前回の記事で、世界平和教授アカデミーの”中の人”と表現した谷口博氏。

北大名誉教授まで勤め、叙勲まで受けている人物だが、新たな事実がわかった。

 

以下は、「人づくり、家庭づくり、国づくり」国民運動推進委員会が2012年9月20日に発行したニュースレターの記事だ。

 

 8月9日、高く澄み渡った青空のもと、札幌市大通公園で150名の中高生を中心に「PureLove2012 in 北海道」を開催しました。ラリーでは、最初に谷口博北海道平和大使協議会議長から「このように若い人たちが純潔の重要性を訴えていることに非常に感動しました。その思いをいつまでも持ち続け、立派な家庭を作っていって欲しい」と激励の言葉を頂きました。その後、公園内4ヵ所に分かれて純潔の大切さを全員でアピールし、ラリーの最後には、全員で「ピュアラブ宣言」をし、大通公園周辺のデモ行進に出発しました。

 

「人づくり、家庭づくり、国づくり」とは、旧統一教会の関連団体「平和大使協議会」が進める運動。

この運動の機関誌に、谷口氏が北海道平和大使協議会議長として登場しているのだ。

 

谷口氏は世界平和教授アカデミーにとどまらず、別の統一教会関係団体でも活動していたわけである。

しかも北海道支部の議長という要職だ。

 

平和大使協議会のホームページには、他にも谷口氏が登場する。

2014年10月21日付の記事で、こちらは谷口氏の件というよりも今後の統一教会の活動の方向性を知るうえでも大変重要な内容だ。

 

 10月11日、北海道人格教育協議会が発足し、札幌市内の会場で発足式が開催されました。

 「人格教育の研鑽と普及に努め、教育再生の柱となり、国家と世界に貢献する人材育成に役立つ事業を模索し展開する」ことを目的に発足した同協議会は、これまで10年間、谷口博・北海道平和大使協議会会長(北海道大学名誉教授)をはじめ、教職者など教育関係者を中心に懇話会を続けてきた内容を発展させたものです。

 発足式では、会長に山谷敬三郎・北翔大学学長補佐、副会長に加藤隆・名寄市立大学教授の就任が発表されました。

 来賓として参加した国会議員の祝辞に続き、矢吹恭一・平和学術フォーラム北海道顧問が激励の言葉を述べました。その後、堀展賢・世界平和教授アカデミー事務総長(平和学術フォーラム常任顧問)が「日本創造は霊性人格教育から」と題して記念講演を行いました。また、山谷会長が「人格教育の意義と課題」と題して講演を行いました。

 発足式前には、役員会、総会が開催され、役員と定款が全会一致で了承されました。

 

人格教育という聞きなれない言葉が使われているが、これが北海道における今後の統一教会の活動のキーワードになってくる。

それについては今後書いていくが、谷口氏はこの人格教育の研鑽と普及に10年間関わってきたという。

その後、谷口氏は2016年に北海道平和大使協議会を離れるのだが、なんと世界平和統一家庭連合=旧統一教会の徳野会長(当時)から感謝状を授与されている。

以下は、世界平和統一家庭連合広報局発行の「VISION2020 日本統一運動 News Letter」2016年10月15日号の記事だ。

 

 10月8日、札幌市内のホールで「救国救世北海道大会」が開催され、各界で活躍する指導者や新規の参加者を含め多くの人々が集まり、開錠の650席が満員となる大盛況となりました。
 式前公演では、女性グループ「シグナル」が1曲、聖歌隊「ノース・ヒル・クワイア」が2曲を披露し、美しい歌声で会場の雰囲気を整えました。
 大会は、司会の矢吹恭一・北海道平和大使協議会事務局長の開会宣言の後、安田公保共同議長が主催者挨拶。

 次に、徳野英治・平和大使協議会会長が、このたび退任する北海道平和大使協議会の谷口博議長(北海道大学名誉教授)に感謝状を授与。引き続き、新議長に委嘱状が授与され、新旧の交代式がありました。

 来賓挨拶と祝電披露に続き、盛大な拍手に迎えられて徳野会長が登壇、記念講演を行いました。
 徳野会長は、少子高齢化・人口減少問題や家庭の愛情機能崩壊、伝統的結婚の危機、東アジアの安全保障問題など、現在の日本が抱える様々な問題を指摘。その上で、日韓トンネルを中心とする環日本海経済圏構想など、それらの問題を克服し、躍動する日本の国づくり、世界平和実現に貢献する希望ある日本の未来を築く夢とビジョンを力強く提示しました。
 大会は最後に、地元議員のリードで万歳三唱を行って閉会。新しい北海道平和大使協議会の門出となりました。

 

ここまでくるともはや谷口氏は統一教会の”中の人”という印象が強い。

谷口氏はこのほか、「アカデミー・フォーラム懇談会」というイベントも、代表世話人として定期的に開催している。

前回記事に掲載した、世界平和教授アカデミー北海道支局が開催していたアカデミー・フォーラムを、谷口氏が引き継ぐ形になったようだ。

統一教会色が抜けたのかと思いきや、そんなことはなかった。

以下は、新聞記事等で確認できた懇談会の概要だ。

 

2005年4月 テーマ:千島列島、サハリンの自然とその保護―北海道大学総合博物館の魅力、昆虫研究― 講師:大原昌宏(北大助教授)

2009年5月19日 テーマ:ハイブリッドロケット開発と地域活性化 講師:永田晴紀(北大大学院工学研究院教授)

2015年4月25日 テーマ:温泉と自然が生み出す健康づくり 講師:大塚吉則(北大大学院教育学研究院教授)

2015年6月27日 テーマ:北海道大学建学の精神と北海道の未来 講師:佐伯浩(寒地港湾技術研究センター代表理事会長、前北大総長)

2016年6月25日 テーマ:北海道の宇宙産業 講師:永田晴紀(北大大学院工学研究院教授)

2016年8月27日 テーマ:北海道の人口減少対策と地方創生 講師:原俊彦(札幌市立大教授)

2016年9月24日 テーマ:ヘルスツーリズム 講師:大塚吉則(北大大学院教育学研究院教授)

2017年1月28日 テーマ:北海道の人口減少とコンパクトシティー 講師:瀬戸口剛(北大大学院工学研究院)

2017年4月22日 テーマ:人口減少と北海道の未来 講師:丹保憲仁(道立総合研究機構理事長)

2017年6月10日 テーマ:北朝鮮におけるミサイル開発の経緯と動向 講師:永田晴紀(北大大学院工学研究院教授)

2018年3月14日 テーマ:人口減少が進む交通・運輸の未来を考える 講師:石井吉春(北大公共政策大学院特任教授)

2019年7月27日 テーマ:植生回復の課題―有珠山噴火後40年間の植生変化から学ぶ― 講師:露崎史朗(北大大学院地球環境科学研究院環境科学院教授)

2020年8月1日 テーマ:アジアの海洋環境保全を考える 講師:藤井賢彦(北大地球環境科学研究科准教授)

 

以上は懇談会のほんの一部なのだが、この中にある2017年6月10日の懇談会が物議をかもした。

講師として登壇した永田氏が、懇談会の共催団体や後援団体などが記載された画像を投稿したのだ。

 

 

画像からは以下のように読み取れる。

 

主催:アカデミーフォーラム懇談会

共催:北海道平和大使協議会、世界平和連合北海道連合会

後援:高木宏壽後援会事務所、中川ゆうこ後援会事務所

 

懇談会を統一教会関係団体が共催し、高木宏壽氏と中川郁子氏の後援会事務所が後援していたことが発覚したのだ。

この件をやや日刊カルト新聞が取り上げ、多くのネット民の知るところとなった。

 

アカデミー・フォーラム懇談会が、毎回統一教会関連団体の共催だったのかどうかは判然としない。

ただ世界日報とビューポイントは、元北大総長の佐伯氏が講演した2015年6月27日の回などを記事にしている。

 

さて話を、平和大使協議会ホームページ掲載の2014年10月21日付の記事に戻す。

北海道人格教育協議会発足について、「これまで10年間、谷口博・北海道平和大使協議会会長(北海道大学名誉教授)をはじめ、教職者など教育関係者を中心に懇話会を続けてきた内容を発展させたものです」との一文がある。

これは一体何なのか。

調べていくと、ここでも世界平和教授アカデミー北海道支局の人脈が関わっていることがわかった。

前回記事で、世界平和教授アカデミーは旧統一教会の関連団体である件を示した

 

この際、旧統一教会の人脈が北海道においてどのように広がっていたのか、はっきりさせておきたい。

 

まず、世界平和教授アカデミーについて見ていきたい。

北海道で誰がどのような活動を展開していたのか。

前回にも記した、佐藤達也氏が紹介している1976年12月ごろに発行されたパンフレット掲載の北海道関係者は以下のとおり。

地区参与

▽札幌=岩沢靖(札幌大学理事長)、川村秀雄(北海タイムス会長)、丹羽貴知蔵(前北海道大学学長)、佐藤貢(北海道経営者協会会長)

地区幹事

▽札幌=神原富民(北海道大学教授)

 

その後、世界平和教授アカデミー北海道支局は、1986年から89年にかけて本を3冊出版している。

活動内容やメンバーが把握できるため、以下にその目次等を記す。

『21世紀と教育 教育改革への提言』(1986年4月出版)

はじめに 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

教育シンポジウムの経過

提案要旨

◆第一回教育シンポジウム

価値観と教育制度の見直しを 鈴木博雄(筑波大学教授)

◆第二回教育シンポジウム

「二十一世紀と教育」と題して 草刈善造(釧路短期大学)

思春期の問題行動について 太田耕平(札幌太田病院院長)

教育現場から 會田進(小樽市立稲穂小学校教諭)

国際教育の立場から 橋本俊彦(北海学園大学教授)

コメント 藤井正章(弁護士)

◆第三回教育シンポジウム

学校教育の改革について 谷文一(北海道退職校長会会長)

社会教育の改革について 片山孝二(北海道社会教育センター主事)

人間回復の教育 道見重信(札幌青年会議所直前理事長)

コメント 安藤忠吉(国学院女子短期大学教授)

