前回の記事で、世界平和教授アカデミーの”中の人”と表現した谷口博氏。

北大名誉教授まで勤め、叙勲まで受けている人物だが、新たな事実がわかった。

 

以下は、「人づくり、家庭づくり、国づくり」国民運動推進委員会が2012年9月20日に発行したニュースレターの記事だ。

 

 8月9日、高く澄み渡った青空のもと、札幌市大通公園で150名の中高生を中心に「PureLove2012 in 北海道」を開催しました。ラリーでは、最初に谷口博北海道平和大使協議会議長から「このように若い人たちが純潔の重要性を訴えていることに非常に感動しました。その思いをいつまでも持ち続け、立派な家庭を作っていって欲しい」と激励の言葉を頂きました。その後、公園内4ヵ所に分かれて純潔の大切さを全員でアピールし、ラリーの最後には、全員で「ピュアラブ宣言」をし、大通公園周辺のデモ行進に出発しました。

 

「人づくり、家庭づくり、国づくり」とは、旧統一教会の関連団体「平和大使協議会」が進める運動。

この運動の機関誌に、谷口氏が北海道平和大使協議会議長として登場しているのだ。

 

谷口氏は世界平和教授アカデミーにとどまらず、別の統一教会関係団体でも活動していたわけである。

しかも北海道支部の議長という要職だ。

 

平和大使協議会のホームページには、他にも谷口氏が登場する。

2014年10月21日付の記事で、こちらは谷口氏の件というよりも今後の統一教会の活動の方向性を知るうえでも大変重要な内容だ。

 

 10月11日、北海道人格教育協議会が発足し、札幌市内の会場で発足式が開催されました。

 「人格教育の研鑽と普及に努め、教育再生の柱となり、国家と世界に貢献する人材育成に役立つ事業を模索し展開する」ことを目的に発足した同協議会は、これまで10年間、谷口博・北海道平和大使協議会会長(北海道大学名誉教授)をはじめ、教職者など教育関係者を中心に懇話会を続けてきた内容を発展させたものです。

 発足式では、会長に山谷敬三郎・北翔大学学長補佐、副会長に加藤隆・名寄市立大学教授の就任が発表されました。

 来賓として参加した国会議員の祝辞に続き、矢吹恭一・平和学術フォーラム北海道顧問が激励の言葉を述べました。その後、堀展賢・世界平和教授アカデミー事務総長(平和学術フォーラム常任顧問)が「日本創造は霊性人格教育から」と題して記念講演を行いました。また、山谷会長が「人格教育の意義と課題」と題して講演を行いました。

 発足式前には、役員会、総会が開催され、役員と定款が全会一致で了承されました。

 

人格教育という聞きなれない言葉が使われているが、これが北海道における今後の統一教会の活動のキーワードになってくる。

それについては今後書いていくが、谷口氏はこの人格教育の研鑽と普及に10年間関わってきたという。

その後、谷口氏は2016年に北海道平和大使協議会を離れるのだが、なんと世界平和統一家庭連合=旧統一教会の徳野会長(当時)から感謝状を授与されている。

以下は、世界平和統一家庭連合広報局発行の「VISION2020 日本統一運動 News Letter」2016年10月15日号の記事だ。

 

 10月8日、札幌市内のホールで「救国救世北海道大会」が開催され、各界で活躍する指導者や新規の参加者を含め多くの人々が集まり、開錠の650席が満員となる大盛況となりました。
 式前公演では、女性グループ「シグナル」が1曲、聖歌隊「ノース・ヒル・クワイア」が2曲を披露し、美しい歌声で会場の雰囲気を整えました。
 大会は、司会の矢吹恭一・北海道平和大使協議会事務局長の開会宣言の後、安田公保共同議長が主催者挨拶。

 次に、徳野英治・平和大使協議会会長が、このたび退任する北海道平和大使協議会の谷口博議長(北海道大学名誉教授)に感謝状を授与。引き続き、新議長に委嘱状が授与され、新旧の交代式がありました。

