知的生活の方法 渡部昇一
知的な活動に従事する時間は自己実現の時間である。
人間の自己実現は動物のように体が大きくなるだけではすまないものがある。
人間と動物を決定的に分かつもの、それが「知」である。
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しかし、知の働きはこの自然界において周囲の自然とは全く異質なものである。
この異質なものを抱え込んでいる人間は、動物の知らない自己実現の喜びを知るとともに、
またそれからくる苦悩も多く持つ。
われわれは高い知的生活を求めつつも、それを維持できるとは限らないのである。
知の向上への努力は、しばしば休息、あるいは心理学で言う「退行現象」に
つながることを見逃してはいけない。
p185
↓(所感)
初版が1976年4月20日で、30年前のトレンドも見え隠れしていた。
最新の本ばかりでなく、一昔前の名著を読むのもいいもんだ。
知的活動は高度になればなるほど、周囲に完全に理解してもらうのがとても難儀だ。
(ほころびのないロジックを築きあげる作業よりも、ロジックのほころびを探し出す作業の方が難儀だ。)
だからと言ってこの知的活動を自己の中で完結させてしまってはだめだ。
渡部氏が言う苦悩は、他者との共有化によって自ら解消していくものと思う。