◆第四会教育シンポジウム

二十一世紀を志向して「思想侵略と教科書」 森本真章(福井工業大学教授)

よい教育養成をめざして 瀬戸富永(北海道女子短期大学教授)

現職教育に対する一考察 湊勲(北海道社会教育センター講師)

親の立場から見た本来の教育とは 家納大次郎(北海道教育問題協議会会長)

コメント 草刈善造(釧路短期大学学長)

教育シンポジウム全体総括

全体総括 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

一、基調講演

二、提案者の意見

教育改革への提案 教育シンポジウム委員会

一、二十一世紀の問題性

二、教育改革の視点

三、教育改革への内容

(一)学校教育について

(二)家庭および社会教育について

(三)教員養成ならびに採用および研修

あとがき 本田殉一(世界平和教授アカデミー北海道支局事務局長)

『21世紀北海道の可能性』(1987年出版)

はじめに 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

シンポジウムの経過

講演要旨

◆第一回シンポジウム「北海道の総合開発」

資源・エネルギー問題の現状と展望 小金芳弘(日興リサーチセンター理事)

北海道の開発を想う 久郷昌夫(北海道大学名誉教授・総合エネルギー問題道民会議理事長)

◆第二回シンポジウム「北海道と国際交流」

北米大陸から見た北海道 武田勝彦(早稲田大学教授)

北方圏交流について 気境公男(北方圏センター顧問)

人間関係と国際交流 吉本千禎(北海道大学名誉教授)

国際交流の心構え 石黒直文(北海道拓殖銀行常務取締役)

◆第三回シンポジウム「北海道におけるバイオの可能性」

バイオテクノロジーの研究・開発の世界的情勢 福井三郎(京都大学名誉教授)

来世紀に向けての育種 高橋萬右衛門(武蔵女子短期大学学長)

微生物利用による北海道のバイオの可能性 高尾彰一(北海道大学教授)

ノボの北海道体験 PER HARTVIG JANSEN(ノボ生化学工業社長)

バイオインダストリーと北海道開発の課題 江口良友(静修短期大学学長)

◆第四回シンポジウム「北海道の総合交通体系」

国際化時代における北海道の総合交通体系 五十嵐日出夫(北海道大学教授)

リニアモーターカーの展望 北岡寛太郎(道経連運輸交通審議会副委員長)

物流システムの立場から 竹村豊平((財)北海道物流システム開発研究センター専務理事)

千歳国際空港について 若林ヤタロオ(日本航空札幌支店長)

◆第五回シンポジウム「北海道の総合安全保障」

北海道の総合安全保障 村上薫(経済安全保障研究会代表)

北海道の経済的立場から 南河達雄(北海タイムス論説委員)

北海道の防衛的立場から 岩崎正昭(北方ジャーナル顧問)

特別講演会

バイオ新時代を開く世界観 村上和雄(筑波大学教授)

全体総括 谷口博(北海道大学教授)

『21世紀の教育への道 日本の教育改革の実践化のために』(1989年6月10日発行)

年報への序文 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

基調報告

「昭和六十三年度のテーマ」 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

第一分科会

「これからの教育を支える教育観」 安藤忠吉(国学院女子短期大学教授)

「この教育はどうするか」 家納大二郎(教育情報社社長)

「まず現状の認識から」 谷文一(北海道教育文化協会専務理事)

「新時代へ「教育目的」を考える」 湊勲(北海道教育振興会会長)

第二分科会

「教育における国際化」 飯田正一(北海道大学名誉教授)

「国際化と教育の役割」 加藤花男(教育開発研究所所長)

「教育における国際化」 谷口博(北海道大学教授)

「教育の国際化とはどういうことか」 山崎正昭(札幌東豊高校PTA会長)

「教育における国際化」 吉本千禎(北海道大学名誉教授)

第三分科会

「今、求められる平和教育」 荻野忠則(北海道女子短期大学教授)

「平和と人権」 磯貝芳司(北海道女子短期大学教授)

「戦争体験と平和」 酒井明(元北海道小学校長会会長)

跋文

「新時代への第一歩」 湊勲(北海道教育振興会会長)

資料

教育研究会の経過

一昨年の教育シンポジウムより「教育的な風土の根本的な変革を」 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

編集後記 藤原達也(世界平和教授アカデミー北海道支局長)

 

『21世紀の教育への道 日本の教育改革の実践化のために』には、年度の活動記録や名簿も掲載されている。

以下、上記の目次の内容と一部重複するが記載する。

教育研究会の一昨年までの経過

⑴1984年6月9日

テーマ「教育改革への提言」

講師 鈴木博雄(筑波大学教授)

コメント 梶浦善次(北海道女子短期大学学長)

⑵1984年12月22日

テーマ「21世紀と教育」と題して

基調講演 草刈善造(釧路短期大学学長)

意見発表 太田耕平(札幌太田病院院長)

     會田進(小樽市立稲穂小学校教諭)

     橋本俊彦(北海学園大学教授)

コメント 藤井正章(弁護士)

⑶1985年3月26日

テーマ「21世紀と教育」

意見発表 谷文一(北海道退職校長会会長)

     片山孝二(北海道社会教育センター主事)

     道見重信(札幌青年会議所直前理事長)

コメント 安藤忠吉(国学院女子短期大学教授)

⑷1985年9月28日

テーマ「21世紀と教育」―望まれる教師像―

基調講演 森本真章(福井工業大学教授)

意見発表 瀬戸富永(北海道女子短期大学教授)

     湊勲(北海道社会教育センター講師)

     家納大次郎(北海道教育問題協議会会長)

コメント 草刈善造(釧路短期大学学長)

⑸1987年12月

テーマ「教育の新しい地平」―臨教審の答申を終えて―

基調講演 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉教授)

意見発表 安藤忠吉(国学院女子短期大学教授)

     井上覚(元札幌市中学校長)

     磯貝芳司(北海道女子短期大学教授)

1988年度活動報告

⑴教育研究会

 代表 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

 幹事 湊勲(北海道教育振興会会長)

Ⅰ)第1回 昭和63年6月8日

Ⅱ)第2回 昭和63年7月4日

Ⅲ)第3回 昭和63年8月17日

Ⅳ)第4回 昭和63年10月24日

Ⅴ)第5回 昭和63年11月29日

Ⅵ)第6回 昭和63年12月18日

Ⅶ)教育シンポジウム 平成元年1月28日

 ・基調講演「21世紀の教育に向かって」梶浦善次

 ・第1分科会委員長 安藤忠吉(国学院女子短期大学教授)

  「これからの教育を支える教育観」

 ・第2分科会委員長 飯田正一(北海道大学名誉教授)

  「教育における国際化」

 ・第3分科会委員長 荻野忠則(北海道女子短期大学教授)

   「今、求められる平和教育」

⑵東アジア研究会

 代表 吉本千禎(北海道大学名誉教授)

    飯田正一(北海道大学名誉教授)

Ⅰ)第1回講演会 昭和63年7月14日

 「歴史・文化から見た韓国・日本の関係」

 講師 崔相洛(駐札幌大韓民国総領事館領事)

Ⅱ)第2回講演会 昭和63年12月5日

 「新しい東アジア史ー文化伝播論から文化受容論へー」

 講師 井上秀雄(樟蔭女子短期大学教授)

⑶北大支局:北海道問題研究会

 代表 谷口博(北海道大学教授)

    西田秀夫(北海道教育大学教授)

    八戸芳夫(北海道大学名誉教授)

Ⅰ)第1回講演会 昭和63年4月27日

 「三国間国際交流ー大学における共同研究ー」

 講師 谷口博(北海道大学教授)

Ⅱ)第2回講演会 昭和63年5月27日

 「北海道、日本、アジア、太平洋ー新しい世界への視点」

 講師 石垣博美(北海道大学名誉教授)

Ⅲ)第3回講演会 昭和63年6月20日

 「農産物自由化と北海道農業のゆくえ」

 講師 天間征(北海道大学教授)

Ⅳ)第4回講演会 昭和63年9月1日

 「北海道のバイオテクノロジーの未来」

 講師 飯塚敏彦(北海道大学教授)

    景浦強(北海道グリーンバイオ研究所研究部長)

Ⅴ)第5回講演会 昭和63年9月13日

 「文化財としての青函トンネル」

 講師 佐藤馨一(北海道大学教授)

    高村豊平(物流システム開発研究センター専務理事)

Ⅵ)第6回講演会 昭和63年10月17日

 「今、医の倫理を考えるーオーラル・ハイジンへの道」

 講師 鈴木武(北海道大学名誉教授)

Ⅶ)第7回講演会 平成元年2月20日

 「北海道を取り巻く漁業の国際的動向ー沿岸地域の活性化に向けてー

 講師 辻田時美(北海道大学名誉教授)

    岩下光男(北海道東海大学教授)

北海道支局教育研究会名簿

代表 梶浦善次(北海道女子短期大学名誉学長)

幹事 湊勲(北海道教育振興会会長)

◇第一分科会

委員長 安藤忠吉(国学院女子短期大学教授)

委員 會田進(北海道教育研究会連盟会長)

   家納大次郎(教育情報社社長)

   北村麗風(日本詩吟学院岳風会小樽支部岳船会指導部)

   瀬戸富永(北海道女子短期大学教授)

   千早坦(静修短期大学教授)

   谷文一(教育文化協会専務理事)

   本間末五郎(静修短期大学教授)

   勇田敏夫(北海道大学教授)

◇第二分科会

委員長 飯田正一(北海道大学名誉教授)

委員 加藤花男(教育開発研究所所長)

   小林純幸(静修短期大学教授)

   谷口博(北海道大学教授)

   寺島善五郎(北海道女子短期大学教授)

   野口迪子(北海学園大学助教授)

   西田秀夫(北海道教育大学教授)

   橋本俊彦(北海道教育大学名誉教授)

   山崎正昭(札幌東豊高等学校PTA会長)

   吉本千禎(北海道大学名誉教授)

◇第三分科会

委員長 荻野忠則(北海道女子短期大学教授)

委員 磯貝芳司(北海道女子短期大学教授)

   井上覚(元札幌市中学校校長)

   沓沢利幸(北海道教育社モラロジー研究会副会長)

   酒井明(元北海道小学校長会会長)

