ソフィアコッポラの最新作「ビガイルド」
濃霧の森の中、ひとりの少女が立っている
オープニング。
いままでのとびきりポップなガーリー映画ではなく、なにかとんでもないことが起きそうな予感。
ソフィアの6作目の長編はスリラー。
しかも、女性の暗部をあぶりだした心理スリラーなのです。
一緒に試写でみていた男性は、
妻のキノコ料理は、当分たべれない。とぽそっとつぶやいた。
登場する7人の女性は、美しく上品な淑女。
リボンやフリルたっぷりのドレスで身を包み、
上流社会語が飛び交う日常。
わたしの生活からは程遠い
南北戦争のさなか
バージニア州の女子寄宿学校に暮らす
7人の先生、生徒たち。
男子禁制の女の園に、突然野生的なセクシーで紳士な男性が加わることにより、だれもがささやかなトキメキをもちはじめるのです。
少しづつ表にでてくる女の嫉妬。
淑女たちの抑えていた欲望があらわになり
さぁ、大変！
ソフィアは、あわてず
この状況をクールにさらりと描く。いつもどおりにね。
生徒たちが子供から女の顔になると ニコール演じる園長は、チクリチクリとブラックユーモアを発し、嫉妬心をみせず表情かえずに冷徹な判断を下すのです。
あ、あ恐ろしや。
以前、ホールの女性限定試写会の司会をよく担当した際、とにかく開演までおしゃべりするので、
わたしの前説はきいちゃいない。
そこで、わたしは男性スタッフに会場内でアンケート用紙をくばってもらうことを提案した。
なるべく、若い男子でオーダー。
すると、みなさんおしゃべりをしなくなったのです。笑
わたしも同じ女性ですから
参加者の気持ちはよくわかる。
スリラー部分だけじゃなく、衣装やおしゃれ館なども目を奪われます。
女の園でハーレム状態になる兵士を演じるのはコリンファレル。
この役は、そこそこの年齢、セクシーさ、
陽気さ、鑑賞する側の女性もときめくような
男の下心をちらみせする俳優じゃないと成り立たないら、コリンファレルはぴったりです。
2月23日
公開。