アカデミー賞関連で
2008年に「ハートロッカー」という映画で女性として史上初のアカデミー賞監督賞を受賞した
キャスリン・ビグロー監督の最新作「デトロイト」。
わたくしかなりオススメでございます!!
彼女が製作した社会派映画「ハートロッカー」が作品賞を受賞した
2008年のアカデミー賞は、蓋を開けるまで、
「エイリアン」「ターミネーター」「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督の「アバター」という映画が最有力候補だったんです。
そして賞レースで戦っていたキャスリン監督は、ジェームズ・キャメロン監督の元奥様なんです。
ですから当時は、元夫婦対決!ということでも盛り上がりましたね。
作品賞。監督賞、オリジナル脚本賞、編集、音響など主要6部門受賞しました。
あの青い顔のキャラクターでお馴染みのアバターに勝ってので、
ジェームズキャメロン青ざめる!元妻に負けた!! なんて新聞の見出しになっていました(笑)
低予算撮影された社会派映画「ハート・ロッカー」はイラク戦争の爆発処理班に所属する米軍兵士の極限心理を描いた渾身作です。3年後にはウサマ・ビンラディンの殺害に至る経緯を描いた 実話に基づく政治サスペンス「ゼロ・ダーク・サーティ」でまたしてもアカデミー賞にノミネート。
この二本をてがけたキャスリン監督は映画で社会的な話題性にあるテーマに取り組むことに切実さを感じ、伝えることの大切さを訴えているのです。
1967年.権利直や社会に対する黒人達の不満が爆発したデトロイト暴動はアメリカ史上最大級の暴動であり尊い命も奪われた大惨事。その暴動の裏側で50年もの歳月、歴史の闇に埋もれていた一夜の事件を実話を元に取り上げていきます。
まず、映画の冒頭ではこの頃の黒人と白人との関係をアニメーショで説明していくんです。
50年目当時アメリカの一部では、人種差別が根強く残り黒人は不当な扱いをうけていました。黒人がなにをやるにも白人たちは目を光らせていたのです。
この説明によりこの時代の彼らの関係性を把握させるという、しかも社会派実話の映画でアニメーションをもってくるか!というまずは驚きました。幕を開けてからはもう緊迫感の連続。リアリティが半端なくて、もう見てられない。なんども目を伏せてしまいました。
物語のは大きくわけて3つ。
一つ目は事の発端となった暴動事件で、黒人のベトナム帰還兵を祝うパーティーは開催されてた無許可営業の酒場にデトロイト警察が押し入ったことから始まります。
その連行をみた街の黒人達は、逆上して警察に刃向かい怒りを爆発。
二つ目は、モーテル客たちがほんのいたずらな気持ちで玩具の火薬銃を、
暴動騒ぎのさなか警察に発砲し、その白人至上主義の警察官による執拗な発砲した犯人さがし。
この部分が、物語の大部分を占めています。
三つ目は、リンチのような尋問をうけた若者のその後とこの事件の裁判の行方。
メインは二つ目のシーン。
実際にその場に居合わせた人たちをアドバイザーとして本作にむかえ、
その異様であり警察官にあるまじき行為の一部始終、死のゲームのような強制尋問をされる、若き黒人たちの逃げ場なきモーテルの密室での数時間を赤裸々に描いていきます。
この衝撃的な40分間。早く終わって欲しい。誰か助けに来て!と心の中で叫びながら見ていました。デトロイト警察の他、州警察、軍隊までも出動したこの暴動ですが、このモーテルでの出来事は管轄外といって目を背けてしまう。
尋問の先頭に立つドSの人種差別警官フィリップの性格の悪さが尋常じゃなく・・・後先考えずに警察官として自分にフルかかってくるであろう責任や罪など想像しないバカさ加減。
こんなこと許されない!!
白い鬼が黒い獲物を狩る。もはや人間のすることではありません。黒人の警備員もその場にいたのですが、自分の立場もあり白人と黒人の狭間で苦悩するそんな姿の描かれています
当時に比べると法律もかわり平穏になつたとはいえ、今でも同じような事件が度々起きている。
これは人種差別だけじやない、人間の愚かさを描いている作品です。
世界中の人に人類同士の危機感をもってほしいという監督の全身全霊のメッセージでは
ないかと思います。
見るべき観て欲しい作品です!
1月26日から公開中。
東海ラジオ
タクマ神野のどーゆーふー!でも紹介しました。