今日は8月26日。

昨日は、私の住む地域、チュンワン、葵青地区のデモがあるということで、一日遠出は控えようと考えていた。

朝から激しい雨が降っていたことや、まあこの辺は郊外なので、これまでの中心街に比べ、大したことはないだろうと思っていた。

実際、私の住む青衣は、昼過ぎに偵察がてらに外に出て見てみたが、案外いつもと変わらぬ風景で、モールで昼ご飯を食べ、買い物も済まして後は自宅でゆっくりと過ごした。

しかし夕方になり、ニュースを見たら大変なことになっていた。

この地域で一番のビジネス及び繁華街であるチュンワンでかつてないほどの暴動が発生していて、警察が空に向けたとは言え、発砲したとの報道がされている。放水車も出て、火炎瓶を投げつける民衆に放水で応戦している。

「発砲?」「火炎瓶?」

「この香港で?」

 

世界では、暴動や激しい反政府デモが起きている国や地域はいっぱいある。

香港は、つい最近までそんなところとは無縁のところだった。

 

今のところ、そういった暴動シーンを目の当たりにするのは、テレビのニュースの画面越しであるのは変わらないし、そのようなデモでも、開催の場所と時間の予告が事前にアナウンスされるので、その中心にさえ足を運ばなければ、今のところはまだ高度に治安は保たれている。

ただ、ジワジワと実害は出始めている。

 

ホテルが、軒並み宿泊客激減の憂き目に苦しんでいる。

そもそもこの香港に観光客が来ない。来たいと思わないだろう。

先日、仕事で「仕方なく」香港に訪れた知り合いが言っていたが、今は去年の一泊分で二泊宿泊できるそうだ。つまり半値にまで落ちているということ。

デモの起こっている近くの店舗やレストランは、全く商売にならない。

ただでさえ家賃の高い香港である。一日売り上げが無いというのは、まさに危機的な状況を生むのは容易に想像できる。

実は今日、用事で香港のチムサーチョイを久しぶりに歩いたが、あまり行かないからこそ、目に見えて以前よりも人通りが減ったと感じた。

そもそも以前はそこかしこに群れを成してショッピングを楽しんでいたはずの、本土からの団体観光客を今日は全く見かけなかった。

 

折しも先程ネットで、「香港存亡の危機」という記事を目にした。

このデモの成り行き次第では、荒唐無稽な話ではない背筋の寒さを感じる。

ここ最近の流れは、外から(中国政府)の要因もさることながら、このように内々からダメージが広がり、内部から崩れていく危険性がある。

嗚呼香港よ、どこに行くのか。