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 「セックス・エンタテイメント」

 

何それ?と思われるとおもいますが、「娼年」という現在大ヒット中の映画のこと。

体を売る男性、娼年が様々な女性と体の重なり合いを通して人間的に成長していくお話。

 

この映画はもともと舞台で2016年に上演され大変話題になりました。なにが話題かというと全編の60%をしめるのが濡れ場ベッドシーンなのです。舞台上演は女性客で即完売。わずかなチケットを求めて長蛇の列だったとか。

18禁で濡れ場というと男の特権みたいですが、これだけ女性達の間で話題になるというのは女性だって、エロティシズムな映画を見たいんです。欲望があるのです。

本作は女性の欲望を肯定し、そして女性に寄り添った作品。だから女性に共感を得ているのです。

観た後は、セックスという言葉するらスムーズに言えるようになる。

なんというか解き放たれたとでもいうのでしょうか。

 

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有名大学に通うリョウが娼年となり、この仕事を通じて女性達の欲望を解放していく。その課程で死んだような目をしていたリョウが、生き生きとし彼女達の心の奥底に潜む思いを受け止めて人として成長していく様が描かれています。

 

映画では性描写に関して、まったく妥協せず、でも生々しいエロティシズムは排除。つまり60〜70%セックスシーンでもまったくエロさは感じないんです。いやらしいとかえっち〜とかあまり思わなかった。

 

性表現ではなく本質的な人と人との体を通したコミュニケーションを描いているのが、面白いのです。

しかも笑える!

人間の欲望はそれぞれで、はたからみると滑稽なものも多く、この映画、笑いどころも満載なんです。

真剣にみるというより、泣いたり笑ったりできる「セックスエンタテイメント」。このジャンルはいまだかつてないとおもいます。

 

 

この映画の監督は、舞台同様、三浦大輔。「愛の渦」は乱交パーティの映画で濡れ場シーン満載ですが、欲望の奥底に潜む欲望をストレートに表現し、その中で生まれる人間ドラマを切り取っていくのがお得意です。

嘘偽りのない生身の感情を徹底して描くことをモットーとする監督でそれは舞台でも同じです。

 

今回舞台、映画も主演を務めたのは松坂桃李。劇中では10代から70代の10人の女性との絡みのシーンに挑んでいます。

刺激的なシーンの連続、体も感情も隠すことなく挑んでいます。女性の欲望はあまりにも強くそして、広くて予測不可能。

いろいろな性癖、欲望をもつ女性達を演じた女優の全てを解放していく演技は圧巻でした。

先日、大学生のリョウ(松坂)を娼夫の世界に導くクラブオーナーの娘、耳の不自由な咲良を演じた冨手麻妙ちゃんと、

リョウの先輩娼夫のあずまを演じた猪塚健太さんが名古屋の舞台挨拶に登壇。

麻妙ちゃんは、とよはし映画祭で何本かトークイベントで御世話になったばかり。すぐに会えて嬉しかったです。

猪塚くんは瀬戸出身。こんなかっこいい男子が瀬戸にいたなんて!と思わず口走ってしまいました(笑)

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麻妙さんは常に娼年に関するSNSをチェックする自他認めるエゴサーチ女優。

娼年大ヒットの理由として、女性の味方の映画であるということ。女性の評判が良く、観賞後は友人達と話がしたくなるし、公にSEXと言えなかったのが堂々とSNSに書けるようになり口にだして言えるようになる。

まさしく私がそれにはまっている人であります。

 

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笑いところはほぼみんな同じで、変態に近いほど性への欲望が強い泉川夫婦とリョウの絡み。ここ爆笑して良いとこですよ〜とお二人。

あずま(猪塚くん)のキラキラスパンコールTバックエピソードも笑えたw

このTバックは、舞台の際に“あずま”の衣装はなにがいい?と監督と考え、好きなのを買ってもよいといわれたので、ネットでTバックを何種類か買って、履き心地、お尻部分の細さなど選び、スクリーンの中でご覧いただいたあの銀のTバックになったそう。残った二枚も使うときがくるかもしれないね!と麻妙ちゃん。

お二人のクロストークがおもしろくて時間はあっという間。

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今度はこの映画をとよはし映画祭で上映しようよ!とそして猪塚くんがゲストでね。

と麻妙ちゃんと固い約束を交わしたのでした。映画祭プロデューサーにおねがいしなくちゃ。

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次の日は三浦監督の登壇。

大阪で自身が手がける舞台の楽日をおえて、名古屋へ。

名古屋での舞台挨拶は監督たっての希望だそう。うれしいですね。

 

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会場からのティーチンで冨手さんの起用についての質問。

 

ー冨手さんは、舞台の役のオーデションは落ちちゃったんだよね。映画で再チャレンジして咲良役と

松坂君演じるリョウの同級生、恵の役もうかったんだけど、本人も希望していたしまわりには僕が咲良の役で推した。

清楚な冨手さんはチャレンジでもあったけど、よかったでしょ?

 

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監督推しっていうのはたまに聞くけど、それは責任のあること。

麻妙ちゃんの本気度が監督に伝わったんですね。

 

濡れ場のシーンは監督も俳優達もかなり辛かったようです。

地獄のような撮影とお二人も、そして松坂さんも話していましたので

そんなにすごかったのか?どうすごかったのか?監督に聞いてみました。

 

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ーほとんどの映画での濡れ場は役者任せで、一連の流れを撮影した映像を編集でつなげていく。本作で挑戦したのは、カットを積み重ねていくこと。少しずつ角度をかえて撮影していくのです。丸一日約5分のシーンを撮っていくので気が遠くなる作業でしたね。まずはキス、その後胸の方に。そこでカットして、今度はまたその途中からいきましょう。でも繋ぎが悪いからもう一度キスから・・・と、その一連を20回は撮ってます。最後までいくのに何百回と同じことを繰り返す俳優達。

編集でながれをつくるのではなく、コマ撮りのように濡れ場を撮っていく。俳優達は気分もへったくれもなくなるしテンションもさがってしまうのではないかと思いますがそこはプロ。

 

なるほど!そんな撮影をしていたとは思えない。映画のマジックをみせてくれます。ただ、松坂くんはクランクアップして腰の筋肉痛になったようです(笑)もう腰が逝っちゃいましたと。

 

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2daysの舞台挨拶、無事終了。

みなさまありがとうございました。

 

本作をみおわったあとは、女性はとくに自分の中に眠っていた欲望が解放されたかのようになり、爽快な気分になること間違いありません!カップルで見る方は松坂君の紳士ぶり、よどみなく女性をエスコートする姿をぜひお勉強してください。

 

現在名古屋パルコ8階のセンチュリーシネマにて公開中です。


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