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知的の特別支援学校に勤めていました。高等部が長く、進路に関わってきました。お役に立てるような経験をお話していけたらなと思っています。

数学 電卓技能検定

 

〇特別支援学校高等部普通科

1年生の企業志望クラスの数学を担当した時のお話です。

 

50分の内、前半は電卓技能検定の練習をしました。

検定は

・5、6、7級

・3,4級

・1,2級

・各段

となっています。

 

 

1年生8人の中にA君がいました。

A君・・・・・知的障害、軽度、性格は真面目に学習するし、素直でとてもいい子でした。

私が企業の人事なら、ほしい人材です。しかし、彼には一つ問題がありました。

何に対しても、自信がないのです。

 

 

電卓の打ち方というものは、性格がとてもでてきます。

我が強い子は習ったことより、自分流で打ちたくなるものです。

A君は反対で、スピードは速くはありませんでしたが、素直に教わった通りに行うので、

無駄が少なく、丁寧なので正確性もありました。

 

私が

「とてもいいね。正確性抜群だよ」というと、

彼は自信なさそうに「そうですか。」(でも自信ありません)

と答えます。不思議なくらい自信がありませんでした。

 

これは、彼が小学校普通級→途中支援級に転籍、中学校支援級と

たどってきた道のりに自信がつくことより、

失うことがあったことを示しています。

 

 

〇5、6、7級に合格したが、自信がないA君

 

A君は練習をはじめて、着実に伸びていきました。

7ケ月目に567級の5級に合格しました。

 

さすがのA君もうれしそうでしたが、

「よくがんばったね」と声をかけると

「なんとか合格できて良かったです」

と答えていました。

その答えにやれきばできるという実感が少ないなと感じました。

 

 

 

〇A君は8ケ月目から3、4級の練習始める

 

3級の基準は、3から6ケタくらいの数の加減を15回計算して、

答えの記入まで1問約35秒のレベルです。

各段に難しくなります。

 

つまり、正確性とスピードが要求されるわけです。

 

12,509    この数字を心の中で読まずに、模様として一瞬みて記憶し、

電卓に打ち込めるのがベストです。

読んでしまうと、時間がかかるからです。

そのために「32,509 」を一瞬でみせて隠し、電卓に打ち込む練習をしたりします。

 

A君は4桁まではなんとか読み取れましたが、

それ以上は苦手でなかなか早く計算ができませんでした。

 

練習をはじめて、3ケ月なかなか35秒のラインに到達しません。

私は打ち方などのアドバイスをしました。

 

 

〇3、4級の練習を始めて半年 合格ラインに届かない

 

彼は、ジリジリとスピードアップしていきました。

50秒・・・・45秒・・・・・42秒   

半年かかって、40秒(4級くらい)まできました。

3級まであと少しですが、ここが壁でなかなか35秒にはたどりつけません。

早くなったり、遅くなったり、一進一退です。

 

私は同じ問題を繰り返し行い、スピードをあげるようにヒントを与えました。

同じ問題ですと、数に慣れてくるのでスピードが上げやすく、ミスが少ないからです。

早く打つリズムを体で覚えることができます。

 

そして、家でも、練習してみたらどうかなとA君に話してみました。

彼は素直にうなづきました。

それから家では、平日は30分~1時間は練習していたそうです。

 

 

〇1年後、着実に力がついてきた

 

そして、3,4級の問題を始めて1年後に成果が表れていました。

1問を35、6秒で解けるようになっていたのです。

 

見ていると、数字の読み取りが早くなっていました。

そして、電卓のすぐそばに鉛筆を置いて、

無駄なく早く答えを書いていました。

彼なりに工夫したのでしょう。


〇4級合格 悔しい

 

そして、3,4級検定に向かいました。

結果は4級合格。

私は3、4級の生徒には常々3級を目指すように

話しています。

 

        

A君は悔しそうな顔でした。

検定でどこをミスしたか、あと何点で合格かを

話して、さらに練習に向かっていったのです。

 

 

〇いよいよ2回目の3,4級検定

 

A君は見事に合格しました。

 

A君「やっと合格できました。うれしい。

最初は難しくて、合格できると思いませんでした。

自信になりました。」

晴れやかな笑顔でした。

   

 

 

3,4級の練習を始めてから、

約1年半がんばった成果です。

 

私はA君に

「このがんばりで、仕事をすれば、立派に働けるよ」

と声をかけました。

 

 

〇軽度の高等部の生徒に思うこと

 

長い間、特別支援学校高等部の生徒さんを見てきましたが、

「自信がない」という軽度の生徒さんは多かったように思います。

 

原因は一概には言えませんが、

小中学生で自信がなくなったという例は、よくあることです。

特別支援学校によっては、「自信をつける」のを目標にする

学校もあるくらいです。

 

小さいお子さんをお持ちのママさん、大切なお子さんの

自己肯定感、自信を保てるように、よく考え、

見守ってあげてくださいね。

 

 

 

経験談はこれまでいろいろ書いてきましたが、もう終わりが近いようです。

投稿も少なくなりますが、これまで

コメントいたしました皆さまのお子さんの成長は見守ってまいります。

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。