やはり患者が早期に体力を回復して、

早期に退院するにはリハビリが重要です。

大学病院でも、平日のみですが、毎日行われていました。

 

最初のリハビリは、手術の2日後、10月16日(金)でした。

ところが、すでにご存じのように、

頭痛や低血圧による体調不良で、体を起こすのがやっと。

さすがに理学療法士の先生も無理はできないと、

ベッドに座ったまま、先生が背中のマッサージをしてくれました。

長い間、ベッドに寝たままの生活をしていたので、

とても気持ちがよかったです。

 

先生は女性だったので、気さくに話もできました。

私が整形外科でずっと膝のリハビリをしていると話したら、

どこの整形外科か聞かれて病院名を言うと、

なんと彼女のご主人もそこにお勤めということでビックリしました!

残念ながら、ご主人とは面識はなかったのですが、

退院したら、ご挨拶しようと思います。

また、ここの看護師さんもよく通っていますよとのことでした。

 

10月19日(月)は、何とか頑張ってやらなきゃと思っていたので、

先生が来る時間の少し前からベッドに座って足を下ろし、

血圧が下がらないように、足を動かして待っていました。

 

そして、先生が来ると、ベッドからゆっくり立ち上がったり、

先生に支えてもらいながら、ゆっくり歩きました。

やはり立ち上がると、重力で傷が痛みますし、

途中で、だんだん気持ちが悪くなり、

ベッドに戻って血圧を測ると100を軽く切っていました。

 

10月20日(火)はICUでの最後のリハビリ日で、

気分転換をしましょうと、先生が車椅子を押してくれて、

ICUの中を通り抜けて、日が当たるベランダに出て、

しばらく日向ぼっこをしていました。

ところが、数分でギブアップ、やはり血圧が低くなっていました。

 

10月22日(木)は、夕方近くにリハビリの先生が来て、

私をベッドに寝かせた状態で、

ベッドの高さを上下させながらその都度血圧を測定。

 

やはり体を起こしただけで頭痛が始まり、血圧も下がりました。

足を下ろせば、更に血圧が下がるので、そこで中止。

先生も少しずつ練習して慣らすしかないのかなあと呟いていました。

 

10月23日(金)と26日(月)は、先生の都合により、

臨時でICUでお世話になった先生が来てくれました。

もうすっかりお友達気分で、また再会できて嬉しかったです。

 

23日(金)は、まだ起き上がるのがやっとの状態でしたから、

足を下ろした後、立ち上がった後に血圧を測定し、

先生も低いのを再確認していました。

 

26日(月)は降圧剤を調整してもらったこともあり、

立ち上がって、少し歩くことはできるようになりました。

 

10月27日(火)は、午前中にリハビリの先生がやって来て、

ベッドの脇で体操をした後、廊下の手すりにつかまりながら

20mほど先のデイルームまでゆっくり散歩しました。

 

意外と歩けましたが、歩いたことで血圧が上がり、

ベッドで休むと途端に血圧が下がったようで、

お昼までずっと頭が痛くてダウンしていました。

 

10月28日(水)の11:00頃に車椅子で地下のリハビリ室に行き、

他の二人の患者さんと一緒にリハビリをしました。

 

リハビリ室に着くと、まずは血圧測定をします。

そして、イスに座って先生の指導の下、10分ほど体操を行います。

この体操はいつも同じですので、ここで紹介しておきます。

 

まずはイスに座ったまま、両手を組んで3回上下させます。

3回目に上げた時、腕を今度は左右に2回ずつ倒します

次は、首を上下に2回、左右に2回倒します

今度は両手を肩に乗せて、前に10回、後ろに10回回します

 

続いて、お尻が上がるように太股を左右交互に5回ずつ足踏みします

次は、両手はイスの端を持ち、背中にもたれかかるようにして、

片足ずつ、足を上げて10回ずつ回します

今度は、息を大きく吐きながら体を左右2回ずつ捻ります

 

次は、立って足幅を狭くして、かかと上げを10回

続いて、足を肩幅に開いて、スクワットを10回

今度は後ろ向きになり、手をイスの座面に付き、

片足5秒ずつ足を後ろに引いて、アキレス腱を伸ばします

これを2回繰り返すのですが、足のかかとを地面にしっかり着けるのがコツです。

 

再びイスに腰掛け、今度は肩のストレッチです。

片方の腕をまっすぐ伸ばして顔の前に持って来て、

もう片方の手で肘を掴み、左右5秒ずつストレッチします。

これを2回繰り返します。 

最後に、大きく3回深呼吸して終了です。

 

