映画サニー/32

映画『凶悪』の白石和彌監督と脚本家の高橋泉がふたたびタッグを組んだオリジナル脚本のサスペンス映画「サニー/32」。

 

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「彼女がその名を知らない鳥たち」「牝猫」と意欲作を発表し続けている白石監督が「AKB48」「SKB48」「NGT48」を歴任した北原里英という国民的アイドルを極限まで追い込み見事女優として覚醒させたヤバイ映画。

 

冒頭からとてつもないインパクトのある作品だった。

北原里英ちゃんの卒業記念映画と、気を許して見ていると大変な仕打ちにあいますよ。

白石監督と脚本の高橋さんにかかるとアイドルも鬼畜化してしまうのか。

ネット上で神格化した殺人犯サニー32というアイドルを

元アイドルが演じたその内容の衝撃はファンならずとも驚くに違いない。

 

 

「サニー32とは」

14年前に世間を騒がせた同級生殺害時嫌悪犯人の通称がサニー。

当時11歳だった小学生女児が同級生を殺し、当時は最も可愛い犯罪者としてネット上で神となる。ピースサインが3本と2本指でしていたことから32と名付けられた。

 

映画が始まりタイトルが登場すると早々に、北原里英演じる、中学生教師あかりが24歳の誕生日に拉致監禁されてしまうという、「アリスクリードの失踪」を見た時にちかい、いきなり感に驚いた。何が起こったのか?!

 

とにかく、登場人物全員、狂っていますわ。

誰かに共感するということはなかったけど

これは日本のどこかで起きているような実在感もある。

資料を読んでいくと2004年に起きた「佐世保小6女児同級生殺人事件」が基になっているという。

11歳の少女が仲の良かった友だちをカッターナイフで刺し殺すという事件。当時このショッキングな事件はかなり報道されていましたね。

この事件が骨格になっているそうです。

 

廃墟のようなところで、サニー32を崇拝する者たちの共同生活は

まるでオウム真理教事件のよう。テレビで繰り返し見てきた彼らの共同生活によく似ている。なにかにすがり、誰かを崇拝し自分たちだけのコミュニティーを作るというのはこういうことなのか。

そしてネット社会が生み出していく闇も描いていく。その書き込みは見られる側の非人道的な行為を煽っていく。そして視聴数ほしさのやりすぎユーチューバーとかね登場するわけですよ。

 

「プロレス的タッグ」

 

白石監督がこの映画を表現するにあたり「プロレス的タッグマッチ」と話しています。

この例えは非常にわかりやすく、映画をみていただくと

よくわかる。

狭いリングで次から次へと俳優達がタイトルマッチを繰り広げていく様を

ネット住民達はそれを観戦するのです。プロレス的とは、なるほどわかりやすい。

 

色々書きましたが、

つまり、

わたしはかなりツボな映画だったってこと。

早くこの映画を見た人と話したい。

 

名古屋の舞台挨拶、インタビューでは何を聞こうか楽しみで仕方ない。


2月17日公開です