統一原理を学んで得たものをお話しようと思うが、今となっては統一原理でなくても、さまざまな書籍や、ネット上でも多くの方が語られる生きる上での知恵みたいなのがたくさん紹介されていて、目新しい内容などないかもしれない。
しかし1992年当時の私にとっては、よりよく生きていくための知恵を教えてくれる人や情報はなかった。
会社に入って、しかも新入社員でありながら、なんの研修もなく、一緒に採用された方はなんと三井物産を寿退社した後、結婚が破談になって再就職された才女のお姉さんだったものだから、最初から何でもできる方だった。
私はもう何をしたらいいかわからず、最初は皿洗いみたいなことから始めた。
そんな状態だから、言われたことをそのまま素直にすればいいのに、思ったことを意見してみたりして、(海外生活の癖が抜けていなかった)陰口を言われながらのスタートだった。
そんな私が統一原理を知り、まず「僕の僕」から始めるということを学んだ。これはただの理論ではなく、再臨主自らが、実体験を通して得た原理ということだった。
お昼時間になると、同じ部署の女子社員みんなでお弁当を食べたが、そこは日ごろの不平不満が花開く時間だった。みんな忙しい仕事の合間に、外部からかかってくる電話受けをしなければならず、その対応に追われて自分の業務が滞り、残業の毎日だったのだ。
それで、私は外部からかかってくる電話をとにかくまず最初に受けることにした。もちろん自分の業務の合間に。どんな問い合わせが多いのか調べなさいという局長の指示もあって、統計をとりながら電話受けをすると、1日に80件は越えた。その問い合わせに答えるために、調べなければわからないこともたくさんあって、調べていくうちに少しずつその会社の概要について自ら学ぶことになった。
必要な資料をコピーする作業も多かったが、あまりにコピー機を酷使するので、よく紙詰まりをおこしていた。そこで私はコピー機の紙詰まりをすばやく直すことができるようになろうと思った。それができるようになると、自分だけでなく誰か困っている人がいたらいつでもすぐに直してあげた。
自分の意見を言うことも控えた。そんな風につねに「僕の僕」という自分の立場を心がけていくと、少しずつ周りの目も変わっていった。
もう陰口を言われることはなくなった。先輩とも楽しく仕事をすることができるようになった。部長もいろいろな仕事を任してくれるようになった。
ただ、こんな私の変化に、隣の部署の部長からはこんな言葉をいただいた。
「なんだdedeさん、最近おとなしくなったんじゃないか。最初は威勢のいいのが入ってきたなと頼もしく」思ってたのに」と。
こんなの、社会の常識だったかもしれないなと今振り返ると思うのだが、当時の私に助言してくれる人は誰もいなかった。
一般の会社では新人研修みたいなもので教わるのかもしれないが、私が入社した会社は中途採用しかいなかったので、そんなものもないだけでなく、みんな忙しくてゆっくり教えてくれる人も誰もいなかった。
だからこの統一原理に出会っていなければ、会社でうまくやっていけず、本当につらい毎日だったのではと今でも思う。