※ハートランドで小屋裏収納を作った方は、必ず読んで下さい。

今回は私が把握した中で最も許せない手抜事案を紹介します。施工中に気がつけず、引き渡し後に発覚したものです。

ハートランドでは、1階以外の床はネダレス・剛床工法を採用しています。(1階はコンクリートスラブ)
小屋裏の床については、フローリング等の仕上げを行わず、床下地のみを施工してもらう計画となっていました。厚さ28mmの厚物構造用合板9枚。広さにして18平米(2m✕9m)です。

引き渡し後、釘の打ち方が非常に雑であることに気が付きました。ピッチはバラバラ、端に寄り過ぎ、板と板の間に打ってある釘もあります。

2階の床も、丁寧とは言い難い施工でしたが、明らかにそれよりも酷い仕事です。

いや、それ以外にも何か違和感を感じます。

しばらく眺めていて、その違和感の正体が分かりました。釘のめり込みが大きくて気が付きませんでしたが、釘の頭が小さいのです。
刻印を読むと、「50」と書いてあります。

調べてみるとこの釘は、㈱タナカのCN50という釘のようです。


本来、剛床工法で使わなければならないのは、N75釘です。長さ、太さが全然違います。小屋裏の床合板は、ほとんどがこのCN50釘で固定されていました。
これでは明らかに剛床構造とはなっていません。

大工は仕様を理解しておらず、小屋裏を居室と同等の仕上げをすると思い込んていたため、壁に石膏ボードを張るつもりで30✕40mmの壁受け材を施工しており、その下にある釘は確認できません。
この壁受け材を床に固定している釘を確認すると、N75釘でした。

嫌な予感がします。もしかして…
 この壁受け材を剥がしてみると、何と!床合板を梁に固定しているはずの釘が存在しません。

合板に刺さっていた部分の釘の長さを確認すると…
30mm弱。床合板厚が28mmですから梁まで届いていません。

2m✕9mの外周部、延長にして約22mについては躯体に固定すらされていなかったのです。

この床合板は、剛床工法の要件を満たしていないどころか、梁に載ってるだけだったと言っていいでしょう。

問題はこれだけで済みません。剛床工法を採用すれば火打ち梁を省略できることになっているのですが、設計上は剛床構造であるため、火打ち梁は省かれているのです。建築基準法違反違法建築物完全にアウトです。

大工は、中間検査では小屋裏の床は検査されないことを知っていたに違いありません。でなければこんな大胆な手抜きが出来るはずがありません。

また、本来不要である断熱材、壁受け材を施工していたことから、フローリングも施工するつもりでいたでしょう。

小屋裏に不要な断熱材を施工

つまり、絶対にバレないという確信を持って手抜をしていたのです。

この悪質極まりない手抜きに気がついた時、私は怒りよりも背筋が寒くなりました。

この大工は、構造上重要かどうかとは無関係に、発覚する可能性があるかどうか、のみを基準に手を抜く大工なのです。

私はこの手抜きを発見できて本当に幸運だったと思います。
通常は床下地がむき出しのまま引き渡されることはありません。
素人集団のハートランドに、出来るだけ家づくりを任せたくないという気持ちから、オプションを最小限に留めたのが功を奏しました。

※ここからはハートランドで小屋裏収納を作られた方々への警告です。

"ハートランドは同じ考え方に共鳴する人の集まりで、それについてきてくれる業者さんたちも信頼できます。"〜ハートランド公式ブログより引用

ハートランドは皆同じ考え方で、ついてきてくれる大工は信頼できるのだそうです。その大工がこんな悪質な手抜きをしているという事実が何を意味するのか考えてみて下さい。

この手抜きは、ハートランドの技術責任者も把握しています。
私がハートランドで家を建てたのは4年前です。
私と同時期、それ以前に建てられた方々、ハートランドから小屋裏収納の床について調査の申し出はありましたか?
無かったとすれば、あなたの家に同じ手抜きがされていたとしても知ったこっちゃないということです。この大工と同じでバレなきゃどうでもいいと思っているのです。

火打ち梁は、地震や台風時の水平力による変形を抑える役割があります。建築基準法違反の非常に危険な状態である可能性があります。
基準通り正しく釘が打たれているかどうか、フローリングを剥がしてでも確認すべきです。



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