実は、この体操の途中で不整脈が出てしまい、

先生から「休んで下さい」という指示が出て、一時中断。

落ち着いたところで、体操を再開しました。

 

今度は自転車漕ぎを一番軽い負荷15Wでやりました。

12分間漕がなければいけないのですが、

10分くらいで冷や汗が出てストップ。

運動すれば低い血圧も上がると思いましたが、

終了直後の血圧測定では100を切っていてビックリしました。

 

夕方、病棟の男性の看護師さんがリハビリの手伝いをしてくれました。

降圧剤を朝晩に服用しているので、

この夕方の時間帯が一番動ける時間帯なのです。

まだヨロヨロして息も上がりますが、

看護師さんに支えてもらいながらデイルームまで往復しました。

 

午前中のリハビリで、左足の衰えがショックだったので、

病室でも鍛えられる体操がないか尋ねると、

「僕は専門家じゃないので、先生に聞いておきます」と話していました。

 

10月29日(木)は午前中にたくさんの検査があったため、

午後から先生が病室に来て下さって、私のリクエストにより、

ベッドでできる膝上の筋肉を鍛える体操の方法を教えてもらいました。

そして、病棟をぐるっと一周してきましたが、どうしても転倒が怖いので、

がに股歩きになってしまうし、さすがに脈拍数がかなり上がりました。

 

それから、先生に左側の大きな傷について尋ねました。

どうしても傷の痛みなどがあって、腕が以前のように上がりませんが、

そういう部分のリハビリというのはありますかと尋ねると、

傷や骨折した箇所は、完治してからリハビリしても遅くないとのことで、

特に骨折は骨がくっ付くまで3ヶ月はかかるらしく、

ちゃんと治るまでは無理をしない方がよいとのことでした。

 

11月2日(月)10:00すぎから2回目のリハビリを行いました。

今回は体操も最後までできましたが、さすがに息が切れて、

少し休憩した後、今回は座った状態で漕げる自転車漕ぎをしました。

実習生も話し掛けてくれたので気も紛れ、12分間漕ぐことができましたが、

終わった直後に血圧を測ったら、100くらいしかなく、

額にはたくさんの冷や汗をかいていました。

 

11月4日(水)の3回目のリハビリは、体操の後、

普通の自転車漕ぎをしましたが、やはり途中から冷や汗が出ました。

でも、終了後の血圧は110あまりあったのでホッとしたものの、

車椅子の場所まで歩いていると気分が悪くなり、涙が出てきました。

病室に戻って血圧を測ると90あまりしかありませんでした。

 

11月9日(月)9:30から4回目のリハビリをしました。

ようやく血圧が高くなってきたので、楽にできるようになりました。

 

11月11日(水)は9:30からリハビリをしました。

今日から自転車の負荷が20Wに上がりましたが大丈夫でした。

 

11月13日(金)には自転車の負荷を20W→24Wに増やしましたが、

少し多めに汗をかいたくらいで、特に問題はありませんでした。

 

11月16日(月)は、少しずつ負荷がかかるタイプの自転車を漕ぎました。

 

11月17日(火)からは自転車漕ぎの負荷が25Wになりました。

大汗はかきましたが、そんなに辛くはありませんでした。

直後の血圧測定では105と、意外と低かったです。

 

11月18日(水)も25Wで12分間漕ぎましたが、

途中から何となく体がだるくなってきて、

終わった後に血圧を測ると、95くらいしかありませんでした。

やはり降圧剤を元に戻した影響のようです。

 

11月25日(水)は9:30にリハビリ室に来て下さいと言われ、

9:20に部屋を出て、初めて歩いて地下のリハビリ室へ行きました。

寄り道しなければ、5分ほどで到着できたと思います。

到着直後の血圧は158-84で高かったので、しばらく休んだ後、

再度測るとちょうどよい数字に戻りました。

 

この日は自転車の負荷を30Wにしましたが、

先生は脈は変わらないですねと言っていました。

終わった直後の血圧は95と、やはり低めでした。

 

11月26日(木)も9:00からリハビリが始まるので、

10分前には病室を出て、歩いて向かいました。

そんなに早く歩いているわけではないのに、

ハアハア言いながら測った到着直後の血圧は168。

3分ほど休んで測ると、120くらいに落ち着いていました。

 

夜の回診は、執刀医以下、担当の4人の先生がお揃いで、

リハビリ室まで歩いて行った直後の血圧が168だったと報告すると、

先生方全員、とてもびっくりしていました。

 

なかなか歩いている時の血圧測定も難しいのですが、

できれば140台くらいで・・・とお願いされましたけど、

「もっとゆっくり歩けばよいですかね~」と聞くと、

主治医はちょっと悩んで「途中で休んだら?」と言いました。

 

11月27日(金)は、血圧が上がらないようにゆっくり歩き、

途中、プリペイドカードに積み増しついでに小休止。

そして、リハビリ室に着いて血圧測定をしたら、

128でちょうどよい血圧になりました。

 .