   菅原馬吉(国学院女子短期大学教授)

   難波信吉(札幌海洋少年団長)

 

また、アカデミーの機関誌「世界平和研究」には、90年代後半に北海道支局が開催していたアカデミー・フォーラムの概要が掲載されている。

内容は以下のとおり。

1997年3月15日 アカデミーフォーラム

テーマ:「Woman's Health―心身医学的側面からのアプローチ」

講師:鈴木重裕(北海道立衛生学院講師・札幌医科大学医学部助手)

 

1997年4月19日 アカデミーフォーラム

テーマ:「人間、そう思えばそうなる」―人間行動医学の立場から考える―

講師:及川清(北海道大学医学部客員教授)

 

1997年6月21日 アカデミーフォーラム

「緊急課題としての宗教的情操の陶冶」

荻野忠則(北海道女子短期大学元教授)

 

1997年7月19日 アカデミー・フォーラム

「神戸小学生殺害事件と学校・学校教育の課題」

荒岡勇次(元旭小学校校長)

 

1997年8月23日 アカデミーフォーラム

「明日のエネルギーと地球環境問題を考える」

熊田俊明(北海道大学教授)

 

1997年10月18日 第6回アカデミー・フォーラム

「現代における女性の生き方再考」

布上恭子(札幌高等専門学校教授)

 

1997年11月22日 第7回アカデミー・フォーラム

「北国の生活とエネルギー」

谷口博(北海学園大学教授)

 

1998年2月21日 第8回アカデミー・フォーラム

「PWPA世界会議の報告と日本の宗教教育」

峯弘(北海道農業大学校講師)

 

1998年4月25日 第9回アカデミー・フォーラム

「大局から考える教育問題」―この教室から世界共通教育まで―

荻野忠則(北海道女子短期大学元教授)

 

1998年6月26日 第10回アカデミー・フォーラム

「少年非行に見る地域・学校の課題」

荒岡勇次(元小学校校長)

 

1998年10月23日 第11回アカデミー・フォーラム

「青少年の健全育成についての今日的課題―日本の役割と共生の道を探る―」

難波信吉(日本海洋少年団北海道連盟会長)

 

1998年11月25日 第12回アカデミー・フォーラム

「子どもたちの問題行動について」

高柳晃(北海道母親・父親学実践研究会副会長)

 

1998年12月11日 第13回アカデミー・フォーラム

「ストレス社会とメンタルヘルス」

根本和雄(光塩学園女子短大客員教授)

 

1999年3月31日 第14回アカデミー・フォーラム

「世界平和の創造と国旗・国歌」

荻野忠則(北海道女子短期大学元教授)

 

1999年6月3日 第15回アカデミー・フォーラム

「親の子どもへの接し方について」

高柳晃(北海道母親・父親学実践研究会副会長)

 

1999年8月20日 第16回アカデミー・フォーラム

「地域に貢献する教育と人材育成」

和野内崇弘(札幌国際大学学長)

 

1999年10月22日 第17回アカデミー・フォーラム

「現代学生の宗教心理」西沢悟(北海学園大学名誉教授)

 

1999年12月25日 第18回アカデミー・フォーラム

「20世紀最終年を迎える世界連邦運動」荻野忠則(北海道女子短期大学元教授)

 

2000年3月11日 第19回アカデミー・フォーラム

「アジアの大学間ネットワークの展開」谷口博(北海学園大学教授)

 

以上から、世界平和教授アカデミーにおける道内の中心人物が見えてきた。

上記フォーラム等で7度名前が登場した、北海道大学名誉教授の谷口博氏である。

 

 

谷口氏のプロフィールは以下のとおり。

機関誌に掲載されていたものだが、号によって内容が微妙に違うので3パターンすべてお届けする。

 

<世界平和研究 2000冬季号>

谷口博 たにぐち・ひろし

1930年生まれ。北海道大学工学部機械工学科卒。三菱重工㈱に入社した後、63年北海道大学工学部助教授(機械工学科)、73年同教授に就任。94年より北海道学園大学教授。北海道大学名誉教授、中国・浙江大学名誉教授。また、この間、米国・ミシガン大学、カリフォルニア大学、韓国・全北大学校の各客員教授も務めた。工学博士。著書に『蒸気原動機』『燃焼工学ハンドブック』『品質管理』などがある。

 

<世界平和研究 2009秋季号>

谷口博 たにぐち・ひろし

1930年生まれ。53年北海道大学工学部卒、三菱重工入社・横浜造船所勤務。その後、63年北海道大学工学部助教授、79年教授、94年北海道大学名誉教授、94年北海道学園大学教授、85年中国・浙江大学名誉教授。工学博士。専攻は機械工学。主な受賞に空気調和衛生工学会賞(86年)、燃焼学会功労賞(96年)、北海道科学技術賞(98年)、ASME燃焼部門賞(00年)、北海道功労賞(06年)。主な著書に『エネルギー・環境への考え方』『品質管理』『熱と流れのコンピュータアナリシス』、Advances in Heat Transfer、他。

 

<世界平和研究 2013春季号>

谷口博 たにぐち・ひろし

1930年生まれ。53年旧制北海道大学工学部卒業、73年工学博士(北海道大学)、三菱重工横浜造船所技師、北海道大学助教授・教授・名誉教授、浙江大学名誉教授、北海学園大学教授、ミシガン大学・カリフォルニア大学訪問教授など歴任。空気調和衛生工学会賞、米国機械学会FACT賞、北海道功労賞など受賞。主な著書『蒸気原動機』『モンテカルロ法による放射伝熱解析』、Radiative Heat Transfer by Monte Carlo Method、『エネルギー環境への考え方』『例題で学ぶ品質管理』ほか。

 

専門は工学分野で、熱機関サイクルでの功績が認められ、2006年には北海道功労賞を受賞。

 

 

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/5/7/6/8/0/6/2/_/jyusyosyaitiranR3.pdf

 

また、苫小牧市地域新エネルギービジョン策定委員会の委員長を務めたほか、2008年出版の「エネルギー・環境への考え方―その提言と問いかけ」という共著作のプロフィールから、2003年にエルパワーテクノロジーという企業の監査役に就任していたことが確認できる。

 

 

 

この役職については専門分野である工学の知識を生かしたもののように見られるが、2013年、まったくかけ離れた分野に進出する。

元モデルの居藤タカセ氏という人物とともに日本統合医療美容学会を立ち上げたのだ。

プレスリリースには以下のような学会の説明が記載されている。

医師、医学博士、審美歯科医師、ヘアー&メイクアップアーティスト、エステ経営者、管理栄養士など美と健康のプロ集団が運営し、正しい美容情報の発信と普及を目的とした学会です。一般にも広く普及させるため、美容や健康などの学術研究を行うだけでなく、芸能界と協力して美に関するイベントなども行ってまいります。

 

 

 

すでにこの学会のホームページは閲覧できなくなっていてアーカイブも見られない状態だ。

まるで専門外の美容分野で谷口氏は何をしようとしていたのか・・・

谷口氏はこの学会立ち上げの翌年の2014年、叙勲・瑞宝中綬章を受賞している。

 

世界平和教授アカデミーとの関係に戻ると、谷口氏はアカデミーの機関誌にたびたび投稿している。

確認できたのは以下の6本の記事だ。

季刊アカデミー第6号(1977年4月1日発行)
 「人類の利用できるエネルギー資源」
世界平和研究 2000冬季号 通巻144号(2000年2月1日発行)
 「[第1回アジア大学連合年次総会]アジアの大学間ネットワークの展開」
世界平和研究 2000春季号 通巻145号(2000年5月1日発行)
 「大学院を中心とするネットワーク構想」
世界平和研究 2006冬季号 通巻168号(2006年2月1日発行)
 「旧制・新制大学の比較と産学連携研究の是非」
世界平和研究 2009秋季号 通巻183号(2006年2月1日発行)
 「大学の教育力を探る」
世界平和研究 2013春季号 通巻197号(2013年5月1日発行)
 「原発事故の知られざる側面と自然エネルギー移行への問題点」

 

さらに谷口氏は執筆にとどまらず、機関誌「世界平和研究」の編集委員まで務めていることが確認できる。

「世界平和研究」には1999年春季号から2013年秋季号まで編集委員のメンバーが記載されているのだが、それらすべてに谷口氏が登場しているのだ。

もうこれは完全に”中の人”ではないか・・・

 

ちなみに「人づくり、家庭づくり、国づくり」国民運動推進委員会が2013年9月20日に発行したニュースレターの記事に谷口氏のプロフィールが掲載されており、そこには「世界平和教授アカデミー理事」との記載がある。

 

 

旧統一教会との関わりについて、どのように認識していたのか。

ぜひとも聞いてみたいところだが、去年7月の北大時報には谷口氏の訃報が掲載されていた。

 

https://www.hokudai.ac.jp/pr/pdf/jihou_21_7.pdf

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は政界だけにとどまらず、教育界・学界にも浸透している。
それが「世界平和教授アカデミー」だ。
今月19日のABEMA的ニュースショーで、金沢大学の仲正昌樹教授が、旧統一教会の関連団体についての解説の中で「大学については世界平和教授アカデミーという組織があり、ここが色々なイベントを開いたり、学者にお金を出して留学させるなどしている」と話している。

 

現代評論社発行の月刊誌「現代の眼」1978年4月号に掲載された、ルポライター・佐藤達也氏の文章だ。
前回ご紹介した「国際勝共連合と自民党の人脈」を執筆した人物である。
44年が経った現在でも、旧統一教会の顔を隠した世界平和教授アカデミーの活動は続いている。
やはり今こそ、我々が知っておかなければならない内容であるため、北海道関係者も含んだ当時のアカデミーメンバーのリストとともに全文を掲載する。
 
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世界平和教授アカデミーの正体

 
統一協会=勝共連合はさまざまな「顔」をもっており、このアカデミーもその一つである
佐藤達也(ルポ・ライター)
 
