7月の読書報告です
7月の冊数は11冊
久々に沢山の本を読みました。
7月の本たちは当たりハズレが多くあり
評価差が激しい結果となりました。

そんな7月の読書ですけど
今月は「クイズ」になっています。
11冊全てに関係する、あるテーマを
当てて下さい。いつものように
内容は関係ないので、それぞれの本を眺めるだけで
か~んたんに解ける問題となっています。
しかも今回はひねり無しのシンプルな出題です。
僅かなステルス本もありますが、容易に解けるでしょう。
では、早いもの勝ちでコメント解答をお願いします。
2番手以降の方は最初のコメントで答え合わせをして下さい
では。


水生大海 『教室の灯りは謎の色』 ☆☆☆

時代遅れ読書をしている自分にとっては水生さんは
ニューフェイスの部類です。それでもいつの間にか
14冊の本が棚に集まり、7月のスタートとして
読んでみました。7冊目の水生本です。
タイトルから想像されるように日常の謎系、
学園もの、連作短編のミステリ
です。
舞台が学習塾で探偵役はそこの講師です。
謎解きレベル、キャラ設定は平均的ですが
まずは気軽にさくさく読める一冊かと思います


近藤史恵 『スーツケースの半分は』 ☆☆☆☆

49冊目の近藤本多彩な作品を発表し続ける
多才な作者で、自分のお気に入り作家です。
あと1冊で数少ない50冊越え読書作家になります。
そんな近藤さんの連作短編集は、きっと作者が
サクッと書き上げた軽い短編集なのでしょうが、
その構成やキャラクタがとても心地よく
読んでいる人が楽しくなる構想に誰もが
乗り込む事のできるお手本のような作品です


芦辺拓 『彼女らは雪の迷宮に』 ☆☆

芦辺氏は本格ミステリを書く作家なのに
何故か自分と相性が悪くあまり好きな
作品に出会えていないです。何故なんでしょう?
アクの強いキャラがいるワケでもなく
過激だったり苦手な描写があるのでもないのに。
そんな芦辺氏のクローズドサークルもの。
これをきっかけに読める作家になればと期待したのですが
やっぱりなんだか合わないなぁという感を強くしました。

でもまだ7冊目の芦辺本なのでもう少し様子見したいです。


鯨統一郎 『努力しないで作家になる方法』 ☆☆☆☆

鯨氏は多作家で恐らく100冊以上の本を出しているかと思います
自分も沢山持ってはいるのですが、鯨本はこれが28冊目
未読本がかなり多い作家となっています。作者のイメージは
歴史もののミステリ作や特殊状況設定の作品が多いと思っています。
今月は☆4つ以上の作品が3冊もあり、豊作な月でもありますが
この本には完全に不意をつかれました。

そもそもタイトルが間違ってます。
作家になるための指南書になっていません。方法論だって書いてありません。
それに「努力しないで?」  いやいや、

無茶苦茶頑張っているじゃないですか。
この本はノンフィクションとも言える鯨氏自身のデビューするまでの
苦節〇〇年も描いた作品です。タイトルが悪く反感を買いますが、
内容的には小説家デビューを目指す沢山の人にも読んで欲しいと
思わせるような感動作品です。ちくわさんに是非、ホタルさんも良かったら


山川健一 『コーナーの向こう側へ』 ☆

今月のテーマの為に無理やり未読蔵書本から発掘した一冊。
7月は豊作と書いた気がしますが、☆1つが3作もあり
大シケの月でもありました。その一つは本作。
何が書きたいのかどこに向かっていく本なのか
サッパリ判らないまま退屈な文章を読み終えました。
バイクに興味が無いのも一因でしょう。この作品が
純文学の範疇に入るのかどうかは判りませんが、明確な目標が
示されない作品だと苦痛な読書になってしまう事もままあります


辻村深月 『島はぼくらと』 ☆☆☆☆☆

辻村さんはお気に入り作家の一人ですが、どの作も全部好きという
感じではなく、やや苦手な作品、もしくは苦手な部分を持った作品も
結構あります。そんな中で本作は最初から最後までとても好みの世界を
好みの展開
で進んでいき、滅多にお目に掛かれない☆5つ作品となりました。
本作はミステリ仕立てではなく、青春ものであり、成長物語であり
ある地域の社会を描いた物語
です。辻村本はこれで22冊目。まだまだ
窺い知れない辻村ワールドがあるかとは思いますが、現段階でベスト3に入る作品です。


森博嗣 『墜ちていく僕たち』 ☆

またまた出ました。☆1つ作品。静謐な森ミステリとはほど遠い
冗談のような連作です。何しろラーメンを食べると性転換するという
法則(ルール)を貫いた5短編なのです。なるほど!と思うアイデアも
ありましたが、それは一冊全体でのフェイクであり、本一冊分を費やすほどの
ものでは無いと断じます(厳しい?)59冊目の森博嗣本、フィクションでは
ワースト3に入ってしまうかな。


若竹七海 『不穏な眠り』 ☆☆☆

古本屋に仮棲まいする女探偵・葉村晶シリーズの一冊
第8作目で現段階で最新作(文庫奥付2019年12月)
ハムラアキラはNHKでシシドカフカが演じてそれを観て以来
小説を読んでもハムラ=シシドカフカになってしまっています。
イメージと大違いではないんですけどもね。
安定の葉村作品は今回の粒の揃った水準作を提供してくれます。
そして主人公にはこれでもかという不運がオプションで
つきまといます(お約束)若竹本はこれで31冊。
若竹作品、やっぱり葉村晶短編が良いですねー


高野和明 『6時間後に君は死ぬ』 ☆☆☆☆

高野氏は「13階段」で乱歩賞を受賞した作家で、私の現時点の
乱歩賞読破作品の中では最高点の評価をしている作家です(乱歩賞は61作読破)
寡作の作家でこれが4冊目の高野本です。映像作家・脚本家として活躍して
いると思います。本作は連作短編集です。未来が視える人という
ありがちなテーマ
ですが、サスペンスに優れ読者を惹きつけます。
個々の短編だけみても高いレベルの作品揃い

尚且つ一冊での物語も華麗に収束します


加納朋子 『はるひのの、はる』 ☆☆☆

ささらさやシリーズ最終作。と言ってもそれらを読んだのは遠い日でもう忘れました。
21冊目の加納本です。加納さんは多作では無いですが大病を経ても作品をぼつぼつと
発表してくれるのが何よりの作家さんです。長編よりも連作短編で能力を発揮

する作家で好みの作家さんでもあります。


歌野晶午 『ハッピーエンドにさよならを』 ☆

さて、7月の最後の読書は歌野氏です。蔵書は27冊あるけど
余り読んでいない作家でこれで9冊目の歌野本です。
にしても・・これ、ヒドくないですか?

出来の悪い短編を集めて一冊の本にしたかのようです。

☆もゼロにしたいくらいです。
読む方(自分)に問題があるのかも知れませんが、そもそも
自分が読んだ本のレビューで、自分が無責任に評価した点数です。
歌野氏は本格ミステリの長い作品を多数発表していて評価もされている
作家です。こんな本は出してはイケナイと思います。
これ書いてからネットで評判をチェックしましたが、酷評なものは無く
単に自分と相性が悪い作品だったようです。納得いかないけど・・