という感じで、リハビリは平日の毎日行われ、

おかげで、筋肉が落ちていた膝上の筋肉も戻り、

足取りも安定し、まだ息は切れますが、

ある程度の距離は歩けるようになりました。

 

今回の入院では、やはり早期回復のためには、

痛みと血圧を早期にコントロールしていただき、

毎日リハビリをして、体力づくりをすることが必要と実感しました。

今回の手術は、開胸開腹手術ということで、

主治医も手術の説明の中で、

正中切開の手術よりもかなり痛むと話していました。

 

痛いからと言って手術を止めるわけにはいかず、

手術後はロキソプロフェンをたくさん飲んで、

できるだけ早く動けばよい・・・とだけ考えていました。

 

手術が終わった後は、まだ麻酔が効いていて、

3日目までは、ただただ眠く、あまり痛みは感じませんでした。

 

術前にお会いした麻酔科の先生は、

「術中にたっぷり鎮痛剤を入れておくからね」と話していて、

恐らく、医療用麻薬の強い鎮痛剤を手術中に投与したのだと思います。

 

それが切れて来ると、やはり一番痛むのは肋骨。

6本全部切ったとわかったのは一般病棟に戻ってからですが、

数本の肋骨骨折だったとしても、痛みは予想以上でした。

 

とにかく、24時間、鎮痛剤を切らすことなく使うためには、

薬の種類と、1日の限度量、服用の間隔などを考え、

複数の種類の鎮痛剤を組み合わせて使用しました。

 

使っていたのはNSAIDsのロキソプロフェン

アセトアミノフェンのカロナールアセリオ

アセトアミノフェンと非オピオイドの合剤のトラムセットでした。

 

トラムセットは、最初に使った時、

ひどい吐き気と頭痛に見舞われたため、

一度使用しただけで、今後は使わないことにしました。

 

最初のうちはこうやって数種類の薬を組み合わせて使い、

だんだん薬の効果が切れてくると、

「次は何時に飲めますか?」と看護師さんに聞いて、

その時間まで我慢をしていました。

 

ICUを出る日が近づいて来た頃、

なぜかカロナールを服用すると、

肋骨が刺激を受けて、ぎゅ~っと胸が肋骨で圧迫され、

とても寝ていられない状況になり、

座れば呼吸も楽になるので、座ったまま寝たりもしました。

 

カロナールは私には合わないのかなあと思いながらも、

点滴の管が抜けてからは、アセリオは使えず、

使える鎮痛薬はロキソプロフェンとカロナールだけだったので、

朝・昼・晩の薬にすでにロキソプロフェンがセットされているから、

その他の時間帯は、カロナールを好きな時間に、

間を6時間以上開けながら飲んでいました。

 

傷の痛みがあると大変な検査は心エコー。

10月30日(金)は、手術後2週間くらいになりますが、

心エコーの最初の基本的な体勢は、左側を下にして寝る体勢。

私の傷の大半は左の脇の下にあるので、かなり辛かったです。

 

先生も配慮して下さって、いつもは検査の途中、

心臓の裏側からエコーを見るために左下にある板を外しますが、

この時は最初から板を外して下さって、

傷ができるだけ接触しないようにしていただいたのですけど、

やはり同じ体勢を取り続けるのは大変で、

ずっと手すりにしがみついて我慢していました。

 

傷口の上にエコーをかける時は、

やさしくして下さったので、それほど痛みはありませんでしたが、

やはり20分あまりの心エコーはかなり辛く、

部屋に戻った後も、しばらく微熱と痛みが出てしまいました。

 

カロナールがどうも私には合わないので、

11月2日(月)からロキソプロフェンだけにしてみましたが、

効いていたのは朝だけで、昼も夜も効きませんでした。

夜は体位を変えてみましたが、逆に呼吸が苦しくなり、

ほとんど眠れませんでした。

 

11月4日(水)は、15:30頃に痛みのピークが来て、

ロキソプロフェンを服用するも、カロナールと同様、

逆に締め付けられるような痛みに襲われました。

 

11月6日(金)の午後もゆっくり休みたかったのですが、

やはり服用後、痛みが増して、ゆっくりできませんでした。

午前中、リハビリや外来受診に行く直前に飲むと、

痛み止めの効果があって、リハビリも支障なくできるのに、

午後のゆっくりしたい時間や夜に飲むと、痛みが増してしまいます。

 

