こんにちは、ヒューマンライフケア採用担当です。
前回の記事に引き続き、認知症や高齢者の方との接し方について考えてみたいと思います。
「パーソン・センタード・ケア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
その言葉どおり「その人を中心としたケア」です。
認知症をもつ方を一律にとらえるのではなく、あくまでも一人の“人”として尊重してケアをしていくという考え方です。
どんな人にも個性があり、これまでの人生や人間関係など、様々な要素を踏まえてケアを行っていく必要があります。
今回ご紹介する詩(文章)はある親子、老いていく母が娘に当てた言葉です。
私のかわいい娘へ。
私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。
話をしているときに私が
同じ話を何回も繰り返したら、
「さっき同じこと言ったじゃない」
なんて言って遮らずに、ただ耳を傾けていて。
幼いあなたが眠りに落ちるまで、
私は幾夜も幾夜も同じ物語を読み聞かせたわ。
私がお風呂に入りたくないと駄々をこねても
怒って私を責めないで。
あなたが小さな女の子だったころ、
言い訳をして逃げ回るあなたを
追いかけてお風呂に入らせなければならなかったことを思い出して。
新しいものに対して私が無知
であることに気付いたときは、
そんな目で見ないで、ゆっくり時間をかけて覚えさせて。
覚えてるかしら、私があなたにたくさんのことを教えてあげたこと。
正しい食べ方、お洋服の着方、
髪のとかし方、
そして毎日ぶつかる人生の壁との向き合い方までね。
私が何を話していたか分からなくなってしまったときは、
思い出す時間をちょうだい。
そして、もし思い出せなくても、
心配したり、いらいらしたり、馬鹿にしたりしないで。
私にとって何よりも大切なことは、
あなたと一緒にいることだということを分かってね。
私が年老いて、以前のように歩けなくなったときは、
やさしく手をとって。
あなたが初めて歩いたときに、
私がそうしたように。
そんな日がきても、決してさみしいだなんて思わないでね。
私が最期の日を愛情に包まれながら迎えられるように、
ただそばにいて。
ともに過ごした時間、ともに過ごすことができた幸せを、
あなたに感謝しています。
満面の笑みと、いつ何時も絶やすことのない
あなたへの愛とともに伝えさせて。
愛する、私の大切な娘へ。
一人の人として接してほしい
今自分が生きているのも周りの支えがあったからですね。
続く・・・
小野