人生の旋律 死の直前、老賢人は何を教えたのか?/神田 昌典
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昨日の大阪へ向かう新幹線車中で一気に読み終えたこの本。
すごかったです。
新幹線で本読んで隣の人が寝てるのをよいことに?泣きました。
大正生まれの大富豪、近藤 藤太(こんどう とうた)さんという
実在の人物に、「あの」神田さんがインタビューをして、
それを物語りにまとめたという一風変わった本。
神田さんの魅力的な文章に、近藤さんの壮絶な人生が
映し出されて、そこには人生の美しさもはかなさも怖さも
全部凝縮されていて、とにかく心が震えました。
色んな偉人や経営者の自伝など読んできましたが、
間違いなくナンバー1です。
一生手元に置いておく本となりました。
近藤藤太さんのプロフィールをご紹介。これだけでも壮絶ですよね。
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1916年8月20日生まれ。東京芝白金生まれ。
大正時代から海外を行き来する家の、典型的なお坊ちゃま。
おじは、商社経営者。
父は大戦景気の際、絹輸出で儲けた大富豪。
8歳になるトウタ少年は、当時天皇家が乗るダイムラーに運転手付で送迎され
「若様」と呼ばれている。
ところが10歳のときにトウタ少年の人生は天国から地獄へまっさかさま。
絹相場の失敗で家業は破産。
父親は家族を置いて米国へ逃避。
どん底の貧乏が続き、一時期やくざ家業に身を落としたものの、その後更正。
講道館で丁稚奉公しながら勉強し、自力で慶応義塾大学へ入学。
学費が払えないので始めたアルバイトの音楽バンドが大ヒット。
日比谷公会堂で定期的にコンサートを開き、プロマイドが飛ぶように売れる。
まさにテレビドラマを見ているような人生。だが作り話のように思えるのはこれからだ。
太平洋戦争開戦後、志願して陸軍に入隊。
任務は、北朝鮮の金正日総書記の父親、金日成の捕殺。
さらに数奇な運命を辿り、戦後は、GHQ、マッカーサー元帥の下で働くことに。
朝鮮戦争勃発時に、自ら商社を創業。
30代半ばにして、黙っていても現金がうなるように入ってくる大富豪に。
ところがボンドショックで会社は破産、巨額の借金を抱える。
ひょんなことから出会った岸信介元首相の渉外担当顧問を32年にわたって勤め、
その間に9年かけて借金を返済。
西部石油株式会社の理事をはじめとして、企業コンサルタント、政界フィクサーとして
活躍。その後齢72歳にしてオーストラリアに移住。
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これだけ見ると「成功物語」っぽいですが、
実はテーマは、「家族」なのです。
それに心を打たれました。
人間の幸せとは何なのか。
成功 = 幸せ ではない。
そして、人間としての幸せに向かう生き方をしない限り、
成功は続かない。(というか必ず逆境の方が訪れる)
成功しても、奢った瞬間、人心は離れていく。
でも何もなくなったところからでも、
人生は何度でもやり直せる。
その際に重要なのは、自らチャンスに飛び込むこと。
リスクをとって飛び込むこと。
そうして順境と逆境を繰り返しながら、人間の人生は
美しく幕を閉じていく。
そんな人生の本質を教えてくれる本でした。
この本がある限り、今後の私の人生で、
どんな絶望や逆境に陥っても必ず復活する勇気を手に入れました。
また、どんな順境や成功を手に入れても、奢らない謙虚さを持つことの
大切さを教えてくれてました。
何歳の時点でもかまいません。
この本を読めば、人生は変わります。
とくに、就活中の皆さん、読んでみてください。
どんな会社に入るべきか、どんな仕事をするべきか、
これを読めばわかります。
他にも紹介したいお勧め本がたくさんあります。
このコーナーも、休まずにもっとアップしていきます!!
(今年は、年間365冊読書マラソンを勝手に始めています 笑)