさん、鄭義信監督が登壇し、

各々、名古屋弁「どえりゃー」を使っての挨拶をしてくださり、お客様も大喜び!

司会のわたしも、和みすぎて「どえりゃー」ありがとうございます。というへんてこな名古屋弁を使ってしまいました(笑)

 

 

6月22日金曜日に公開となる「焼肉ドラゴン」は、本映画の鄭義信監督自身の原作・演出による数々の演劇賞を受賞した伝説の舞台の映画化。熱狂的な支持を受けて、2008年の初演から2011年、2016年と再演を重ね、多くのファンを魅了してきました。

万国博覧会が催された1970(昭和45)年の関西の地方都市が舞台で、焼き肉店「焼肉ドラゴン」を営む夫婦は、静花(真木さん)、梨花(井上さん)、美花(桜庭さん)の3姉妹と一人息子・時生の6人暮らし。店は、静花の幼なじみ・哲男(大泉洋さん)ら常連客たちでにぎわっていたが、時代の波が押し寄せてくる。在日韓国人の家族の姿を通して時代の移り変わりを映しだしていく。

舞台挨拶は、真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさん、監督が登場すると大きな拍手と歓声が!

日本を代表する女優の3姉妹とはなんと贅沢なんでしょうね。舞台がぱぁ〜と花が咲いたように華やかになりましたよ。

監督が3人のやりとりをお隣で目を細めて微笑みながら見守っていたのが印象的でした。

井上さんが「今日は雨の中本当にありがとうございます。どえりゃー嬉しいです。。。でも名古屋の方ってどえりゃーは使わないんですよね?言いたくなってしまいまして。」とご挨拶。

 

それを受けてか、最後の挨拶でキャスト代表、家族代表?挨拶をした真木さんも「どえりゃー楽しんでいただけたら、周りの人にすすめていただきますようお願いします」とこれまた、ナイスな連携名古屋弁。さすがですね〜

 

 

3姉妹の三女を演じたななみさんに、お二人のお姉様とのお仕事についてお聞きすると、「本当に楽しかった!たくさん甘えさせていただきました。真木さんはなんだかいたずらしたくなっちゃうんです。」「血の味とか、泥の味とか、ミミズの味とかの、おいしくない(ジェリー)ビーンズがあって……。それを真木さんにいっぱい食べてもらいました。それが楽しかった」すると真木さんが「あ〜食べました、食べました、食べさせられました」「でもこんなに可愛い妹がいたら許しちゃいますよね」と本当に妹のように、ななみちゃんをかわいがっているようでした。

 

次女役の井上さんは、真木さんについて「何をやっても許してくれる感じがある。最初は怖そうと思うかもしれないですけど、何をやっても『可愛いね』って言ってくれるのです」「私は兄がいるので、お姉ちゃんが欲しい、妹が欲しい、弟が欲しいと思っていたら、それが今回全部かなったので毎日楽しかった」と喜んでいました。

共演した大泉さんについて真木さんは、「ムードメーカーですが、物事を広い目で見ることが出来る方なので、現場で困ったことがあるとみんな頼りにしていましたよ」井上さんは「アボジ(父)を演じたキム・サンホさんと大泉さんが現場を和ませていましたね」

桜庭さんは舞台挨拶の前のインタビューで「一言話すだけで笑えちゃうんです。すごく楽しかった!」と大泉さんとの撮影を振り返っていました。

(c)2018 「焼肉ドラゴン」製作委員会

 

いつも、舞台挨拶でご一緒させていただくのですが、ほんとに大泉さんはサービス精神旺盛で、

そして常に相手のことを気遣ってくれるナイスガイなのです。

 

監督に単独インタビューの時にこの家族を演じた俳優達のなかのよさをきいてみた。

「姉妹はもちろんですですが、韓国の俳優達もみんな本当の家族のようでした。」「毎日この焼肉屋のセットで終わって、次の日また帰ってくる、なんだか家に帰るようでした」とのこと。

三姉妹それぞれ役作りについてお聞きすると・・

 

 

井上さんは(梨花・次女)いままで演じたことのないような気性の荒い女性を演じています。大泉さん演じる夫に対して暴言を吐いたり、ケンカのシーンも。そんな女性を演じるにあたり最初は戸惑いがあったそうですが、おかあさん役のイ・ジョンウンさんのお芝居を観て、このおかあさんから生まれたんだ、と思ってジョンウンさんのお芝居が役作りになりました」

真木さん(長女・静花)は三姉妹の中でみんなを見守り、一人だけ我慢をしている役。人間は我慢していると良くないですね。自然にため込んでいたものが出てきました」と後半で感情を爆発させるシーンのことを思いだし、「やっぱりたまには言いたいことを言わなくちゃですね?」と返すと「ちょっと、ね」と、指でジェスチャーして応えてくださいましたw

真木さんは「ゆれる」「SP」「さよなら渓谷」など、なんどかお会いしてますが、歳を重ねるごとにステキになっていく。大好きな女優さんなのです。

 

