2023年11月10日(金)13:30から石川県地場産業振興センターにて

第53回石川県消費者大会が開催されました。

 

 

石川県消費者大会は、1968年に第1回を開催して以降、

今回で53回目の開催となります。

消費者のくらしの安全と生活文化の向上をめざして、

食の安全・環境・平和・福祉・防災・減災などのテーマで

毎年開催しています。

 

今年のテーマは「健康食品・サプリを考える!」。

 

東京大学非常勤講師で作家でもある

左巻健男(さまき たけお)先生をお招きして、

「ニセ科学視点から健康食品・サプリを考える」と題して

お話していただきました。

 

会員団体のわずかな会費だけで運営している団体なので、

お金を払って新聞等で宣伝することもできず、

会員団体や団体職員の口コミなどで参加者を募ったのですが、

当日は会場に80名、オンラインで22名のご参加をいただきました。

 

 

左巻先生は15分前に入られると聞いていたのに、

当日は1時間くらい前には会場入りされてビックリ!

私たちスタッフとも、とても気さくにお話していただき、

著書へのサインにも気軽に応じていただき嬉しかったです!

 

そう言えば、私もただ在籍していただけでしたが、

高校時代は理化部(物理化学部)だったなあと思い出し、

左巻先生が講師に決まってからは、

先生が書かれた本に興味津々、少しずつ読むことにしました。

 

普段、読書をする時間的余裕がなく、

病院の待ち時間が一番長い読書タイムだったので、

なかなか読み終えることができなかったのですが、

講演会が近づき、ここ数日は、必死に読書に励みました(笑)。

 

これまで購入した本はこちら。

自分の生活や病気に関するものから読んでいった感じです。

 

 

 

 

 

あと、先生が監修されたこんな本も買っちゃいました。

 

 

この他にも著書は多数。

『学校に入り込むニセ科学』

『陰謀論とニセ科学 あなたもだまされている』 

『世界史は化学でできている』 

『面白くて眠れなくなるウンチ学』 

『面白くて眠れなくなる元素』 ・・・

最近では、韓国・台湾・中国でも翻訳され出版されているようですよ。

 

 

今回、私も「ニセ科学」という言葉を初めて知りましたが、

いま世の中に溢れている「ニセ科学」というのは、

「科学っぽい装いをしている」

「科学のように見える」

にも関わらず、とても科学とは呼べないもののことです。

 

健康食品やサプリの説明書きや宣伝文句の中に、

科学っぽい装いを施して、

科学用語をちりばめながら、わかりやすい物語をつくり、

ニセ科学へと誘い、騙されてしまう私たち・・・。

 

私は更年期になって、体が激変してしまい、

特に偏食の激しい私は、普段の食事では対応が難しく、

これまで嫌って全く手を出さなかったサプリに

とうとう頼らざるを得なくなってしまいました。

私の場合は、サプリのおかげで、

一定の健康を保てていると評価しています。

 

ただ、先生のお話や著書の中に出てきたもの、

例えば、「血液サラサラ」「マイナスイオン」「デトックス」

「ホメオパシー」「経皮毒」「EM菌」「抗酸化作用」

「ゲルマニウムブレスレット」など、

テレビの健康番組や通販番組などで、

一度は耳にしているもの、実際に買った、はまった・・・

という人はたくさんいるでしょうね。

 

私も「マイナスイオン」ブームの時にヘアドライヤーを買って、

実際に効果があったかどうかなんて気にせず、

これは従来のものより良いものなんだ!

と信じて使っていましたね(笑)。

 

「血液サラサラ」という言葉は、今でも皆さん口にしますよね。

昔、NHKの人気がある健康番組で、

「タマネギを食べると血液がサラサラになる」と言われていました。

 

でも、この検証実験では、

実際にタマネギを食べた人の血液を調べたのではなく、

生タマネギのエキスを加えた血液を調べたものでした。

私たちは生タマネギのエキスを注射するわけではなく、

タマネギを食べるのですから、

この実験に何の意味もないというわけです。

 

というような話が「暮らしのなかのニセ科学」の本の中に

たくさん書かれていて、読んでいて面白かったです。

信じる信じないは個人の自由ですけど・・・。

 

日本は世界でも有数の長寿国となり、

異常とも言える健康への執着が感じられます。

そして、ニセ科学にとって都合のよいことに、

日本にはお金を持っている人もたくさんいらっしゃいます。

 

そういう人たちを騙すには、

「科学」に裏打ちされている雰囲気がアピールできればよいのです。

科学は、論理性や実証性があるものだと信頼されています。

科学知識や科学センスに弱くても(弱いからこそ)、

科学っぽい雰囲気に騙されやすい人が多く存在します。

 

