アラン・コーエンのコーチングスクールでの気づきの一つ。
「共感と同情は違う」
クラスのある一人の参加者がこんな質問をしました。
「コーチとして、相手の話に共感しなさいっていうのはわかる。ただ、自分は過去に相手の気持ちに共感し過ぎて、泥沼に陥ったことがある。それ以来、相手との距離をとって、あまり相手の感情に巻き込まれないようにしています。それでも共感するには、どうしたらいいですか?」
アランの回答。
「あなたが体験したのは、共感ではなくて、同情ですね。同情は危険です。同情ではなくて、相手の感情に『共感』することが大切です。」
さらに続くアランの(いつも上手な)例え話。
「私の先生から、こんなことを教わりました。
『誰かが穴に落ちてしまったのを助けるとき。あなたは、地上から手を差し伸べなさい。決してあなたまで穴に落ちてしまわないように。』
これが共感と同情の違いです。わかりましたか?」
質問者:「よくわかりました。私の体験は、まさに一緒に穴に落ちてしまったのです(笑)。」
僕もこの話からとても多くのことを学びました。
僕自身、コーチングをしているときに、自分の中に怒りなどのマイナス感情が出ることがあります。そんなときは大抵相手にとってベストな方向性を導くことができていません。
一方、僕自身がフラットな気持ちで、でも他人事ではなく真剣に相手の話に共感しているとき。相手は号泣するんだけど、僕自身は穏やかな気持ちでいれる。まるで泣いている子どもを見る親のような気持ちで。
こんなときは大体、相手が勝手に自分にとってのベストをしゃべり出す。
自分が、穴に落ちているか、地上にいるか。
どうやって確かめればいいのでしょう?
色んなアプローチがあると思うけど、僕はシンプルに、「自分が穏やかか、そうでないのか」で判断していこうと思います。
そして「穏やかでいること」はどんな場面で選択できるのです。
まずは今のこの一瞬、次は一時間、次は午前中、次は一日、という風に、穏やかでいる期間を少しずつ長くしていけば、人生の豊かさは自ずとやって来るのだと思っています。
読者のみなさんお一人お一人に、今日も穏やかな一日がやってきますように。