このように、痛み止めが効かない、カロナールだけでなく、

ロキソニンも飲むと痛みが増す・・・といった日々の出来事は、

毎日、執刀医や主治医に報告はしていましたが、

先生方は口には出しませんが、首を傾げていました。

看護師の中には「痛みが増すなんて聞いたことないわ!」と、

私が話したことを全否定する人もいました。

 

11月7日(土)、若手の先生に湿布について聞いてみると、

湿布は別に貼っても構いませんよということだったので、

湿布は「気休め」で、「効果はない」とわかっていましたが、

何か解決の糸口でも見つかればと期待して貼ってみました。

 

効果はなくても、ひんやりして気持ちがよいかなあと思ったら、

患部は手術後、皮膚の感覚が全くなくなってしまい、

わずかな期待もあっという間に崩れ去ってしまいました。

 

その夜、このことを主治医に話すと、

優しい主治医は、今後もひどい痛みが続くようなら、

一度ペインクリニックを受診することもできますよと話していました。

 

この日は0時に久しぶりにカロナールを飲んでみましたが、

以前よりもさらにひどい激痛に襲われてしまい、

もう二度とカロナールは使わないと誓いました。

 

私もいろいろと考えた結果、同室の患者さんたちは、

痛み止めにトラムセットを使っているのを知って、

11月8日(日)の夕方、先生に尋ねてみました。

 

トラムセットは随分前に一度飲んで、

ひどい吐き気に見舞われたので、排除していた薬でしたが、

吐き気止めの薬との併用で服用できないか尋ねてみると、

その時の吐き気がトラムセットが原因とは確定できないとのことで、

「もう一度、トラムセットだけで試してみませんか?」と言われ、

もう他に試す薬もないので、飲んでみることにしました。

 

23:30にトラムセットを飲みました。

すると、まもなくひどい痛みが軽くなり、

心配していた吐き気もなく、これは期待できると思いましたが、

残念ながら、肝心の肋骨の痛みだけは消えることがなく、

引き続き4:00に再度トラムセットを服用しました。

 

前回と同様の効果を期待していましたが、

カロナールほどひどくはならないものの、

やはり肋骨がぎゅ~っと圧迫される痛みが出ました。

 

翌11月9日(月)の朝、主治医がいらしたので、

カロナールほど痛みはひどくはなりませんでしたが、

カロナールと同様の肋骨を圧迫されるような痛みが出ましたと報告。

 

すると先生が「トラムセットは半分がカロナールだから」と話し、

それを初めて知った私は、どうりで似たような痛み方をしたのかと納得。

先生も私の報告が正しいことを実感したと思います。

 

夕方、4人の先生がお揃いでやって来たので、

今回のトラムセットのお試しについて、私なりの分析結果を話しました。

 

痛み止めを飲まなかったら、特に立ち上がった時に、

重力ですべての傷が下に引っ張られてとても痛いのですが、

痛み止めを飲むと、その痛みはほとんど解消されます。

 

特に痛みがひどい下腹の痛みも、ほとんど痛みを感じなくなるので、

やはり痛み止めとしての効果はあります。

 

しかし、一番痛みがひどい肋骨の骨折部分については、

痛み止めとの相性が悪く、よけいに痛みを増幅させてしまっています。

 

但し、トラムセットはカロナールほど症状が大きくないので、

ロキソプロフェンと組み合わせて、何とか凌ぐことはできるかもしれません。

でも、最近、肋骨が痛くない時間がとても少なく、しんどいです・・・。

 

11月10日(火)の昼食後にロキソプロフェンを飲んだら、

数日ぶりにカロナールと同様の引っ張られるような痛みに襲われました。

あまりの痛さに、午後は何もできませんでした。

16:00にトラムセットを飲んで、やっと痛みはましになりましたが、

この日の夜は先生が来られず、これを報告することができませんでした。

 

翌11月11日(水)の朝、執刀医が来られた時に、

前日のロキソプロフェンを服用した後の痛みについて報告し、

あの痛みは辛いので、一度ペインクリニックで

相談させていただけないでしょうかとお願いしました。

 

11月12日(木)の12:00頃、お昼ご飯の到着と同時に、

緩和ケア疼痛治療専門医(麻酔科)の先生4人が来られました。

話をしたのは教授の先生だけですが、本当に優しい先生です。

まずはベッドに横になって、手術の傷を診られた後、

これまでの服薬と症状の経緯を順にお話しました。

 

すると、先生は、私の話した内容に間違いはありませんと言い、

恐らく手術で肋骨を折った時、肋骨には肋間神経というのがたくさんあって、

その神経を切っている可能性が高く、

これらの神経の痛みにはロキソプロフェンは効きません。

こういう神経に効く薬があるから、

心外科の先生と相談して、処方しておきますね・・・ということでした。

 

