「天外者」

明日、遂に、時間を取ることができるので、観に行きます!

五代友厚プロジェクトに参加した五代塾の皆様。

中でも、川口建さんは、退職金を割いて、

500万円を製作費として寄付し、

映画の完成に向けて、7年間協力されていたそうです。

500万円も寄付できるって、ものすごいことです!

これこそ、「利他の心」ですね。

 

川口さん、そしてプロジェクトに参加されたたくさんの方が

エキストラとして出演されているということで、

この映画は、たくさんの支持者の想いがいっぱい詰まったものになっています。

エキストラの方々を、ボーっと見ていては失礼だな、、、

明日は最後まで、全身筋肉痛を覚悟して、

エキストラの方々まで目を凝らして、しっかり観させていただきます!!!!!

 

天外者全国公開を前に、彼がいなくなってしまったこと。

この作品に携わったみんなが、辛く悲しい思いをしているでしょう。

どうしてなんだ、と受け止められないでしょう。

私たちから彼を奪った悪魔が憎くて仕方ない。

彼を奪って、一体何が目的だったんだ?!

きっと、目的などない。

単なる悪趣味な悪戯。

みんなが愛するものを奪って、ケラケラと笑っている最低な奴等。

だけど、たくさんの方々の7年間の熱量が詰まったこの作品は、

時代を超えて永遠に生き続けることでしょう。

彼と五代友厚は、まるで分身のようにこの映画の中で生き続ける。

この作品が、彼が、五代友厚が、いつまでも生き続け、

例えば、学校の特別授業などで、この映画が上映されたりして、

大切に後世に受け継がれることでしょう。

 

さて、

五代友厚。

映画で話題になる前から彼の名前を知っていた日本人は、

果たしてどれぐらいいるのだろうか?

これほどの偉業を成し遂げた五代友厚が、

なぜ、歴史上、あまり有名ではないのか?

 

私自身、彼が演じるということがきっかけで、

五代友厚という方についてよく知ることになったけど、

学生の頃、教科書で見たかどうか、全く記憶がない、、、

 
彼の名があまり世間に広まらなかったのは、
「北海道開拓使官有物払下事件」のせい、とのこと。
 
北海道の開拓長官黒田清隆が、開拓使官有物を
同郷薩摩の政商五代友厚らの関西貿易商会に
安値・無利子で払下げることを決定したところ、
世論の厳しい批判を浴び、払下げ中止となった事件。
 
この事件はスクープ記事として新聞に出たのだが、
実際に五代が経営していた会社は関西貿易商会ではなく「関西貿易社」。
近年、住友資料館において見つかった五代友厚の当時の弁明書には、
実際の官有物払い下げ先のそのほとんどは、
開拓使官員の安田貞則・折田平内らの設立した北海社であり、
関西貿易社においては、岩内炭鉱と厚岸の山林の2件だけであると記されている。
 
過去の伝記、書物では、五代は濡れ衣を着せられたまま、
悪いイメージで誤解されたまま、現在に至っている。
そのため、彼の名は歴史上であまり称えられてこなかった。
「信頼」「正義」「大儀」を重んじ、悪に対する厳格な態度を貫いた五代が、
この事件の疑念を晴らす日が来ることなく生涯を終えたことを、
彼はもちろんだろう、私まで悔しい気持ちになる。
 
そして、江戸から明治にかけて、
この時代にすでに、
メディアの洗脳力の強さ。
メディアの信憑性に対する疑問。
こういうものが出来上がっていたということ。
信憑性(Fact)ではなく、自分たちの都合や偏った判断(Opinion)で記事を出し、
その記事(Opinion)を人々に信じ込ませ洗脳(mind control)する。
こういう構造がすでに出来上がっていたこと。
世の中が、いかに虚構によって踊らされているか。
誰もが夢見ることのできる自由な国を作ろうとしていた五代はきっと、
メディアというダークフォースの存在を、ものすごく残念に感じていたことだろう。
 
五代友厚という人物。
「実もいらぬ、名もいらぬ、ただ未来へ……」
ひたすら大いなる目標に向かったその志と熱い思い。
そんな彼が本当にそんなことをするだろうか?
そう考えた時、
メディアが報じることを全て鵜呑みにして、本当にいいのだろうか?
そういう疑問が出てくる。
 

彼はほんとに現場が好きで、
のびのびと楽しそうにやっていた。
撮影しているあの期間に、もう一度行けたら楽しいだろうな。
西川さんはそう言っている。
 
完成した作品を見ることなく、自ら死を選ぶなんてこと、
彼がそんなことを本当にやるだろうか?
そう考えた時、
メディアが報じることを全て鵜呑みにして、本当にいいのだろうか?
そういう疑問が出てくる。
商業立国することで日本という国を強くしようと、
率先して英語を学び、ヨーロッパに飛んで知見を広めていった五代。
 
太平洋戦争下のアメリカに生きる日系アメリカ人一家の姿を描いた作品
『アリージャンス』でブロードウェイの舞台に立ちたいという大きな夢を抱いていた彼。
 
視線の先を海外に向けていたのは、五代も彼も、どちらも同じ。
 
「(海外の知識を)俺に学ばせろ」と叫び、
上海に渡って蒸気船を購入したのを機に海外へと飛び出し、
改めて日本という国に向き合った五代。
 
(殺陣を教わるのは)いつか海外で仕事をすることになった時のための準備。
日本人として刀についてや着物の着方、また、それぞれの所作や作法に関して
どんな意味合いがあるのか聞かれることがきっとあるはずなので、
その時のためにしっかり知識を入れておきたいと思いました。(『日本製』より)
と、日本の俳優であることも強く意識していた彼。
 
100年先の日本が見えると言った五代のように、
まるで、自分が100年先も生きていると言わんばかりに
自分の将来を思い描いていた彼。
 
自分の作品に情熱を注ぎ、自分の未来を見据えていた彼が、
初の時代劇主演作「天外者」の完成作品を自らの目で見ることなく、
思い描いた夢を実現させることなく、
自ら死を選んだとメディアは一斉に報じた。
いくら何でも、説得力がなさすぎる。
いくら何でも、無茶振りすぎる。
メディアというダークフォースを使えば、
人々を自由自在に洗脳できると思っている奴等の思うつぼになっていて、
私たちは本当にいいのか?
 
そんな説得力のないバカバカしいことを言われても、
それでもメディアが報じることを全て鵜呑みにして、
本当にそれでいいのだろうか?
 
メディアが報じていることが、Factなのか、Opinionなのか、
その判断を委ねられているのは、個人であるということ。
それをしっかりと肝に銘じて、何が正しくて、何が間違っているか、
何が正確(Fact)で、何が個人の偏った考えや感情(Opinion)なのか、
しっかりと判断していかなければいけないと思う。
信じるか信じないかは個人の自由。
幸か不幸か、個人の決断が、報じられた張本人の運命を左右する。