新生AOLのMediaGlowの大きな挑戦が続いています。

MediaGlowとは、ビジネス化が見込めるあらゆるニッチで独自にあるいは買収でメディアブランドを立ち上げようというものた。つまり雑誌売り場に何かのテーマについて雑誌が出ているなら、AOLはそのオンライン版をブログなりウェブサイトなりとして作ろうと考えているものです。

その上でAOLが重視しているのは独自取材の元で作成された、オリジナルコンテンツです。オリジナルコンテンツを拡充するために、新聞社や雑誌社にいた記者の採用を加速させており、少し前までは500人しかいなかった記者が今は3000人ほどになってきたようです。コンテンツも80%がオリジナルになるまできたようです。

それに加え、今秘密のプロジェクトが進行しているようで、そのプロジェクトとはコンテンツの作成、配信、管理、広告運用、アクセス解析などを統合したコンテンツ管理システムらしいです。

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問題の「秘密プロジェクト」というのは新しいCMS(コンテンツ管理システム)のことのようだ。これはAOLの全ウェブサイト、あるいはそれ以外のサイトのケンテンツをより容易かつより低コストで管理できるシステムを目指している。現在AOLでは記事やビデオの投稿者が数千人いるが、新システムによってこの数を劇的に増やすことを狙っている。

新CMSは、さらに多数の外部ライターを活用できるようにして、AOLの巨大コンテンツ・サイトへの変身を助けるためのもののようだ。このシステムには外部のフリーライター、ビデオ制作者などに対し、ページビューや広告のクリック数に応じて報酬を支払うシステムも組み込まれる。新CMSは高度なトラフィック統計や広告運用システムを完備した大規模なブログ・プラットフォームを想像すればよいだろう。via:Techcrunch
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このAOLの試みは非常に興味深くて、ひょっとすると新しいメディアの一つの形を提示しているかもしれません。

新聞や雑誌に関して疑う余地がない事実は
・取材などをしてしっかりとした一次ソースを獲得するジャーナリストは絶対に今後も必要
・ただ、今の規模の売上を維持していくのは不可能

この大前提を満たすためには、新聞や雑誌に読者が求めている本質的な価値を考える必要があると思います。読者が求めているのは自分の知りたいことに関する、質の高い記事のみなので、それ以外は不要なものです。

要するに、面白い記事を作成できる記者と読者がいればメディアは成り立ちます。しかし、今までの新聞や雑誌のコストの大半がこれ以外のところに掛かっていました。

新聞、雑誌の将来は、記者と読者を直接繋ぐことだと思います。

それには今までの高コスト体質を一気にスリム化させて、少ないオンラインからの収入でも充分にまかなえる体制を取ることがとても重要になってきます。新聞社や雑誌社は必死の努力でコスト削減を進めていますが、本当に、オンラインからの収入だけで会社を維持できるところまで切り込めるかは疑問です。

そう考えると、AOLのMediaGlowは巨大なレガシーコストが無いぶん有力な気がします。

新生AOLはこれからも大注目です!


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