その先生が処方して下さったのは、リリカとワントラム。

頓服としてトラマールも出ていました。

リリカは整形外科で処方してもらっていた薬で、

通常、神経障害性疼痛や線維筋痛症に効果があります。

ワントラムやトラマールは、非オピオイド鎮痛剤です。

 

早速、夕食後に新しい薬を飲んでみました。

いつものように肋骨に刺激はありましたが、痛みは出なかったので、

そのまま気持ちよく寝ることができました。

 

夜中2時すぎに起きたら、少し痛みが復活していたので、

今度は頓服のトラマールを飲みました。

すると、肋骨の痛みはほとんどなくなり、下腹の痛みだけが残りました。

 

翌11月13日(金)、起床時は全く肋骨の痛みがなく、

新しい薬の効果はすごいなあと思いました。

その後、主治医らが来たので、この結果を話すと、

主治医が「さすが!」と話していました。

やはり緩和ケア、痛みの専門の先生は違いますね~。

 

11月14日(土)、先生方に肋骨の痛みは引きましたが、

今度は下腹の痛みがひどくなっていることを報告しました。

 

今はロキソニンは朝と夜しか飲んでいないので、

退院後のこともあり、昼間に痛くなった場合について尋ねましたが、

麻酔科の先生の指示により、非オピオイド系の薬を使っているので、

その他の薬は徐々に少なくするという方針だから・・・我慢しかないのか!

 

11月17日(火)、リリカとロキソプロフェンは朝と晩だけの処方なので、

午後からやはり肋骨が痛み出し、頓服のトラマールを服用しました。

すると、肋骨も下腹もぎゅっと圧迫されるような感じになり、

何となく呼吸も苦しくなりました。

 

夕方16:30頃、珍しく執刀医と麻酔科の先生が一緒に来られ、

問題の下腹の痛みについて話し合った結果、

リリカを75mgに増量して様子を見ることになりました。

 

11月19日(木)、13:00すぎから横になって休むつもりが、

だんだん肋骨の痛みが出て来たので、

久しぶりに頓服のトラマールを使ってみましたが、

やはり余計に痛くなるので、もう二度と使わないことにしました。

 

16:00頃、麻酔科の先生がリリカの効果などを尋ねて来られましたが、

リリカの効果は不明ですが、全体的に痛みは軽くなっていると報告。

下腹の痛みについては、今は歩く時に手で押さえていましたが、

腹帯をすると楽ですよと勧められたので、

早速装着してみたところ、とても楽で、下腹の痛みもほぼ解消しました。

 

17:00頃には先生方が来られて、腹帯の効果を話し、

冗談半分で、腹帯をしたら、

ズボンのファスナーが閉まらなくなりそうなんですけど・・・と話すと、

主治医は笑いながら、さらしみたいな腹帯があるよと教えて下さいました。

早速、ネットで購入してみました。

 

11月20日(金)16:30頃、いつもより早く先生方が来られました。

お昼に痛み止めがないので、この時間の肋骨の痛みと、

横になった時の息苦しさを先生に訴えました。

 

11月21日(土)は、日中よく歩いて疲れたので、

消灯後にすぐに横になりましたが、

しばらくすると肋骨の痛みが出て来てビックリしました。

最近は痛み止めが効いていたのに、なぜ?

 

11月22日(日)の夜は、また痛みが出そうだけど同じ薬を飲みました。

やはりしばらくして肋骨の痛みと、下腹の痛みが出たので、

仕方なくベッドを起こして、座るようにして寝ました。

 

朝4:30頃に目を覚ました時も、同じ場所が痛かったので、

ロキソニンを飲むと、下腹の痛みだけ少し軽くなりました。

夜はワントラムが追加されるだけなので、痛みの原因はワントラムと考え、

朝の回診時、執刀医に「今晩はワントラムを外してよいか」打診すると、

「また結果を教えて下さい」と言ってOKして下さいました。

 

この日も、いつものように14:00頃から痛みが出始め、

夜になっても、昼の痛みは継続していましたが、

夜はワントラムを抜いて、朝と同じ薬を飲んでみました。

 

3:00頃に目を覚ますと、残念ながら、肋骨の痛みは残ったまま。

ここで痛くなるのを覚悟してワントラムを服用したら、

やはり、圧迫されるような肋骨の痛みが増してきました。

 

11月24日(火)の朝5:30頃に目覚めて、あまりの痛みにナースコール。

看護師さんに痛みの相談をしたところ、

朝のリリカを早めに飲みましょうか・・・ということで飲んでみました。

これが功を奏して、少しずつ痛みは和らいで行きました。

 

14:30頃、緩和ケアの先生方が来られて、

先週土曜日から夜の薬が合わなくなったことを話し、

ワントラムは飲まないことにしましたと報告すると、

先日ダメ出ししたトラマールもワントラムも同じ非オピオイド系の薬で、

このグループの薬は合わないようですねと言われました。

合わないものは、使わなくてよいですよと言われ、スッキリしました。

 

そして、今後どうするか・・・ですが、すでに今も肋骨が痛いし、

今週末には退院して、すぐに仕事を再開する予定なので、

やはり昼にも痛み止めの薬が欲しい!