講演の最後に、

ニセ科学に引っかからないためには、

たった一つのもので、あらゆる病気が治ったり、

健康になったりする万能なものはない、

お金がかかりすぎるのはおかしいと思い、

ネットや本で、まともな信頼できる情報を調べることが大事

と言って締めくくられました。

 

講演の後、県内事例報告として、

消費者支援ネットワークいしかわ副理事長で、

金沢大学法学系准教授の村上裕先生より、

最近、特に高齢者の間でトラブルが増加している

通販の「定期購入問題」について報告がありました。

 

 

インターネット上の広告で

「お試しです」「今なら定価1万円のところ500円!」と、

1回だけの非常に安価での購入が可能であるかのように装いつつ、

実際には複数回の定期的な購入が条件づけられており、

トータルで見ると数万円以上の支払いを強いられるケースがあります。

特に、健康食品・ダイエット食品や、

美容関係のサプリメントで多く見られます。

 

こんな場合、サイトをよく見ると、とても小さな字で

※本商品は5回以上の継続して購入する必要があります。

  途中でのキャンセルはできません。

  2回目以上の価格は1個6000円で、

  5回購入した場合の総額は24500円です。

というようなことが書いてあります。

 

そうすると、

「お試しだと思ったのに、定期購入だなんて知らない!」

 →「ちゃんとサイトに書いてありますよ。

   確認しなかったお客さまに原因があるのでは?」

となります。

 

また、多いのが解約する時のトラブルです。

私も経験したことがありますが、購入はネットで簡単にできますが、

解約は「電話のみ」という場合がほとんどのような気がします。

 

解約は電話のみで、しかも平日の13時~17時まで。

→何度かけても、時間を変えても、全くつながりません。

 そうこうしている間に次の商品が届いてしまいました。

という例が多いようです。

 

定期購入の問題点

定期購入であることを隠し、1回限りで、

相当お得であることを強くPRする。

定期購入であることを書く場合でも、非常に小さい字で書く、

背景と類似の色で書いて読みにくくする。

「いつでも」「簡単に」解約できるとPRするが、

実は解約の方法や期間に制限があり、しかも、それは

「特定商取引法に基づく表記」などを確認しないと分からない。

 

定期購入(サイト)の問題点

SNSサイトで多数の口コミがあるかのような説明書き。

「この広告を閉じると、お得な価格での購入はできなくなります」

と消費者をやたら煽ってくる。

「在庫がなくなり次第、このキャンペーン価格での販売を終了します」

「もし効果がない場合には返金します」と言いつつ、

返金の条件が非常に厳しく、実際の返金可能性が非常に低い。

 

定期購入が全国的な問題となり、

2021年(令和3年)に「特定商取引法」が改正され、

「定期購入でない」と消費者に誤認させる表示等によって

消費者が契約の申込みをした場合に、

消費者が契約を取り消せる・・・など、

悪質な業者に対して行政処分ができるようになったものの、

2022年度に全国の消費生活センター等が受け付けた

消費生活相談約90万件のうち、

「定期購入」に関する相談が10万件もあったそうです。

 

悪質業者側も、法律が改正されると、

またそれに対応して、うまくすり抜けてきます。

ということで、消費者側の対応策を書いておきます。

 

「お試し価格」より高いものはない。

元値の80~90%割引で販売する商品は、後で元を取ろうとする。 

 

たとえ小さい字で難しそうなことが書かれていても、

注意書きを見逃すな! 

 

ネット通販等の「通信販売」にはクーリングオフはないので、

契約時はいつも以上に慎重に。

スマホやネットで簡単に買える=簡単に被害に遭いやすい。

 

様々な形で消費者の不安・購買意欲を煽る業者は疑おう。

商品に自信があれば、不必要に煽らないはず。

 

広告の画面や最終確認画面は、

後日の証拠としてスクリーンショットなどで残しておこう。

 

万が一被害に遭っても、「しょうがない」「いい勉強代だった」 

「よく確認しなかった自分に非がある」と、無理に自分を納得させるな! 

ご自身の非を責めたところで、悪質業者がのさばるだけで、

何の問題解決にもなりません! 

 

万が一被害に遭った・遭いそうになったという場合は、

各自治体の「消費生活支援センター」や、

消費者ホットライン「188」(いやや)に相談しましょう!

 

という報告でした。

私も通販はしょっちゅう利用していますので、

今後も気を付けて利用したいと思います。

騙されない人にならなければいけませんね!

 

ようやく大きな特別な仕事が終わりホッとしています。

やっと本来の自分の仕事に専念できます。

でも、来年もう一年だけ担当しなければいけません。

それを思うと、すでに憂鬱だったりもします。