珍しい症例:尿道損傷 | 大阪ねことこ

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猫を拾ったり里子に出したりしています。
増えないように、野良ちゃんは不妊手術だよ。


この黒猫はカラズくん。

パチンコ屋の前に4匹で落ちてました。

親猫の放棄にしては不自然なので人間が捨てたのかな?と思っています。


TNR捕獲班のエサやりさんが授乳して途中までは順調に育っていました。

うちに移動してしばらくした頃。

カラズくん2ヶ月くらいの時に、尿閉塞を起こしました。



なんか股間をペロペロすることが多いな?と思っていました。トイレに入る回数が多く、ほんの少ししか尿が出ていない。

こんな小さいのに膀胱炎とか結石とか?と病院連れて行ったら違った。


自分で自分の生殖器を噛んでぐちゃぐちゃにしていた。自分のちんちんをオモチャにして噛んだのか気持ち悪くて噛んだのかはわからない。

赤ちゃんはたまにとんでもないことをする。



とりあえず尿を抜かないと膀胱いっぱいになって逆流したら急性腎不全になっちゃう。

で、毎日オシッコ抜きに通ってたけど、最初に行った病院さんはこんな症例は見たことなかったみたい。他の病院に行った時に相談したら、そのような症例を何件か見たことあるそうで、そっちを頼ることに。



オシッコ抜く時に、尿道ぐちゃぐちゃなのでお腹に針を刺して膀胱から注射で抜く。

最初そんな怖いことを、と思ったけど損傷してる尿道からカテーテルは悪化するからダメと。

尿道が使えないままであれば毎日注射で尿を取り、手術は大きくなってからなら可能。

生殖器を切り落として外の皮膚と縫い合わせたり、お腹から膀胱に穴を開けて直接排出口を作ったりの方法はある。でも、予後は悪い。


先生が過去に見た同様の損傷では、オシッコするのが痛くて我慢して膀胱トラブルからの腎不全、痛くて凶暴化してしまって医療ケアできなくなったりとか。みんな短命に終わったそう。



ただ、カラズはまだ子猫で、子猫の回復力はしばしば奇跡を起こす。それを期待して様子見をしようということになった。


それから、注射排尿に通うこと1週間ほど。
カラズはおしっこしたくてトイレにはすごい頻度で入ってはいた。最初は全く出ていなかったが少しずつ出るようになった。注射で排尿させなくても、自力で全て出せるようになった。
しばらくは粗相も多かったけど、生きて排尿できるのであれば問題ない。

その後しばらく様子見して、しっかりトイレできるようだしと譲渡会から譲渡した。

兄妹でのトライアル。

ただ、去勢手術はかかっていた病院でと指定させてもらって適正体重になるのを待って、先日手術しました。
理由は、麻酔かかってるついでに尿道をしっかり再診したいから。


大きくなりました。


生殖器の再診結果は、癒着あり。ただ、日常生活に問題なし。
尿道はオシッコするのに問題ないほどしっかり治った。癒着したのはそこではない。
猫の生殖器は、外側の皮膚とは別パーツになっていて、普通はつまんで押すと飛び出す。その皮と生殖器が癒着してしまってるので、押しても出てこない。
将来的には尿カテーテルしようとしても生殖器が出ないから初見の病院はびっくりするでしょう。
でも後遺症はこれだけ。


本当に子猫の回復力の奇跡。


ゆうたくんやはるねも、子猫の回復力はすごいと聞いて期待しつつ治ってくれなかったのでこんな奇跡初めて見ました。