もしも可能なら、今飲んでいるリリカ150mgを

朝昼晩に50mgずつ飲むことはできないでしょうか?と尋ねると、

それじゃあ、今の75mgを1日3回飲むことにしましょうと決まりました。

 

そう決まったところで、今も結構痛いので、

「今から1錠飲んでもよいですか?」と尋ねると、

「試しに飲んでみて下さい」と言われ、早速飲んでみました。

すると、しばらくして肋骨の痛みは少しずつ軽くなって行きました。

 

これで、痛みのコントロールにも終止符を打つことができそうです。

退院に間に合ってよかった!

 

ICUでは、連日軽い頭痛に見舞われて、寝てばかりいました。

私は頭痛持ちではないので、ほんのわずかな頭痛でも耐えられず、

すぐにロキソニンを飲んで治していました。

 

頭痛が何日か続いた時、執刀医が話していたのは、

たまに髄液が漏れて頭痛が起こることがあり、

そういう時は頭を低くしていた方が楽ですよと言うので、

試しに頭を低くしていると、確かに楽でした。

なので、てっきりそれが原因だと思い込んでいました。

 

でも、それが原因の場合は、ロキソニンなどが効くはずなのに、

私の頭痛は、どの痛み止めも効きませんでした。

 

ICUにいる間は、37℃以上の微熱もよく出ていましたが、

夜になると、なぜか血圧が150~160くらいになって警報が鳴りっぱなし。

看護師さんが数値を見ながら、点滴から降圧剤を入れて調整し、

日中はこれまで飲んできた降圧剤に、利尿剤等も加えて服用していたので、

体には、かなりの量の降圧剤が入っていたことになります。

 

ICUでは毎日の計画があり、今日は体を起こす、

今日は足を下に下ろす、今日は立ち上がる、今日は病室内を歩く・・・

と目標が決まっていたので、私もチャレンジはしていたのですが、

足を下ろしていると、1分くらいで体がしんどくなって来て、

頭痛や冷や汗が出て、顔面も蒼白となり、ベッドに戻ることに・・・。

血圧を測ると、80~90くらいに下がっていました。

 

こういうことを繰り返していたので、

体がしんどくなるのは低血圧が原因だとわかってきたものの、

先生が降圧剤を調整し始めたのは一般病棟に戻ってからなので、

ICUにいる間は、ずっと低血圧の症状に悩まされていました。

 

ですから、10月21日(水)に一般病棟へ引っ越す時も、

普通は車椅子に乗って移動するのですが、

一度トライして車椅子に座っていたら、

やはり体調が悪くなり、血圧もかなり低かったですし、

尿バルーンやドレーンの管も繋がっていたので、

4階のICUから6階の病棟までの距離は無理と判断され、

病棟のベッドに乗り移って、ベッドに寝たまま引っ越しました。

 

10月24日(土)10:00頃、2人の若い先生がやって来て、

体に入っていたドレーンを抜き、

傷を覆っていたテープも新しいものに交換してくれました。

 

なかなか若い先生方と直接話をする機会も少ないので、

「肋骨は何本折れたのですか?」と聞くと、

術前の主治医の説明では、肋骨は2本折り、

もしかしたら術中にもう1~2本折れるかも・・・と話していたのに、

実際は左胸の肋骨は6本全部折れていて、

傷は全長約50cm、鼠径部も3cm切ったことが判明しました。

 

この日から利尿剤(降圧剤)を1種類少なくしたので、

前日までの起立性低血圧の症状は少しましになりました。

夜には尿バルーンも取れて、体に繋がっていた管は全てなくなりました。

 

10月27日(火)は、抜糸が終わってシャワーもOKになったので、

15:30~16:30の1時間、入浴の予約を取ってもらいました。

 

久しぶりに体に温かいお湯をかけて気持ちよかったのですが、

体を洗い終わった頃に血圧が下がるいつもの感じになり、

息切れもしてきて、これはヤバイと浴室でナースコールをしました。

やはりこの血圧ではゆっくり入るのは無理だと思いました。

 

10月30日(金)に若い先生が「抜糸をしましょう」とやって来て、

病棟の処置室で残っていた3ヶ所の抜糸をしました。

鼠径部だけは傷の治りがイマイチだったのか、絆創膏を貼っていました。

抜糸は、かなり引っ張られて痛かった!