 
二三名から一〇〇〇名へ
 
 文鮮明が率いる統一協会(世界基督教統一神霊協会)はさまざまな「顔」を持っている団体である。主な「顔」をあげれば「国際勝共連合」「国際文化財団」「救国連盟」「復光会」etc……これらは日本統一協会の会長である久保木修己が代表をかねている。そしてこの統一協会のフロント(みせかけの機関)の一つとして以下報告する「世界平和教授アカデミー」がある。この組織は統一協会=KCIAの対日学界工作のためにつくられたものであり、その活動の一端として一〇年後の日本の未来がプロデュースされている。「現代の救世主」文鮮明がさし示す日本の未来とはいかなるものであろうか?
 国電四谷駅で下車し、上智大学キャンパスにそって歩き、ホテル・ニューオータニの側の坂道を下っていくと、クリーム色の紀尾井町TBRビルが見える。近くにはデモの集会場としてよく使用される清水谷公園がある。世界平和教授アカデミーは、この紀尾井町TBRビルの九階、九〇七号室にある。部屋では、一〇人ほどの事務局員が忙しく立ち働いている。室内にはコピーの機械、TVビデオ装置があり、立派な応接室に案内される。せいぜい二、三人の事務局員がいる程度と考えていた筆者は、まず部屋の広さと、事務局員の多さに驚かされ、想像した以上に大がかりな組織だというのが第一印象である。
  「世界平和教授アカデミー」——本会は現代文明の危機を認識し新しい文明的理念の創造を目指す学者・研究者が、自らの学問を通じて現実の諸問題克服のために、国際的かつ学際的に結集する学術機関として、その研究活動を通じて地域社会、国家、国際社会に貢献せんとするものであります(案内パンフより)
 世界平和教授アカデミーは、一九七四年九月二八日、東京で、発起人一三四名で設立された。初代会長には、元立教大学総長・参議院議員の松下正寿が就任している。創立までの経緯は、アカデミー発行の内部資料によれば次の通りである。
 ◎国際文化財団(ICF)の創立者、文鮮明氏の提唱により「日韓教授親善セミナー」及び「科学の統一に関する国際会議」が始められる。
▽第一回日韓教授親善セミナー(七一年七月、東京、テーマ「学生運動の現状と展望」)
▽第二回日韓教授親善セミナー(七一年一二月、東京・経団連会館、テーマ「現代学生の価値観と未来像」)
▽第三回日韓教授親善セミナー(七二年七月、韓国・ソウル、テーマ「世界平和のための大学の使命」)このとき、全体会議のまとめとして平和教授アカデミーの設立が要請された。
▽第四会日韓教授親善セミナー(七二年八月、東京・経団連会館、テーマ「世界平和と新しい世代に対する指導理念」)
 韓国側から「世界平和教授アカデミー」の原案が提出され、日本でも創立の準備を進める。
▽第一回科学の統一に関する国際会議(七二年一一月、ニューヨーク、テーマ「科学の道徳的方向づけ」)
▽第五会日韓教授親善セミナー(七三年四月、東京・経団連会館、テーマ「アジアにおける今日の課題と展望」)日本で二三名の教授により「世界平和教授協議会」発足(七三年六月)
▽第二回科学の統一に関する国際会議(七三年一一月、東京・帝国ホテル、テーマ「現代科学と人間的価値」)
▽第一回世界平和国際会議(七四年四月、韓国・ソウル、テーマ「世界平和とアジア」)
▽「国際文化フォーラム」創刊(七七年五月)
▽第七回世界平和国際会議(七四年七月、台湾、テーマ「アジアの安全と自由世界」)
▽世界平和教授アカデミー創立総会(七四年九月二八日)
 
 以上が設立までの経過であるが、この平和教授アカデミーが、文鮮明一派のダミー機関である国際文化財団(本部ニューヨーク、日本にも同名組織がある)によって創設されたこと、そしてなによりも、韓国側(KCIA)の原案にそって組織されたことがわかる。また同様の組織が「韓国、台湾にあり、近く米国にも創られる」(同アカデミー事務局員、西尾談)とのことである。さしずめ、学者レベルでの日米韓台同盟ネットワークの完成といったところか。
「現在の会員数は一〇〇人を超えていますし、どんどん増えています」(尾脇事務局長)というから、七三年六月に二三名で出発し、七四年九月に一三四名で発足してからわずか数年で急激に大きくなったわけである。
 
日米韓CIAと結ぶ
 
 もう少し世界平和教授アカデミーの実態を紹介すると、現役員は会長松下正寿以下、別表の通り。名高い反共親韓学者が雁首を並べているが、とくに鬼頭事件で云々された京都産業大学は学校ぐるみといった感であるし、筑波大学関係者も多い。中には創価大学教授である野間繁が常任理事に就任している。注目しなければならないのは、規約上なんの権限もない「参与」に名前を連ねている人々である。現対外経済相牛場信彦、郷司浩平日本生産性本部会長、桜田武日経連会長、CIA東京ブランチといわれるアジア財団日本代表ジェームズ・スチュアート、内閣調査室初代室長村井順等と並べば、旧特務期間、財界、KCIA、CIA、JCIAのオンパレードである。この参与のメンバーを見れば、世界平和教授アカデミーの性格が一目瞭然、金脈もはっきりわかる。また事務局も「財界から援助を受けている」ことを認めている。
 同アカデミーは本部役員の他に各地区ごとに地区参与・地区幹事を置いており、工作の手が地方大学まで伸びていることを示している。たとえば札幌地区では、参与に丹羽貴知蔵前北海道大学学長、岩沢靖札幌大学理事長、佐藤貢北海道経営者協会会長、地区幹事として神原富民北海道大学教授が就任、他に仙台、名古屋、金沢、福井、高知、福岡、長崎等に地元大学教授が責任者となっている。
 
勝共連合のシンクタンク
 
 設立までの経緯・人脈・金脈についてはこれぐらいにして、次にアカデミーの活動内容にふれていきたい。
 第一にあげなければならないのは、勝共連合、KCIA筋が主催する種々の国際会議への出席である。この種の国際会議として代表的なのは、創立までの経緯の中に出てきた「世界平和国際会議」(ICWP)と「科学の統一に関する国際会議」(ICUS)である。前者は七四年以降、毎年二回ソウルと東京で開催され、主な議題は東南アジア、とくに朝鮮半島の安全保障問題である。後者は、「学問の行き過ぎた専門化、細分化による弊害を克服するために、科学的知識のあり方を再検討し、科学と価値との関係を究明する。欧米を中心に世界のトップレベルの頭脳を結集し、国際文化財団(本部ニューヨーク、創立者文鮮明師)の主催で毎年開催されている」もので昨年(七七年)は一一月二五日から二七日までの三日間、米国サンフランシスコで、世界五四ヵ国からノーベル賞学者六人を含む五二五人の科学者が参加した(日本からは松下正寿、福田信之など一五人が参加)。会議のメインテーマは、「変化する世界での絶対的価値の追求」で、文鮮明が開会のあいさつをしている。
 平和アカデミーの第二の活動は、日韓議員連盟、日韓親善協会、市民大学講座、区民教養講座等への講師の派遣である。
 市民大学講座、区民教養講座については少し説明がいる。両方とも各都市、区でときどき開かれるが、ゆめゆめ市主催・区主催とまちがえることなかれ。非常にまぎらわしい名称を使っているが、主催は統一教会=勝共連合である。この講座に出席したために原理運動に巻き込まれてしまった例も多い。そしてこの市民大学講座の学長が松下正寿。原理が行くところ松下ありという感じである。なお市民大学講座の謀略的な性格については、七七年四月の衆議院法務委員会で社会党の西宮弘、横山利秋の両代議士が追及し、国会でも問題になっている。
 アカデミーの三番目の、しかも最大の重点活動目標は、「ナショナル・ゴール研究プロジェクト」である。本論の主な課題もこの実態をレポートすることにある。
 "ナショナル・ゴール"などと横文字にすると、なにか不可思議な響きを持つが、直訳すれば「国家目標」、俗にいえば"未来研究"
である。
 この種の未来研究は、今までも多くの未来学者、ハーマン・カーン大先生から香山健一、坂本二郎小先生までさまざまなかたちで出されてきた。しかし、オイルショックから続く世界的不況=世界資本主義の崩壊という現実の前に、最近ではすっかり鳴りをひそめていらっしゃるようである。
 
事実上の「日本戦略研究所」
 
 次に掲げるのは「ナショナル・ゴール(NG)研究プロジェクト企画書」である。
 
 ◯ナショナル・ゴール研究プロジェクト 企画書趣旨文
  戦後三十余年、新しい国家目標設定の必要性が叫ばれて久しい。また、近年国際社会における日本の国際的責任が厳しく問われている。今や国内外から新しい国家目標設定の声が一段と高まっている。
  しかし、日本の政治の現状な混迷の度を深め、目先きのことしか議論がなされていない。これは単に日本の問題であるというよりは、人類全体が大きな文明的転換期にあるために生じた難局である。故に、現代文明の提起する様々の問題を克服し、新しいビジョンの確立をなしてこそ、日本の長期的ビジョンの確立が可能であると言えよう。
  このたびのプロジェクトは十年後、一九八〇年代後半のナショナル・ゴールを設定した。五年〜十年の具体案となるとかなりの学問的研究が必要であり、今日まで出ているいくつかのアイデアを総合し、整合されたトータルビジョンを確立したい。十年後のコンセンサスが可能となれば、次に五年計画をたてて、具体的な達成目標を提示していきたい。ここにおいて、はじめて有意義な論議の土俵が、つくられるのではないか。(以下略)
 一、目的
 (一)、文明的転換期を踏まえ、わが国の国家目標と国策を確立する。
 (二)、この成果をわが国及び世界への提言とし、同時に、この研究活動を通じて学界に創造的息吹きを送りこむ。
 二、目標(略)
 三、基本方針(略)
 四、計画
 (一)、期間は七六年三月〜七九年三月までの三ケ年とする。
 (二)、第一年度は準備段階(七六年三月〜七七年三月)、国内外の類似研究のレビュー、我々の視点の確立。
 (三)、第二年度は研究段階(七七年四月〜七八年三月)、主要テーマの研究、研究シンポジウムの実施。
 (四)、第三年度はまとめ、提言段階(七八年四月〜七九年三月)、国際的調整、シナリオ、各界向けの提言作成。
 五、各研究会
 ◯総合班=加瀬英明部長、総合企画、総合戦略、全体調整。
 ◯総合研究部会(ワーキング・グループ)=ナショナル・ゴール基礎研究、報告書の作成。
 ◯文明と宗教研究部会=松下正寿部長、宗教・思想・科学の統合、宗教とマルクス主義・民主主義の再検討、文明論。
 ◯創造科学研究会=福田信之部長、価値と諸科学の統一、学術風土の改革。
 ◯教育研究部会=古川哲史部長、教育の理念、初等・中等・高等教育、その他。
 ◯安全保障研究部会=佐藤和男部長、安全保障の根本、脅威の実態、防衛の現実。
 ◯政治研究部会=入江通雅部長、国際情勢、共産主義、憲法、マスコミ。
 ◯産業構造研究部会=安芸皎一部長、人口、食糧、資源、エネルギー、産業構造、国際分業システム。
 ◯経済研究部会=経済の安全保障、経済協力福祉問題。
 
