5月の読書報告です。
5月はテーマ無し(クイズ無し)で、課題図書作家の
青柳作品と続きものを中心に読みました。
特にこれと言って収穫もなく冊数も8冊どまり
ですので、サクッとアップ致しましょう。


青柳碧人 霊視刑事夕雨子1 誰かがそこにいる ☆☆

1冊目から苦手(好みでは無いという意味合い)作品。
被害者(死亡)と話せる刑事が主役の連作短編。
この設定はミステリに良くあるんだけど、何かしらの制約が無いと
余りに探偵役が有利!透視能力のある雀士、予知能力のある馬券師
と同等。で、この話の探偵には一切制約無し!幽霊(被害者)は
目は見えるし刑事との会話も自由。どこでも出没できるし、
被害者は私利私欲が無くなっているので、刑事から見てやりやすいったら!
超能力探偵の話は否定しないけど、それなりの障害か飛び抜けた工夫が必要。
そしてさらにダメ出し。超能力を持った人はそれを周りに気付かせないように
するのが普通なんだけど、この刑事は長年の相棒には言わなかったのに
新しく組んだ相棒には簡単に能力をバラす。さらに事件関係者にもバラしまくり。
物語世界の構築、一体、どうなってるの?


青柳碧人 霊視刑事夕雨子2 雨空の鎮魂歌 ☆☆

殺害された人と普通に話せる刑事の続編
前作を継承したままで設定は変らず。前作もそうだけど
この刑事、物心ついた時からこの能力があったのに
対応力なさ過ぎ!そして応用力も全く無い!
その力を使えばもっと簡単に逮捕出来るはずなのに!!
と、数々の不満点を並べたてましたが、あくまで個人的感想です。
上記について全然気にならない人も大勢いるとは思います。


深水黎一郎 美人薄命 ☆☆☆

深水氏と言えば「本格ミステリ」を書く人という思い込みがあります。
本書を読み進めても「本格」らしさは出て来ないです。
それ以前にミステリですらないと思えます。
でも、話そのものは興味を惹く展開があって楽しめます。
で、ラスト近くになって「本格ミステリ」に急展開します。
驚愕の真相!・・とまでは言えないですけど、
このお皿にはこの料理の分量が合ってるっていう
物差しから測ればこれが丁度良い感じですね。


森博嗣    青白く輝く月を見たか? ☆☆☆

一応、これを今月の一冊としました。一応というのは
この本を単独作と見れば良さを感じない人も多いからです。
このシリーズの第6弾ですが6作目というより
全体で一作という構成で、このシリーズは特に
思考実験的なやりとり(会話)が多いもので
単独で読むとチンプンカンプンかと思います。
実は1巻目からの流れで読んでもわかりにくいのですが
この思考展開の応酬は森氏の特徴を如実に表しており
個人的には好きなので。

あまり人にはオススメできませんけども。


内山純    新宿なぞとき不動産 ☆☆

「ビリヤード・ハナブサへようこそ」で鮎川賞を獲った
内山さんの作品です。受賞作での私の評価は☆☆
次作を見ての評価保留という感じだったのですけど
この作品もちょっと・・なあ、でした。
お仕事小説+連作ミステリという好物の一冊ですが
お仕事が作者本職の業界でそこが強すぎてバランスを
欠いた感じ
を受けました。とは言え謎解き部分だけでは
弱い
と言えます。厳しいですかね。


水生大海 かいぶつのまち ☆☆

4月に読んだ「少女たちの羅針盤」の続編です。
前作を読んでない人は楽しめないでしょうね。
本格ミステリの不作法さに寛大な私でもこれは
ちょっと探偵側の無理押しと

犯人側の行為の不自然さ

ツラいですね。


青柳碧人 晴れ時々、食品サンプル ☆☆

ほしがり探偵シリーズ第2弾です。表紙の米津玄師っぽい人
そのほしがり探偵ユリオで妹がワトソン役の連作短編です。
サブカルチャー的な蘊蓄は好きですけど、謎解きは
今一つかな。犯人側の手段はこれもやはり不自然です。
ちょっとした匙加減なんでしょうけど、いくら何でも感
ありました。本格ミステリ擁護派の私でもねぇ。


青柳碧人 雨乞い部っ!2 ☆

前作を3月に読んで☆一つの酷評だった作品の続編。
忘れた頃(忘れるの早過ぎ)に読んでみようと
続編に手を出したのですけど、やっぱり酷い!
地区大会を終えて全国大会(雨乞い甲子園)に出場と
なった本作、前作同様、余分な遊び部分が読むに耐えない!
それでも最後まで読み終えましたよ。
読む側の慣れとストーリーの変化に期待して。
結局ダメだったけど~