 

11月3日(火)の昼食後も頭痛が続き、横になっていると、

検温の時間になり、血圧は90を切っていました。

この日から、夜のアムロジピン(降圧剤)がなくなりました。

 

11月5日(木)の朝、主治医にアムロジピンが1日に1回になったのなら、

朝ではなく、お昼に飲んではいけませんかと尋ねると、

すんなりOKして下さったので、朝の降圧剤は2種類だけになりました。

 

朝の血液検査の結果も聞いてみると、カリウムの値が高いらしく、

「生野菜とか果物をたくさん食べましたか?」と聞かれましたが、

生野菜はもともと食べないし、果物も病院の食事だけで、

食事からカリウムが高値になったとは考えにくいのですが・・・。

 

11月6日(金)の朝、主治医が来た時に、

「昨晩からカンデサルタン(降圧剤)がなくなったのですね」と聞くと、

カンデサルタンがカリウムに影響している可能性もあるとかで、

確かめるために一時的に中止したそうです。

 

このカンデサルタンは通称「ARB」の降圧剤で、

正式にはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬。

 

このARBは、マルファン症候群の大動脈拡張を防ぐのに有用と言われ、

私自身もこの薬を飲んで初めてよく効く降圧剤だと実感しましたので、

とても大事な、欠かせない薬だっただけに、

先生に「落ち着いたら戻してほしい」とお願いしました。

 

11月9日(月)に大事なカンデサルタンは1日に0.5錠と、

これまでの半分の量で再開してみることになりましたが、

朝に飲むとリハビリに影響するので、夜に飲むことにしました。

 

11月12日(木)にカンデサルタンは朝・夕ともに飲むことになり、

これで、術前とほぼ同量の降圧剤となりましたが、

以前のように、しんどくてベッドに戻ることはなくなりました。

 

血圧が低くてまだ体に合っていない時は、車椅子に乗れないので

外来の検査に行けず、レントゲン技師に出張してもらったり、

やっと外来に行けるようになっても、

迎えの看護師さんが遅いと、座っているのがだんだん辛くなったり、

自転車漕ぎをしているのに、どんどん血圧が下がって冷や汗が出て、

途中でリタイアして、血圧を測ると100以下だったり・・・。

 

本当に血圧の恐ろしさを実体験して、

私は社会に戻れるのだろうかと真剣に悩みました。

2020年10月14日(水)22:00に手術は無事に終わり、

1週間の予定で、そのままICUに入りました。

 

1~2日目は、ほとんど寝ていました。

3日目も、ずっとウトウトしていて、

先生や看護師さんに呼ばれたら起きるという感じでした。

 

痛みも最初はほとんど気になりませんでした。

麻酔科の先生が手術中に「たっぷり入れておくよ」と言ったとおり、

恐らく麻薬系の強い鎮痛剤が投与されたものと思います。

 

体の左側には3本のドレーンが付いていて、

体腔内に溜まった水分、血液、リンパ液などを

通称「メラ」という装置で体外へ持続的に吸引しています。

ただ、このドレーンは痛みが結構ありまして・・・。

 

首の右側の動脈には点滴の管が2本入っていて、

大事な薬剤や栄養などはここから投与されていました。

 

右手首の動脈には「Aライン」というカテーテルが入っていて、

持続的に血圧や心拍などをモニタリングできますし、

ここから簡単に動脈血を採取でき、血液ガスの分析ができます。

 

Aラインから取得したデータは近くのモニターに表示され、

設定された基準値を外れると警報がなります。

今回は夜間になるとなぜか血圧が上昇し、

ずっと警報が鳴りっぱなしで、とても眠れる状況ではなかったです。

 

私は4日目くらいに個室に引っ越ししたのですが、

ICUでは、毎朝6:00頃にレントゲン撮影がありました。

その部屋がレントゲン撮影順の1番だったのです。

 

大きな手術はしましたが、足を立ててお尻を持ち上げたり、

ベッドの手すりを持って体の位置をずらすことはできました。

レントゲンを撮影する時は、

背中やお腹の下に四角い板を入れなければいけないので・・・。

 

標準12誘導心電図も毎日、看護師さんが取りました。

心電図は検査技師さんが取るものと思っていましたが、

看護師さんはみなさんできるんですね。

 