 このNG研究プロジェクトには福田信之委員長を筆頭に、副委員長三名、委員二五名が名前を連ねている。中には糸川英夫、川喜田二郎、黒川紀章等マスコミで名が売れている人もいる。SF作家の小松左京も委員の一人である。注目したいのは、中島正樹三菱総合研究所社長、笠井章弘政策科学研究所常務理事、松下寛野村総合研究所常務など日本の代表的なシンク・タンクの責任者が委員に加わっていることである。
 さらに各部会ごとに部長の下に委員・研究協力者が配置されている。宗教と文明研究部会では、協力者として渡部昇一、山本七平、安全保障研究部会には土田隆、広瀬英一、石川貫之など元自衛隊高級将校がそろって参加。教育研究部会には武田清子国際基督教大学教授の名がみられる。
 これらNGプロジェクトの錚々たる陣容を評して、一九八〇年代に向けた「事実上の日本戦略研究所の発足」(山川暁夫氏・評論家)と考えるのも、あながちおおげさではない。米国では、ニクソン大統領時代に十数人の学者・専門家にのる研究グループとして「アメリカ国家目標調査委員会」が設置された。日本では半官半民のNIRA(総合研究開発機構)が七四年三月にスタートしている。
 
ペーパー・プランにあらず
 
 このナショナル・ゴールプロジェクトと他のシンク・タンクの同様の研究との違いをたずねると、「最大の違いは、われわれの研究は単なる未来研究・政策立案ではなく、文明史的観点を持って取り組んでいることです。近頃、西洋物質文明の危機が叫ばれていますが、われわれはこの西洋文明の崩壊を踏まえ、新しい文明の創造もプロジェクトの中に組み込んでいます。そのためとくに研究部会の一つとして松下正寿先生を中心とした文明と宗教研究部会を設けています」とのこと。政治的な立場は、と問うと、「共産主義には反対の立場で研究しています。だからといって右翼的な立場に立っているわけではありません」。その他の特徴は?「学園、大学間の壁を乗りこえた学際的研究であること、さらに国際的研究であること、さらに国際的な視野、とくに環太平洋的視点で問題に取り組んでいます」との答えがかえってきた。確かにナショナル・ゴールプロジェクトの特徴の一つは、高度のイデオロギー性である。先の事務局員氏から、ヘブライズムからヘレニズムへ、科学と宗教の統一云々と高尚な御意見を拝聴したが、結論は「共産主義はまちがっている」に収斂できそうなのでここに紹介しない。結果、彼らの文明史的転換、新しいビジョンなるものも、すべて反共イデオロギーということなのである。
 NG計画の第二の特徴は重点が安全保障と教育に置かれていることである。そもそもこのNGプロジェクトの提案者は筑波大学副学長の福田信之と言われるが、彼がこのプロジェクトを思いついたのは「日本の高等教育の改革、現代における文明の危機が密接に関連する巨大な技術文明のメリットとデメリット、日本の島国根性と民主主義の問題、西洋の単なるまねごとでない創造的な面を開発していくような土壌を日本の教育界に造らねばならない」と考えたからである。そしてナショナル・ゴールに向けた準備段階の過程で評論家の小山雅夫は「日本の独立と安全をいかに確保していったら良いかということが、当間五年ないし一〇年のナショナル・ゴールになる」とNG研究の最優先課題の一つが日本の安全保障問題であることを表明している。
 NG研究計画の第三の特徴は、単なるペーパー・プランの提言ではなく、実践をともなうものであることである。これが老い先短い保守反動の繰り言、街中を軍歌を流して喜んでいる既成右翼(チンドン屋右翼)の大言壮語なら特別問題にする必要はない。しかしNGプロジェクトには、従来の右翼反動とは異質の行動様式と大衆宣伝部隊を持つ勝共連合が控えているのである。
 
高度国防国家を指向
 
 NG研究の最終報告は来年三月にまとめられる段取りになっている。
 昨年一〇月八日から一〇日の三日間、東京国際文化会館で「ナショナル・ゴール研究中間報告会」が開かれ、主に安全保障と教育の問題を中心に報告がなされた。この会議の中間報告を検討すれば、一年後の最終報告の内容が推定可能であろう。
 会議は松下正寿世界平和教授アカデミー会長、佐藤和男(青山学院大学教授)実行委員長の開会のあいさつに始まり、総合戦略、文明と宗教、安全保障、教育、創造科学、の各セクションにそって進められた。総合戦略のセクションでは松下正寿の「自由民主主義・共産主義・宗教の文明論的考察」を中心に論議された。「共産主義は宗教か。たった一点を除き完全な宗教である。故に自由民主主義との闘争には共産主義が強力であろう。共産主義の欠く『たった一つ』とは何か。愛である」と松下流共産主義観をひとくさりぶっている。
 文明と宗教のセクションではイザヤ・ベンダサンこと山本七平が「日本における受容と排除」と題して報告、例の巧みな概念操作をくりかえす。メインテーマである安全保障部会では自衛隊体験入隊を誇りとする評論家の加瀬英明が「日本と北東アジアの安全保障」、元陸幕長の杉田一次が「国家安全保障の根本について」と題して報告。増大するソ連の脅威とアメリカのアジア離れを懸念、日米安保体制の強化と自衛隊の増強を主張、とくに防衛費を現在のGNP一%以内を三%ぐらいにまで引き上げることを求めている。さらに国防教育の必要、経済安保の確立を訴えている。
 もう一つのメインテーマである教育部会では、平岩紀夫愛知教育大学教授が「日本の安全保障と教育」について報告した。この論文は興味深い内容なので詳しく紹介しよう。
 平岩は、まず韓国の人々の国防意識が非常に高いことを称揚しながら、一方で日本人の国防意識がきわめて低いのを嘆き、何故かを考える。その第一の理由として、国防意識の強調、再軍備は旧軍国主義独裁を復活させるおそれがあるが、「安全保障と国防の意識は現在の日本の自由と平和を守るための国防意識であって、日本を軍国主義国家にすることではない。むしろ日本を共産主義独裁国家とすることをおそれるべきである」と答える。
 第二に、一般国民の政治不信をあげるが、これに対しては、「たとえ現在の日本の保守政治にどのような不満があろうとも、とにかく今の日本の自由と平和は保守政治が維持しているのであり、現在の保守政治に対する不満などは、共産主義独裁政権の鋼鉄の規制をくらうことを思えば一瞬にしてふっとんでしまう」と強弁している。そして日本の安全保障を阻害している第三の理由として、一般国民のエゴイズムをあげる。これに対する答えも、すこぶるユニークである。「安全保障のための再軍備の声を聞けば、軍国主義の復活だとさわぐのも無理からぬことかもしれないが、その弱みにつけこんで、反戦だのファッショ粉砕の掛け声をえさにしておびきよせ、人間の生命にも等しいエゴの自由をイデオロギー絶対主義によって弾圧しながら政権を維持するのが共産主義であり、それがわれわれの日常生活を次第に侵略しつつあることを知らねばならない」。
 さて、具体的に国防教育を浸透させる方法としては、①、小・中・高の教育では最も抵抗の少ない自然なかたちで教育する必要がある。②、大学では必修として国防原理を教育するだけではなく、各大学に国防学部を設置する。③、現在の防衛大学校にはこれら新設の国防学部(大学)の最高頂点として、いわばシンク・タンク的役割を果たさせる。
 そして最後に、「小生の実績を言うならば、短波海外英語放送聴取訓練を大学の授業に組みいれることにより、若干の国際状勢の認識を与えつつ、それとなく暗示的に国防の必要を学生に感じさせるべく努力をしてきた。今後はさらに、全国の市民大学においてもできるだけ国防教育を実践するのも一方法であろう」と結んでいる。
 平岩の所論の結論は、軍学協同体を形成し、戦前の陸大・海大の復活をはかれというものである。この平岩の主張が、NG研究の結論を象徴しているように思われる。すなわち、現代流高度国防国家の建設である。
 
