「天外者」

遂に、明日、全国公開ですね。

彼は生前「自分の代表作にしたい」と語っていたそうだが、

翔平さんのインタビューを読んでいて、

ちょっとドキッっとさせられた。

 

龍馬が生きた時代は、国の反目にまわったら命を狙われるわけじゃないですか。だから、ごはん食べてお酒飲んで酔っ払ってなんてできないはずなんですよ。もしかしたら、いきなり扉から刺客が入ってきて、切られるかもしれない。そんな精神状態で生きていくなんて、僕には想像できない。日本を変えるために、命がけで生き抜いた龍馬や五代友厚の偉大さを改めて感じました。

 

もちろん、翔平さんは、自分と自分が演じた龍馬の目線で語っているが、

反目にまわったら命を狙われる時代に生きた人物を演じた彼は、

自分自身と五代友厚との間に、

何か重なり合うものを感じていたのではないかと思う。

 

彼は生前、様々な役を演じてきたが、

五代友厚という役は、今まで演じた役の中で、

いちばん彼らしさを感じられる役ではないかと思う。

そして、彼はこの役を演じて、五代友厚という人物から、

ものすごく影響を与えられたのではないかと思う。

まだ公開前だけど、予告映像や、共演者の言葉から、

この作品に対する彼の思い入れが伝わってくる。

彼が「自分の代表作にしたい」と語った意味が伝わってくる。

 

共演者たちが、本当なら隣にいるはずだったのに、と思っているように、

彼も、本当なら共演者の隣で完成した作品を見て、

共演者たちと作品について語るつもりだったんだと思う。

誰もあの日の事件を防ぐことができなかったことが悔しい。

 

 

 キレイな男でした。

 清らかな男でした。

 真っすぐな男でした。

 

この方も、彼に何があったか全て知っていると思う。

でも、助けられなかったんだと思う。

たぶん、誰一人として、彼を助けることは不可能だったんだろう。

自分たちの命を守るために、

目をつぶるしかなかったのだろう。

無念だ。