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人気漫画家の押切蓮介のサスペンスコミック『ミスミソウ』を、映画『パズル』や『ライチ☆光クラブ』などで知られる内藤瑛亮監督の演出で実写映画化。
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内藤監督の「先生を流産させる会」は、その題名も内容もかなりのインパクトの強い作品でしたが、教育大学卒で教師経験もある監督だからこそ、このようなイジメがあってはならないという想いを込めた警告をした作品だと私は捉えています。
内藤監督は愛知県豊川出身。
豊川生まれといえば園子温監督。
豊川の監督は血糊を大量に使うのね。。。。
内藤監督の躊躇しないイジメの描写や殺戮シーンは今回も健在だった。キラキラした好きだはれたの青春映画とは違う、学園ドラマの演出はこの人の右に出るモノはいないのでは?
先日の舞台挨拶と取材で、監督が中学の時に好きになった女優はダリオ・アルジェント監督の「スタンダール・シンドローム」のアーシアルジェントだそう。キャリーも好きっていってた。
本来、血糊はメイクさんが付けますが、内藤監督は自ら俳優達に血糊を大量に塗りたくっていて、杏奈ちゃんいわく
かなり好きなんだと思います。血だけじゃなく。泥や雪とかも多めにつけるんですよ!
監督も冒頭の虐められる春花より、復讐して返り血を浴びている春花がすきだと言い切っていました。
どうやら
血まみれ女優が好きなのは中学から変わってないようです。
 
主人公の野咲春花役は注目作品に立て続けに出演している映画初主演の山田杏奈が演じています。
 
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杏奈さんが演じたのは妹想いの優しい心の持ち主 転校生の野崎春花。東京から来たことを羨ましく思うクラスメイトは部外者として彼女に壮絶なイジメをしていたのです。
 
そんな中、同じように転校生のクラスメイト相場だけが心のよりどころ。
 
ある日、家が火事になり両親は死亡、妹は大やけどを負う。思いもよらない惨劇に彼女の心は崩壊。そして大火事の真相をしった春花は命を賭けて復讐を開始します。
 
 
杏奈さんには、春花を演じるときの演技の切り替えを聞いてみた。復讐の鬼と化した春花とイジメをうけている気の弱い、そして家族想いの春花。
前者は、感情を出さずにサイボーグのように、機械的な動きでバッサバッサ感情もなく殺していく。
その目力がすごいのだ。
向かい合ってお話ししている杏奈ちゃんとは、別人。彼女の女優魂はスクリーンでぜひ確認してほしいですね。
 
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本作は、ポスターからもわかるように
雪の白と血の赤のコントラストがとても美しい。
雪の力のすごさを思い知ったという監督。雪の中での撮影は大変だったけど、異空間的でキャスト達の抱える闇の部分を春の風景よりも強調させてくれたと。
 
雪の上での芝居は大変で、杏奈さんもうまく歩けず、しかもアクションが多かったので結構転んであちこちあざが出来てしまったとか。
しかし、平面とちがって、スタスタと歩けないことがイジメの加害者であり、復讐の被害者のクラスメイトたちは
罪の意識から、前に進めなくなっているもがきのような心情とてもリンクしている。
 
全編雪がほとんど降っているという設定。撮影中リアルな雪もあったけれど実は本物の雪は映像になると写りがよくないこともあり、スノーマシンで雪ふらしをしていたそうです。
 
スノーマシンの雪はすぐに溶けてしまうので、準備に時間がかかるときは再びスノーマシンの雪の雪を浴びて撮影に挑んだとか。現場では、スノーマシンで雪を浴びることを御利益をもらうと言って盛り上がっていたそうです。
プロデューサー自らスノーマシンで雪をふらせていたので
プロデューサーは“雪の神様”と呼ばれ、キャストは雪を服に付けるときは“御利益”といっていたそう。
 
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びっくりしたのは
服に付ける用の雪があるんですって!ゼラチンでできているのですが、実際使用したスノーマシンの雪とは服についた時の雰囲気が違う。ここも監督のこだわりで、妥協しない雪の見せ方もこの映画の大きなポイントです。


原作とは違うラストをむかえる本作。
原作者の押切さんは、かなり気に入ってくださったそうで、「悔しい」ラストは映画のようにすれば良かった!と話していたそう。フランク・ダラボン監督の「ミスト」を見た時の原作者であるスティーブンキングが悔しがったのと同じ感覚。と監督は言ってましたよ(笑)。映画に詳しい原作者の賞賛はなによりも内藤監督の今後の自信につながったのではないでしょうか。
 
しかし、よく準備期間一ヶ月しかないのに、よくぞこのような秀作を完成させましたよね。
すごいな~
 そして、
山田杏奈さんに対して絶大なる信頼があったという監督。
今後が楽しみな女優さんです。
 
お会いできて良かった。
 
 
監督は、またとよはし映画祭でおあいしましょう!
 
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