Touristを観ていて思った。

自由を求めて彼がどこか別の国で彷徨っていてくれたら、と。

 

始めから嘘を付くつもりだったんだったら、

どうせ嘘を付くんだったら、

「電撃引退。」

「もう二度と公に現れることはありません。」

そうしておいてほしかった。

 

中途半端なバレバレの嘘を付かれても困るよ。

一生モヤモヤしなきゃいけないじゃない。

 

どうせモヤモヤするんだったら、

もっと違うふうにモヤモヤしたかった。

生と死は正反対。

始めから中途半端なウソなんだから、

死んじゃったじゃなくって、

生きてるってことにしておいてほしかった。

 

いまだに実感が沸かない。

たぶん、彼の出演作をいっぱいいっぱい観ちゃったからかな。

スクリーンの中で生き生きしている彼を見ていると、

どうしても、そんな気がしなくて、

どうしても、受け入れられない。

いまだに。

 

始めからウソを付くつもりだったんだったら、

もっと違うウソにしてほしかったよ。

 

生きてる人間が、

生きていることがイヤになってしまうようなウソはやめてほしかった。

残された人間が、

出口の見えない悲しみに暮れなければいけないウソはやめてほしかった。

 

生きてる人間が、

たとえ微かなものでも、希望を持てるウソにしてほしかった。

残された人間が、

笑顔を忘れてしまわないウソにしてほしかった。

 

ずーっと、樹海の中を彷徨い続ける私の心は、

いつになったら、この混乱から解放され、

純粋な気持ちで、スクリーンの中の彼を見ることができるのでしょう。

考え方がネガティブすぎて、

ほんと、自分がイヤになる。