荒々しいピアノの音の中、青い目の老女が黒髪の若い女性を見つめている。


一体これからなにが起きるのか。



彼女の名前は、ローズ・クリア。

我が子を殺した罪で犯罪精神病院に40年間収監されている。

ローズは無実を訴え、精神が病んでないことを

聖書の中に、誰にもわからぬよう暗号のように40年間の思いをかきとめていたのです。

その聖書をもとに彼女の過去が1人の精神科医によってあきらかにされていく。



“宗教と権威に逆らえない時代”


ローズの記憶を辿る時間の旅は、辛くて、悔しくて、胸が詰まる想いでした。


宗教の対立や世間体、噂や先入観だけで人を判断する人々のまちがった“目”が彼女の40年を消滅させたのです。


そう仕向けた神父の醜い男の嫉妬こそがローズの人生を狂わせたのです!ほんとに腹立つわ〜プンプン


 


現在と過去の時間軸を行き来しながら描かれていくミステリアスな物語は、

ラストに向かい

徐々に苦しみから解放され、思いがけない驚きと安堵感に包まれました。


自分を信じ、決して折れない心、ひとつの愛を貫いたローズ。


もし彼女がそばにいるなら、何も言わず抱きしめたい。


エンディングはオープニングとはうってかわって、心地よいやさしいメロディが流れ

ローズの未来、幸せな日々を想像させてくれる。


 

本作は、「マイ・レフトフット」「父への祈り」でベルリン国際映画祭で金熊賞賞を受賞したアイルランドのジム・シェリダン監督の5年ぶりの最新作。


この「父への祈り」という映画は忘れられない衝撃作品です。ダニエル=デイ・ルイス主演の映画で


イギリス司法界最大の冤罪と言われている「ギルドフォード・パブ爆破事件」を元にした実話。これ実話なの!!!!って叫んだおぼえがある。それほどショッキングだった。

無実の罪で捕まった親子を描いていますが、自白を強要された息子の無実を信じ、訴え続ける父の姿になんどもなんども涙した。


 


何度も見ているけど、もう一回見たくなった。


「ローズの秘密の頁」も父〜に匹敵するくらい印象に残った作品の一本になりました。


 

“W主演&キャストが素晴らしい!!”


若きローズを「ドラゴン・タトゥーの女」「キャロル」のルーニー・マーラ、老年のローズはイギリスの大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴ。弱々しい老女の役ですが、青い目がとても綺麗で輝いているのです。それは私はローズよ、正気なのよ!と訴えている目にも思えました。マーラも同じく美しい青い目の持ち主。


ドラゴンタトゥーの女で来日したときに、インタビューをさせていただきましたが、その美しい瞳にひとみだけにわたくし、釘付けでしたもの。


 


彼女の言葉をはじめて聞いてくれたの精神科医のグリーン。エリック・バナだけにグリーンっていうとあの映画を思い出しちゃうけど(笑)。はじめてローズに対して思いやりを持って接した人ではないだろうか。精神科医というより、彼女の過去を辿る時空探偵のようでしたね。


 


愛は、時に人を狂わせてしまう。


愛は、何が何でも貫くことによって心を強くさせるのです。


 


2月3日より伏見ミリオン座、センチュリーシネマにて公開です。