巧みな世論工作
 
 この中間報告会に対して、勝共連合の日刊機関紙である『世界日報』は、七七年一〇月一五日付けの社説「ナショナル・ゴール研究への要望」で、NG研究部会が教育勅語に代わる現代日本の精神的支柱となるべき大文章を作成して、日本国民に、その向かうべき道を示してくれることを希望していることを付記しておく。
 最後に世界平和教授アカデミーの"輝かしい成果"にふれたい。世界平和教授アカデミーの謀略性を象徴する二つのケースである。
 「東南アジアの平和と繁栄を考える市民委員会」と名乗る日本の百人の文化人・学者グループが、七七年七月一七日付けの『ニューヨーク・タイムズ』に一ページ大の意見広告を載せた。カーター大統領あての書簡の体裁をとるこの意見広告は、カーター政権の在韓米軍撤退に反対する趣旨が唱われ、作家の阿川弘之、松下正寿元立教大学総長、村松剛(評論家)ら、一〇〇人の著名文化人が署名している。
 この意見広告より半年前の七七年一月三〇日、三一日の両日、東京で「一九七七年の北東アジアの安全保障を考える——朝鮮半島を中心にして」というシンポジウムが開かれた。主催は「防衛問題懇談会」(代表世話人関野英夫)。この会はなんのことはない、「世界平和教授アカデミーの安全保障部会が便宜的に別団体としてつくった組織」(アカデミー事務局)で、いわばアカデミーの別働隊である。そして『ニューヨーク・タイムズ』への意見広告はこの国際シンポジウムを契機に話ができたのであって、「東アジアの平和と繁栄を考える市民委員会」なる幽霊団体の実体は世界平和教授アカデミーということになる。この辺の事情は『朝日新聞』連載の「新情報戦」、『朝鮮時報』(七七年一〇月一二日付け)が詳しく書いている。
 さらにもう一つ、世界平和教授アカデミーの謀略性をあらわす話がある。
 二月四日付けの『読売新聞』は、「日米安保の改定掲げる——民間シンクタンク十五日準備会」の記事を二面(東京本社版・大阪本社版では一面準トップ扱い)に掲載したが、なんとこの背後には世界平和教授アカデミー—文鮮明コネクションがある。この記事の内容は、八〇年代の総合的な安全保障問題の研究を目的とする民間シンクタンク「日本安全保障研究センター」が日経連の桜田武会長および防衛庁長官経験者である自民党の江崎真澄、三原朝雄の各氏らを発起人として近く発足する。その設立趣意書では、日米安保条約第三次改定の必要性と日本自衛隊の大幅増強を訴えており、折りから防衛論議が活発化しているときであり注目されよう、というもの。統一教会=勝共連合=アカデミーの関係については一行もふれられていない。
 調査した結果わかったことは、①、「日本安全保障研究センター」の設立準備事務局と、前述した防衛問題懇談会事務局は同一の場所にあること。②、同センター設立の真の立役者は外交評論家の加瀬英明と京都産業大学教授の花井等であること。両名とも、平和教授アカデミー会員、NGプロジェクト安全保障部会のメンバーである。③、二月十五日、ホテルオークラ別館でセンター設立準備会、記念講演会が開かれたが、これには、スタンフォード大学戦略研究所フォスター所長、ドーナン教授、元在韓米軍司令官スティウェル将軍が招かれた。スタンフォード大のスタッフは、前述の防衛問題懇談会シンポジウムの参加者でもある。またスティウェル将軍は、七七年六月のスタンフォード大戦略研究所の「北東アジアの安全を考える」シンポジウムで講演している。
 余談になるが、二月十六日から第三〇回市民講座が開かれる。会場は船舶振興会ビル。事務局は千代田区永田町のTBRビル。国際文化財団のあるところである。電話をしてみる。受話器をとっても、こちらから話すまではむこうから名乗らない。こちらが「市民大学事務局ですか」と聞けば、そうだ、と答えるし、また「国際文化財団ですか」というと「ハイ、そうです」と答える。「では市民大学講座と国際文化財団は同じなのですか」と聞くと、「違います」と答えるからおもしろい。
 もう一つの余談。国際文化財団、市民大学講座が入居しているTBRビルは、東京ヒルトンホテルのすぐ脇にあるが、同ビルには、日韓議員連盟、日韓親善協会全国連合会、青嵐会の某代議士事務所、大韓旅行公社が入居しており、さながら日韓癒着団体の貸し切りビルの観がある。また世界平和教授アカデミーはもう一つの紀尾井町TBRビル内にあり、同じビルに「福田事務所」がある。
 昨年一一月一九日、KCIAの対米秘密工作を執拗に追及・暴露してきた米下院フレーザー委員会の公聴会で、KCIA暗躍の動かぬ証拠として「一九七六年度KCIA対米工作秘密計画書」が公にされた。この秘密計画書の中で見落としてはならないのは、秘密工作は議会や政府スタッフにだけ向けられたのではなく、言論界・学界・宗教界まで対象にされている点である。
 KCIAの対米工作は、李在鉉元在米韓国公報館長が証言したように、日本で成功した方法が下敷きになっている。残念ながら日本にはフレーザー委員会がない。それどころか、政府・自民党・警察が一体となってKCIAの活動を助けている。
 KCIAと統一教会—文鮮明コネクションが密接不可分の関係であることは論ずるまでもない。冒頭で述べたように、統一教会=勝共連合は百面相である。世界平和教授アカデミーもこの百面相の中の一つである。その正体について、不十分ながら明らかにしてきたつもりである。それにしても、どうしても理解できないことは、千余名の多数の学者がアカデミーに入会していることである。いくら世間知らずの学者バカとはいえ、この点だけは筆者の理解を超える。
「今日のような世界的危機にはニセ救世主、ニセ予言者が現われ、世人を惑わすのが通例である」(世界平和教授アカデミー創立趣旨文から)
 その通り。ニセ救世主とは、ほかならぬ現代のラスプーチンこと文鮮明である。ニセ学者とは、勝共連合御用達の諸先生である。
 
 
⭐︎世界平和教授アカデミー役員名簿
会長
 松下正寿(元立教大学総長)
本部理事
◯安芸皎一(関東学院大学教授)
◯入江通雅(京都産業大学教授)
◯宇野精一(尚絅大学学長)
◯大石泰彦(東京大学教授)
 奥原唯弘(近畿大学教授)
◯加瀬英明(評論家)
 嘉村祐一(青山学院大学教授)
 川西誠(日本大学教授)
◯気賀健三(成城大学教授)
 福田俊夫(日本大学教授)
 坂田善三郎(独協大学教授)
 坂田亮(慶應義塾大学教授)
◯佐藤和男(青山学院大学教授)
 関野英夫(軍事評論家)
◯田中直吉(東海大学教授)
 鳥羽欽一郎(早稲田大学教授)
 中屋健一(成蹊大学教授)
 丹羽春喜(京都産業大学教授)
◯野間繁(日本学術会議常任委員長)
 弘津恭輔(総合研究所研究員)
 房村信雄(早稲田大学教授)
 藤田豊(東京電機大学教授)
◯古川哲史(亜細亜大学教授)
 松本達治(京都産業大学教授)
 三諸信吾(高崎経済大学教授)
 本山博(宗教心理学研究所所長)
 矢島鈞次(東京工業大学教授)
監事
 緒方浩(緒方法律事務所所長)
 黒沢清(前独協大学学長)
参与
 赤堀四郎(大阪大学名誉教授)
 荒木俊馬(京都産業大学総長)
 石川六郎(鹿島建設副社長)
 石館守三(日本薬剤師会会長)
 糸川英夫(組織工学研究所所長)
 牛場信彦(元駐米大使)
 金子泰蔵(国際商科大学学長)
 金山政英(国際関係共同研究所所長)
 神川彦松(東京大学名誉教授)
 木内信胤(世界経済調査会理事長)
 桑原寿二(総合研究所中国研究部長)
 香坂要三郎(大阪大学名誉教授)
 郷司浩平(日本生産性本部会長)
 近藤道生(博報堂社長)
 斉藤英四郎(新日本製鉄副社長)
 桜田武(日経連会長・日清紡相談役)
 ジェイムズ・スチュアート(アジア財団日本代表)
 坪内嘉雄(ダイヤモンド社社長)
 中島正樹(三菱総合研究所社長)
 西谷啓治(京都大学名誉教授)
 松崎芳伸(日経連専務理事)
 三鬼陽之助(経済評論家)
 三輪知雄(前筑波大学学長)
 村井順(日本国際問題研究所常務理事)
 湯浅八郎(国際基督教大学名誉総長・理事長)

地区参与

▽札幌=岩沢靖(札幌大学理事長)、川村秀雄(北海タイムス会長)、丹羽貴知蔵(前北海道大学学長)、佐藤貢(北海道経営者協会会長)

▽仙台=大久保道舟(東北福祉大学学長)、吉田賢抗(東北大学名誉教授)、水野為武(東北大学名誉教授)

▽名古屋=桑原幹根(前愛知県知事)

▽金沢=高瀬武平(金沢大学名誉教授)

▽福井=金井兼造(金井学園理事長)

地区幹事

▽札幌=神原富民(北海道大学教授)

▽仙台=岡田克己(東北大学助教授)、上田宏(東北学院大学教授)、曾根清秀(宮城教育大学教授)

▽前橋=野中義夫(足利工業大学教授)

▽関西=岡本幸治(大阪府立大学教授)、笠原正明(神戸外国語大学教授)、大鹿譲(大阪工業大学教授)

▽高知=山崎重明(高知大学名誉教授)

▽福岡=末松慶和(元中村学園大学教授)

▽長崎=久保為久磨(長崎大学教授)

▽鹿児島=川井修治(鹿児島大学教授)

注一 会長・理事・監事は「世界平和教授アカデミー・ごあんない」から、参与・地区参与・地区幹事は、七六年一二月発行(推定)のパンフから。現在変更あり。

注二 理事の項◯印は常任理事。

注三 会員名は、「迷惑がかかるから」とのことで非公表。七四年結成時の名簿は、茶本繁正編『原理運動の研究』資料編1に収録されている。

安倍元総理銃撃で浮かび上がった自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係。
北海道にも旧統一教会の政治団体、国際勝共連合北海道本部が存在する。
そして道内の自民党議員も、SNSなどで旧統一教会の会合に参加するなど関係は深いようだ。
また政治資金収支報告書を読み返すと、旧統一教会の関連団体である世界平和連合北海道連合会が、2015年度に開かれた「高木宏壽政経セミナー」で、主催者である高木氏の政党支部=自由民主党北海道第三選挙区支部に対して25万円を寄付しているのが確認できる。
 
さらに調べていくと大変興味深い記事を発見した。
「月刊社会党」1978年7月号に掲載された、ルポライターの佐藤達也氏の文章だ。
驚くべきは、44年も前から旧統一教会と自民党はこれほど近い関係にあり、多くの国民はそれを知らずに自民党政権下を生きてきたということだ。
 