 

 

そして三女の美花を演じたななみさんは、キャバレーで働き歌手を目指し、さらに不倫をしているという役どころ。これまたななみさんにとっても初めての役になります。不倫相手の妻役、根岸さんとのキャットファイトもあり、毎日が緊張の連続だったけど、みなさんがやりやすい空気を作ってくれたことをインタビューでも話してくださいました。そういえば、3人は撮影中、お互いの役名で呼び合っていたそうですよ。

 

 

冒頭でお祝いのシーンがあるのですが、そこで韓国のポピュラーな踊りと歌を披露するシーンについては、ななみさんかなり練習したそうです。

手の長し方、リズムのとりかた足の使い方など、肩を使っておどるので日本人には馴染みのない踊り方なのだそう。

監督も踊ってみせたけど、「たこ踊りのようだった」と笑って応えてくれました

 

フォトセッションのとき、監督がすごくかわいかった。

三姉妹がメインになるように、監督はポスターの裏に隠れてしまったのです。そしたら井上さんが声をかけ、

ポスターからひょっこり顔を出すなど、とにかくやさしいお人柄にすっかりファンになってしまいました。

ミッドランドスクエアシネマの楽屋にはこんな、ディスプレイが。

 

 

おいしそ〜〜!サンチェまでありますねw

 

単独インタビューでは、

2008年に初上演となった舞台を製作する際に、当時伊丹に立ち退きしていない在日韓国人の方達に、1970年ごろの生活ぶりなどを聞いたそうです。

劇中で、焼肉店の場所は「国有地」で立ち退きを余儀なくされているのですが、父は頑固にも「しょうゆやの佐藤さんから買った土地だと言い張る」。あの台詞のようなことは頻繁に起きていたのかお聞きしたところ、なんと、ご自身のお父様の言葉でした。

兵庫県の姫路城近くにバラックを建てて200世帯くらい住んでいたそうで、そのバラックの一角を監督のおとうさんは土地を買ったといっていたそうです。でも権利書などはない。

いまは立ち退いて広場になっていて、姫路城は世界遺産に認定されています。

ということで、私は世界遺産の姫路城に住んでいたといっているんです!(笑)

さらに、焼肉店も監督の住まいの近くに「あたりや」というホルモン屋があってそれがモデルになっているそうです。

 

 

ななみさんは、焼肉が大好きで、この役がきたとき「なんておいしそうなタイトル!」と思ってひそかに焼肉が食べられると思っていたそうですが、撮影中は常連客役のひとしか食べてなかったそうで、ちょっと残念そうでした。

実際のお肉は、京都の焼肉の名店から仕入れていたそうで、いつも七輪で焼くホルモンのにおいが充満していたとか。

たしかに、冒頭や途中で登場する焼肉はおいしそうでした!

 

また、今回は一ヶ月のタイトな撮影でしたが、台本にないその場のアドリブや、監督が早朝の散歩で閃いたことが反映されるなど

なかなかスリリングな撮影だったそうです。ななみさんが、さつまいもを食べ、その横で母が弟の耳掃除をする。これは台本になくその時にかんがえたようです。ドキュメンタリー要素もあるのでそのあたりの自然な演技もぜひ注目してみてください。

 

ちなみに、ななみさんは韓国語、中国語、英語がお得意なので、母役のイ・ジョンウンさんとは英語、父役のキム・サンホさんとは韓国語でコミュニケーションをとって、勉強になりました〜と楽しそうに話してくれまして。

 

井上さんは翻訳アプリを使っていたり、通訳を介してとかしてコミュニケーションをはかっていたようですが、

ななみちゃんが通訳としても大活躍したそうです。

 

静花さんに恋心を寄せる二人が真木よう子さん演じる静花の前で、大泉さんとハン・ドンギュさんがマッコリの飲み比べで対決するシーンが面白い!と監督に伝えると、

「元々はカットを割る予定だったんですよ。最初は1,2杯で止めると言ったんですが、面白いからずっとカットをかけずに回したんです。マッコリがはいったやかんは返杯返杯の連続でお酒が少なくなっていくので、それをみていた真木さんがじつはお酒がなくなってしまうのではないかそわそわしはじめるんです。大泉さんたちもいつ終わるのかいつまで飲み続けるのかこまったんじゃないかな。(ニコリ)

真木さんよく見ると目が泳いでます!と撮影秘話を話してくださいました。

 

伝説の舞台は多くの人を感動させたので、映像にしたらどうなるのか。監督も毎日が試行錯誤だったとおっしゃってましたが、

ほんとにあの頃あの場所にこんな家族が住んでいたのでは?と錯覚におちいるくらいリアルな家族と時代背景です。

「生きる」という大切さ、「生きる」ことのエネルギーに触れたこの作品を多くの人に見ていただきたいです。人生賛歌のような作品です。

 

(c)2018 「焼肉ドラゴン」製作委員会