いま、政治に求められているのは、危機感の共有であり、他方、「わくわく感」の醸成です。


しかし、それにも増して、というよりも、その前提として、必要なことは、「正直であること」ではないでしょうか。


いわゆる「政治とカネ」を巡る問題は言語道断です。


しかし、財源も確保できないまま、例えば、いまお母さんに抱かれてすやすやねむる赤ちゃんらの負担において子供手当が支給される現状を直視するべきです。


新政権初の本格予算は、一般会計総額92兆円。

その財源は税収37兆円+新規国債発行44兆円+特別会計繰入等10兆円。

予算規模に占める借金の割合は、全体で約半分(48%)、政策的経費の一般歳出(53兆円)でみれば8割(83%)。

税収が公債発行額を下回るのは、終戦直後の昭和21年度予算以来64年振り。

公的債務依存度48%(前掲)、プライマリーバランス(一般会計)24兆円は過去最悪(当初予算ベース)。

その結果、新年度末の長期公的債務残高は862兆円、対GDP比率181%となる見通し。


いま必要なのは、現在わが国が置かれているこうした状況を、正直に国民に伝え、分かってもらうことです。

そして、その危機感を共有したうえで、「ともにこの難局を乗り切ろう!」と国民に呼びかけ、気概を共有し、沸き立たせつることではないでしょうか。


国民は、こうした惨状を等しく知る努力も大切です。

そして、政治は、「この子らの負担・犠牲において・・・」とはっきり言うべきです。



いまの日本の状況から立ち上がる過程は、必ずやある程度の「痛み」を伴うでしょう。


しかし、私たちは、未来の子供たちの目に輝きと力強さを取り戻し、「よい国日本」をつくるためにも、そうした「痛み」から逃げ回るのではなく、むしろ、あえて「苦難の道」を歩む覚悟を持とうではありませんか。


これまでさまざまな苦難を力強く乗り越えてきた、日本の先人たちの智恵と勇気にみちた歩みが、われわれに勇気を与えてくれます。

いま、私たちが力を合わせて頑張れば、その後ろ姿は、必ずや子供に伝播し、未来を担う子供たちの目に輝きと力強さが戻ることでしょう。


そのためにも、政治は、正直でありたい、と思います。


さいとう弘『今日の子育て介護日記』 もご覧ください)