以下、その全文を掲載する。
今こそ多くの人が知るべき内容だ。
 
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国際勝共連合と自民党の人脈

佐藤達也
 
はじめに
 
 君が代の復活、弁護人抜き裁判、自衛隊の歯止めなき膨張などにみられるように、日本の右傾化、ファッショ化への動きが急ピッチで進行している。福田自民党政権はますますその本性であるタカ派的志向を強め、憲法の骨抜き、自衛隊の強化、非常時立法の制定を推し進めている。
 このような"プレ・ファシズム"ともいうべき、政治状況の中で、国際勝共連合(以下略称、勝共連合)の派手な立ち回りがやたら目につく。
 周知のように、勝共連合は狂信的な反共主義を看板にする統一教会傘下の政治組織である。この韓国人文鮮明を教祖と仰ぐエセ宗教団体は、違法な募金活動や"洗脳"と呼ばれる悪質な信者獲得法世論の糾弾を浴びているばかりではなく、韓国中央情報部(KCIA)との密着関係が米議会の調査で明らかになっている。近年彼らは、危機に瀕している自民党政権、財界の手厚い保護を受け、ファシズム諸勢力の中核部隊となって数々の反共謀略活動を行なってきており、その動員力、資金力はもはや軽視できないところにきている。
 
結成十年を迎える勝共連合
 
 勝共連合が発足したのは七〇年安保を二年後にひかえた一九六八年四月である。勝共連合結成のねらいは、一つは目前に迫った革新陣営の七〇年安保闘争にそなえるためであり、さらには、韓国朴政権の意向を受けて、日本の中の反共親韓派陣営を堅めるためであった。
 結成十ヶ月前の六七年六月来日した文鮮明教祖は、山梨県本栖湖畔のモーターボート協会施設で右翼陣営の大物たち——笹川良一、児玉誉士夫(代理白井恭雄)、市倉徳三郎等——と密談した。この会議では「アジア反共連盟」の結成準備が話合われたが日本の右翼陣営の不一致により実現しなかった。しかしこの本栖湖会談の精神を受けついで、翌年、会長久保木修己(日本統一協会会長)、名誉会長笹川良一の体制で勝共連合が結成された。
 以後、勝共連合は街頭で、大学キャンパス内で憑かれたように反共反革新の一大キャンペーンをくりかえしてきた。七〇年九月には、東京の日本武道館で二万数千名を動員してのWACL(世界反共連盟)世界大会の開催、翌七一年には、ニューヨーク国連ビル前で中国国連加盟反対の三日間断食、そして七二年九月には台湾擁護の国民集会開催、七二年には米国ワシントンで、ウォーターゲート事件発覚で危機に陥ったニクソン大統領支持デモを決行、さらに七四年には文世光事件を機に朝鮮総連糾弾の大キャンペーンを展開。
 七五年五月の東京都知事選では石原慎太郎候補の選挙運動への全面的肩入れ、七六〜七七年には全国主要都市で勝共救国大会を開催、反ソ・日中条約反対キャンペーンを大々的に行なった。今年に入ってからも、先日行なわれた京都知事選では、林田候補の選挙運動部隊として京都で大々的な反革新謀略宣伝を展開した。その後沖縄、横浜等選挙の度毎に彼らの白いハチマキ、「思想新聞」ののぼり旗を持って絶叫している姿が見られた。
 勝共連合のパンフレットによると、これまでの実績は七三年末までで、幹部研修一万六千人、各種セミナー約一三万人、学者文化人四三五人、議員研修会四八二人、会社労組約五二〇〇人(四〇〇社)の参加者、街頭講義は約七一万回に達すると誇らしげに報告している。(勝共連合発行「救国への活動」)
 この"実績"が実ったのか、今年元日号の「思想新聞」(勝共連合機関紙)には約千名近い名刺広告が掲載された。この中には現職の農林大臣である中川一郎氏、大蔵大臣の村山達雄氏をはじめとして、衆参合わせて三一人の自民党国会議員が名をつらねている。他に地方自治体の首長として、田本憲吾帯広市長、向江昇泉佐野市長、河野通重徳山市長、脇屋長可別府市長、中内力高知県知事、青木義男下田市長の名前が見られる。自民党県連、支部名で広告も載せられており、自民党下部にまで勝共連合が浸透していることがよくわかる。
 自主憲法制定運動、建国記念日奉祝、北方領土返還運動、日中条約反対運動‥‥およそ「反共」とつながる運動全部になんらかの形で勝共連合の姿をみることができるが、特に彼らが異常な執念を持って取り組んでいるのは反朝鮮民主主義人民共和国——朝鮮総連に対する謀略活動である。彼らは朴独裁政権を賛美するとともに、ありもしない「北」の脅威を宣伝し日朝友好運動に敵対してきている。東京・小平の朝鮮大学校の認可取消し運動、日本人妻自由往来運動を組織したのはほかならぬ勝共連合である。
 この一方で親韓親朴の世論工作に全力を挙げて取組んでおり、数次の訪韓団を派遣している。各地方自治体単位につくられた日韓親善協会に果す勝共連合の役割も少なくない。久保木修己勝共連合会長は、石原慎太郎参院議員と並んで東京日韓親善協会の理事に就任、この四月一日、東京・帝国ホテルで「国際勝共連合創立十周年記念祝賀会」が行なわれた。そこでは、内外の批判にもかかわらず渡辺美智雄前厚相、堀江正夫参院議員、源田実参院議員、春日一幸前民社党委員長が出席し、さらに、会場には竹下登、玉置和郎、石原慎太郎代議士らの花輪が飾られ、いやがうえにも勝共連合と自民党との"一体感"を盛り上げていたという。
 彼らの反共一筋の十年間の歴史は、六五年日韓条約締結以降の日韓権力者層の黒いゆ着の歴史、政治、経済、軍事にわたる「日韓運命共同体化」の歩みに奇しくもピッタリと一致している。
 
宗・政・経三位一体の文鮮明コネクション
 
 勝共連合の実態を述べる場合注意すべき点は、この団体が宗教・政治・経済にまたがる統一教会=文鮮明一派の一大コングロマリット(複合体)の一構成部分にすぎないという点である。勝共連合=統一教会は実にさまざまな「顔」を持っており、二〇面相どころか百面相である。これらは統一教会を中心にして一つの有機体を形づくっている。
 まず母体である統一教会から述べよう。統一教会(正式名称・世界基督教統一神霊協会)は、一九五四年五月、韓国ソウルで文鮮明教祖によって創立された。日本には五八年に崔奉春(日本名・西川勝)が密入国して来、伝道を始めたのを起点に、六四年七月に宗教法人の資格を得た。現在世界各国に同名の教会が設立されており、その教勢は公称世界百二十ヵ国、信者数二百万に及ぶと豪語している。各国別の信者の内訳は、韓国三八万人、米国三〇万人、日本二六万という。学生組織として全国大学原理研究会があり、百二〇大学、約五千人の会員、動員力一万五千人というが実態は二千名程度である。日本統一協会の会長はかつて立正佼成会庭野日敬会長秘書であった久保木修己である。
 統一教会の教義の最大の特徴は徹底した反共思想にある。聖典である「原理講論」では、「共産主義国はサタンの国」であり、第三次世界大戦——「サタンとの世界最終戦争」が雄雄しく描かれている。このファナチックな反共主義が韓国朴独裁政権と文鮮明教団を結びつけ、さらには日本・米国での反共右翼陣営に連なる要素となっている。統一教会とKCIAの密接な関係について再述する必要はない。ただ次の資料だけ紹介しておきたい。
★統一教会文化局発行「成約周報」第五六号(六六年二月発行)
「国内(注=韓国)における私たちの活躍は、国家的に段々公認するようになり、三八度線の第一線地域である江原道では、統一教会の原理は反共思想と救国対策の絶対唯一なる理念であることを同知事以下情報部の有力な支持を受けて公文により全道民にこの理念を普及するに至り(中略)、今中央情報部でも非常に関心が深く遠からず政府自らこの原理を受け入れ全国家的活躍に進展するものと確信しております」
 
 政治団体である国際勝共連合は機関紙(誌)としては月刊誌である「世界思想」、旬刊紙として「思想新聞」を定期発行しており、自民党国会議員の中で愛読されている。この組織は、建前として「統一教会は宗教法人であり、国際勝共連合は、政治資金法にも規制される政治団体であり、統一教会とは別個の団体」とされているが、人的、資金面からは、統一教会と全く重複する。久保木修己が両方の会長を兼ねるだけでなく、梶栗玄太郎事務総長を始めとする主要役員は、大半が統一教会幹部によって占められている。自治省調べによると、七四年上半期には統一教会から勝共連合に二千三百余万円が寄付されているが、同期の寄付総計が二千六百余万円であるから、資金面でも統一教会の比重の大きさがうかがえる。
 「キリストの再臨」を自称する文鮮明師は、一方で非常に商売、金もうけにも熱心である。統一教会=勝共連合は、その傘下に資金源として多くの関連事業会社を有している。その中には、統一産業のように信者の募金、押し売り用の物品を製造販売している会社から韓国にある同じような統一教会系会社から人参茶を輸入している幸世商事、不動産、旅行代理店、自然食品の販売店まである。さらには全国で二五店の銃砲店を経営しており、仙台ではエア・ライフルの射撃場まで経営している。
 統一教会=勝共連合が近年とみに力を入れているのは、対学界・文化人工作である。この目的のために国際文化財団と世界平和教授アカデミーと二つの団体が組織されている。国際文化財団(理事長久保木修己)は、同名のものがニューヨークにもあり、統一教会が開催する各種国際学術会議を後援することを目的としている。
 後者は七四年九月、東京で、親韓派学者・文化人によって設立された。会長は松下正寿元立教大学総長。元民社党参院議員であり都知事選(六六年)にも出馬した人物である。世界平和教授アカデミーは設立当初一七〇余名であった会員が現在では千名を越えるまでに急成長を遂げており、中心メンバーには自民党各派の顧問に名をつらねている人物も少なくない。例えば、福田信之(筑波大学副学長)、入江通雅(京都産業大学教授)、気賀健三(成城大学教授)、佐藤和男(青山学院大学教授)、丹羽春喜(京都産業大学教授)の五氏は、自民党田中派の「新総合政策研究会」の顧問団七名の中に入っている。
 さらに、同アカデミーの〈参与〉には桜田武日経連会長、石川六郎鹿島建設社長、郷司浩平日本生産性本部会長を頂点とする財界人が顔を並べているほか、村井須初代内閣調査室長、ジェイムズ・スチュアートアジア財団日本代表、金山政英国際関係共同研究所所長(元駐韓大使)など日米韓の秘密情報機関にリンケージする人物が勢揃いしている
 この世界平和教授アカデミーが、来る七月二三〜二八日、「太平洋時代——一九八〇年代への課題」をメイン・テーマとした国際会議を日本で主催する。この会議には日本人学者の他、米・韓・台さらにアジア・アフリカ・中南米にまたがる一八ヵ国四〇人の外国人学者の参加が予定されている。
 以上取上げたのは、宗政経にわたる文鮮明コネクションを構成する主要な諸組織、団体であり、これ以外にも数多くのフロント機関がある。これらは独立した機関を装いながら、巧みに「顔」を使いわけ、日本の政財界、学界の中に浸透していっている。そして残念ながら、日本ではその実態がまだ解明されていないばかりではなく、自民党政権の手厚い庇護を受けている。
 知られているように、米国内では、KCIAの対米議会工作に統一教会が加担していること、文鮮明自身がKCIAの工作員であることが暴露され、司法・税務当局による取調べが始められている。米国での、統一教会=KCIAブロックによる秘密工作活動は日本におけるKCIAと対日工作の成果を下に米国で行なわれたと言われる。そしてまた実際に米国での統一教会の活動は、宣教の名目で米国へ派遣された日本人教会員によって担われている。工作資金も外交ルートを経由して、日本で統一教会が不法に集めた多額の募金(一説にはその額は四三〇億円に達すると言われる)による所大である。統一教会=勝共連合にとって日本は"天国"であるにちがいない。
 