 来賓挨拶と祝電披露に続き、盛大な拍手に迎えられて徳野会長が登壇、記念講演を行いました。
 徳野会長は、少子高齢化・人口減少問題や家庭の愛情機能崩壊、伝統的結婚の危機、東アジアの安全保障問題など、現在の日本が抱える様々な問題を指摘。その上で、日韓トンネルを中心とする環日本海経済圏構想など、それらの問題を克服し、躍動する日本の国づくり、世界平和実現に貢献する希望ある日本の未来を築く夢とビジョンを力強く提示しました。
 大会は最後に、地元議員のリードで万歳三唱を行って閉会。新しい北海道平和大使協議会の門出となりました。

 

ここまでくるともはや谷口氏は統一教会の”中の人”という印象が強い。

谷口氏はこのほか、「アカデミー・フォーラム懇談会」というイベントも、代表世話人として定期的に開催している。

前回記事に掲載した、世界平和教授アカデミー北海道支局が開催していたアカデミー・フォーラムを、谷口氏が引き継ぐ形になったようだ。

統一教会色が抜けたのかと思いきや、そんなことはなかった。

以下は、新聞記事等で確認できた懇談会の概要だ。

 

2005年4月 テーマ:千島列島、サハリンの自然とその保護―北海道大学総合博物館の魅力、昆虫研究― 講師:大原昌宏(北大助教授)

2009年5月19日 テーマ:ハイブリッドロケット開発と地域活性化 講師:永田晴紀(北大大学院工学研究院教授)

2015年4月25日 テーマ:温泉と自然が生み出す健康づくり 講師:大塚吉則(北大大学院教育学研究院教授)

2015年6月27日 テーマ:北海道大学建学の精神と北海道の未来 講師:佐伯浩(寒地港湾技術研究センター代表理事会長、前北大総長)

2016年6月25日 テーマ:北海道の宇宙産業 講師:永田晴紀(北大大学院工学研究院教授)

2016年8月27日 テーマ:北海道の人口減少対策と地方創生 講師:原俊彦(札幌市立大教授)

2016年9月24日 テーマ:ヘルスツーリズム 講師:大塚吉則(北大大学院教育学研究院教授)

2017年1月28日 テーマ:北海道の人口減少とコンパクトシティー 講師:瀬戸口剛(北大大学院工学研究院)

2017年4月22日 テーマ:人口減少と北海道の未来 講師:丹保憲仁(道立総合研究機構理事長)

2017年6月10日 テーマ:北朝鮮におけるミサイル開発の経緯と動向 講師:永田晴紀(北大大学院工学研究院教授)

2018年3月14日 テーマ:人口減少が進む交通・運輸の未来を考える 講師:石井吉春(北大公共政策大学院特任教授)

2019年7月27日 テーマ:植生回復の課題―有珠山噴火後40年間の植生変化から学ぶ― 講師:露崎史朗(北大大学院地球環境科学研究院環境科学院教授)

2020年8月1日 テーマ:アジアの海洋環境保全を考える 講師:藤井賢彦(北大地球環境科学研究科准教授)

 

以上は懇談会のほんの一部なのだが、この中にある2017年6月10日の懇談会が物議をかもした。

講師として登壇した永田氏が、懇談会の共催団体や後援団体などが記載された画像を投稿したのだ。

 

 

画像からは以下のように読み取れる。

 

主催:アカデミーフォーラム懇談会

共催:北海道平和大使協議会、世界平和連合北海道連合会

後援:高木宏壽後援会事務所、中川ゆうこ後援会事務所

 

懇談会を統一教会関係団体が共催し、高木宏壽氏と中川郁子氏の後援会事務所が後援していたことが発覚したのだ。

この件をやや日刊カルト新聞が取り上げ、多くのネット民の知るところとなった。

 

アカデミー・フォーラム懇談会が、毎回統一教会関連団体の共催だったのかどうかは判然としない。

ただ世界日報とビューポイントは、元北大総長の佐伯氏が講演した2015年6月27日の回などを記事にしている。

 

さて話を、平和大使協議会ホームページ掲載の2014年10月21日付の記事に戻す。

北海道人格教育協議会発足について、「これまで10年間、谷口博・北海道平和大使協議会会長(北海道大学名誉教授)をはじめ、教職者など教育関係者を中心に懇話会を続けてきた内容を発展させたものです」との一文がある。

これは一体何なのか。

調べていくと、ここでも世界平和教授アカデミー北海道支局の人脈が関わっていることがわかった。