自民党政権の手厚い庇護
 
 発足当初から"ロッキード隠し""日韓ゆ着隠し"内閣と言われた福田政権は、歴代自民党政権の中でも一番積極的に勝共連合を利用しようとしている。
 自民党と勝共連合の親密な関係は七〇年頃にまでさかのぼることができる。
 七〇年五月十一日、東京の立正佼成会普門館において勝共連合主導でWACL(世界反共連盟)躍進国民大会が持たれた。この反共集会には佐藤首相、岸元首相、川島自民党副総裁、福田蔵相、春日一幸民社党議員(いずれも当時)が花輪を寄贈、福田蔵相はわざわざメッセージまで寄せている。
 また同年九月武道館で「さながら国民精神総動員の前夜」(朝日ジャーナル)と評せられた第四回WACL世界大会では、岸信介元首相が大会推進委員長をつとめ、川島正次郎、石井光次郎、青木一男、千葉三郎、賀屋興宣氏ら当時の実力者がほとんど顧問として名を連ねた。
 勝共連合発行のパンフレット「勝共の歩み——救国への活動」には次のような"評価"が掲載されている。
勝共連合の諸君のあふれる様な情熱と実行力とに本当に心を打たれた。その力を次の世代までも存続していくには若い勢力が中心とならなければならない」‥‥岸信介(七〇年八月十一日、勝共本部)
「政党が滅んでも自由社会が滅ぼされることは許されない。‥‥私は勝共青年の目の中にその信仰を見、新しい日本、アジア、世界の未来が開けているのを見る。勝共青年に期待する」‥‥橋本登美三郎(七三年七月二日、勝共本部)
「日本に最も欠けているものは精神的なものである。青年がすべて勝共の皆さんのようになりさえすれば、日本の未来は決して暗いものではない」‥‥福田赳夫(七三年十月十八日、神戸勝共本部)
 福田首相と統一教会のただならない関係についてはよく次の話が持ち出される。当時大蔵大臣であった氏は、七四年五月、東京・帝国ホテルで日本の政界、学界の著名人千数百名が招待された「希望の日晩餐会」に出席し、「アジアに偉大な指導者あらわる。その名は文鮮明。‥‥今日は文先生と席を同じくし、またご高邁なるご教示にあずかりまして、本当に今日はいい晩だなあと、気が晴ればれしました」と最大級のお世辞を述べ、壇上で文鮮明師と抱き合ってみせたのである。
 なおこの日の「希望の日晩餐会」の名誉実行委員長は岸信介元首相。出席者には倉石忠雄、園田直、千葉三郎、西村英一、安井謙、木内四郎、源田実ら二十六名の衆・参院の自民党議員が名を連ねている。
 さらに先の国会(四月三日の参院予算委)で福田首相は、米議会の調査活動でKCIAと統一教会、勝共連合が一体となって活動していることが指摘されているにもかかわらず、「反共では共通」と強弁し、「勝共連合が反共を旗印にしている点に着目して、自民党が協力的関係を持っていたのは事実だ。勝共連合が悪いことをしていたというなら反省するが、KCIAとの関係については知らない」と答弁、今後も協力関係を維持することを公言した。
 自民党が内外の激しい批判にもかかわらず、勝共連合を庇護するのは相互の利益が共通するからである。選挙の際、独自の青年組織を持たない自民党にとって勝共連合は献身的に動いてくれる運動員である。
 統一教会=勝共連合の会員の約六割は二〇代の青年によって占められている。彼らは選挙のたびごとに自民党候補の熱心な運動員として活躍するまた革新陣営の労働運動や大衆運動に対抗する組織としても自民党にとっては貴重な存在である。逆に勝共連合側にとっては、自民党有力者をバックに持つことによって社会的信用を得ることができる。
 選挙をめぐっての勝共連合と自民党の「二人三脚」ぶりは、七六年に開かれた「希望の日晩餐会」での石原慎太郎前環境庁長官の発言が如実に示している。席上、石原元大臣は、七五年の東京都知事選での勝共連合の支援を感謝して「敬愛する久保木先生‥‥私は同志として選挙運動を助けてもらいましたが、こんなにも立派な青年たちがいまの日本にいるのかと思いました」とあいさつしたほどである。
 
ファシズムの突撃隊=勝共連合
 
 国際勝共連合の政治目的は、その名称通り「共産主義を克服する」ことにある。そして「反共」よりもいっそう語義の強い「勝共」をうたう狂信的な団体である。彼らのねらいは日本を韓国朴独裁政権と同様なファシズム体制国家にしようとすることである。彼らは機関紙「思想新聞」紙上でくり返し、「憲法改正、日米安保体制強化、戦時非常体制の確立」を主張し、更には、早期の核武装、小選挙区制の実現、治安維持法の復活などを提案さえしている。
 近年、勝共連合は、その豊富な資金と動員力を買われてか旧来の右翼戦線との連携を強めつつある。勝共連合と密接な関係がある右翼陣営の主な団体名を紹介すると、
 生長の家政治連盟、神道政治連盟、神社庁、軍恩連盟、郷友連盟遺族連合会、新日本協議会、隊友会
 以上の他、日本の新しい世代の会(石原慎太郎会長)、大道会(松下正寿総裁)、大義塾‥‥特に目立つのは勝共連合と生長の家との接近である。統一教会の傘下組織の一つである救国連盟(総裁久保木修己)は両者の連合組織だといわれるし、七六年十一月十日の天皇在位五〇年を祝う青年集会は共催の形をとった。大学内でも両者の学生組織、原理研と生長の家学生連合=友憲学連は共同歩調をとっている。また勝共連合へ多大なる援助の手をさしのべている玉置和郎自民党参院議員は、生長の家の宗教票をバックに全国区で高位当選をはたしている。
 勝共連合が軍服姿、日ノ丸掲げて軍歌を流して喜々としている旧来の右翼と違う最大の点は、大衆宣伝活動が実に巧妙なことである。
 昨年七月「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された日本人学者、文化人による「在韓米軍撤退反対」の意見広告は、勝共連合——世界平和教授アカデミーが画策したものである。そして現在勝共連合は五〇億という巨額な出所不明の資金で、米日韓合作の反共映画「仁川」の製作を企画している。さらにもっと長期的なマスコミ戦略として、彼らは七五年には日刊新聞である「世界日報」の発行を始めた。この新聞のスタイルは全く一般紙と同じであり、よほど注意深い読者でなければ、これが統一教会=勝共連合と関係があるとは考えられないだろう。
 確かに統一教会=勝共連合は韓国生れの謀略組織でありKCIAの別働隊でもある。しかし今や彼らは、日本の政財界層に食い込み、自民党の手先、ファシズムの突撃隊になっていることを見落してはならない。勝共連合は日本ファッショ化の方向を示す風見鶏である。
 
(さとう・たつや 政治評論家)
 
統一教会=勝共連合の歩み
1954年5月 統一教会創立(韓国・ソウル 教祖文鮮明)
1958年6月 崔奉春(西川勝)密入国、日本での伝道開始
1964年7月 日本統一教会宗教法人化
1964年9月 全国大学原理研究会設立
1968年1月 韓国国際勝共連合設立
1968年4月 国際勝共連合結成(日本)
1969年11月 アジアキリスト教反共大会
1969年11月 アジア学生勝共大学
1970年5月 WACL(世界反共連盟)躍進、国民大会(立正佼成会普門館、13ヵ国代表、6千名)
1970年9月 WACL世界大会(日本武道館2万数千名)
1970年12月 全国各地で在日韓国人の国籍書き換えに対する"革新首長糾弾国民大会"
1971年5月 中共承認反対一週間断食国民集会(全国で3千名)
1972年4月 世界勝共大会(日比谷公会堂3千名)
1972年9月 日華平和条約擁護国民集会
1973年5月 自主憲法制定国民大会に参加
1973年6月 全国で「救国の予言」久保木修己講演会開催
1973年11月 米国でニクソン支援デモ
1974年8月 文世光事件を機に朝鮮総連糾弾キャンペーンを展開
1975年5月 東京都知事選で美濃部打倒、朝大認可取消しキャンペーンを展開
1976年1月 全国津々浦々で時局講演会、議員セミナー等を通じて全国民勝共思想武装化を進める
1976年9月 米国で「ゴッド・ブレス・アメリカ」ワシントン大会を開催
1977年4月 北方領土奪還、対ソ国民大会を開催
全国で「氷雪の門」の自主上映、日中条約反対キャンペーンを展開
1978年5月 国際勝共連合結成10周年祝賀会
 

政治結社国士会
設立届出:平成28年9月1日
代表者:田中 義一
会計責任者:白幡 武
主たる事務所:札幌市豊平区美園4条1-1-3