代謝内科の先生からも聞いていましたが、

手術後は一時的に高血糖になるということで、

手術後は食事の前に必ず血糖値の検査をしていました。

本当に一時は血糖値が200を超えていて、

血糖値に応じて、食事前に腕にインスリンの注射を打っていました。

 

簡易な心エコー検査も必要に応じて数回やりましたし、

10月20日(火)には、気胸の疑いが浮上し、

朝9:00すぎに急きょCTを撮ることになりました。

 

執刀医自らベッドを押すのを手伝い、

1階の救急用のCT撮影室で撮りましたが、

さすがに、まだあちこち痛い時期だったので、

ベッドからCTの方へ移るのも一苦労でした。

 

ICUへの帰り道、私の目線の先に執刀医がいたので、

「気胸は大丈夫でしたか?」と早速結果を聞いてみました。

 

先生曰く、手術で横隔膜を切って、肺を一度小さく畳んでいるので、

まだ肺が以前ほど膨らんでいない状態・・・とのこと。

姿勢に気を付けないと、折った肋骨が肺に穴を開けることがあるそうです。

 

3日目くらいだったでしょうか、意識がハッキリしてきて、

改めて自分の体を眺めたところ、

自分の手の指にシワが全くなくて、赤ちゃんのような手になっていました。

私の腕は日焼けでシミだらけなのですが、

そのシミも斑点模様のようになって奇妙でした。

 

手術翌日に測定した体重は、手術前より8kgも増えていました。

手術中に使用した様々な液体のせいだと私には話していましたが、

この時の顔は見ていませんけど、全身浮腫でパンパンだったと思います。

 

でも、利尿剤などで毎日数リットルの排尿をした結果、

体重は順調に減り、浮腫も少しずつ改善し、

ICUを出る頃には、体重は術前より-4kg、浮腫はなくなりました。

 

術後から始まったのは1日4回の吸入でした。

「とにかく、どんどん痰を出して!」と言われ、

痰切りの薬の服用も始まりました。

 

もともとアレルギー性鼻炎と慢性上咽頭炎の私、

痰を出すことには慣れてはいましたが、なかなか痰が切れず苦しかった!

出した痰には真っ赤な血、黒っぽい血が混ざっていました。

手術の時に気管にたくさんの管が入っていて出血したものだとか・・・。

 

もちろんICUではほぼ寝たきりだったので、

毎日、体を拭いて、おしもを洗い、着替えさせてもらいました。

手術後、汗などで汚くなっていた髪も17日(土)には洗ってくれました。

昔はベッドの上でオムツを広げて洗っていましたが、

今はポータブル洗髪器があって、寝たまま楽に洗ってもらえました。

 

ICUの看護師さんには本当にお世話になりました。

夜中に差し込み便器を用意していただいたり、

夜中に何度も水分を要求したり、痛みの相談に乗って下さったり、

あるベテランの看護師さんは、少しでも痛みが緩和できたらと、

背中や足の血流をよくするマッサージをして下さったり・・・。

 

10月21日(水)に車椅子で一般病棟に移れなかったのが悔しかった!

2020年10月14日(水)

いよいよ手術当日の朝を迎えました。

前夜の下剤が功を奏し、ちゃんと便が出てスッキリしました。

 

8:20に部屋を出て、車椅子で手術室に向かいました。

ずらっと手術室が並ぶ中、今回は2番の手術室に入りました。

 

自分で手術台に上がって横になり、

質問に対して「名前」「生年月日」「手術内容」を答えました。

 

その後は、手慣れたスタッフさんが次から次と

心電図の電極、血圧計などを装着していき、

酸素マスクも口に当てられました。

 

今回の麻酔は点滴から入ると聞いていて、

「じゃあ、お薬入りますね~」という言葉を聞いて、

まもなく意識を失ったと思われます。

 

その後の手術内容については、先日紹介しましたし、

私は医者ではないので、詳しいことはわかりません。

こんな感じじゃないかなあ・・・というのを簡単に書いておきます。

 

体を消毒した後、体の右側を下にして横向きの体勢になり、

左側の脇の下からへその横まで大切開します。

 

鼠径部を3cm切開して、大腿動静脈を露出します。

ヘパリンの注射をした後、大腿動静脈からカニューレを挿入し、

血行遮断中、下半身に血液を送るため、人工心肺に装着します。

 

皮膚を切開した後、横隔膜も切開し、

胸部は左肺をよけて、下行大動脈を露出します。

肋骨は6本全部切断しました。

 

腹部は後腹膜腔を剥離して腹部大動脈および

腹部分枝動脈(上腸間膜動脈、腹腔動脈幹、腎動脈2本)を露出します。

後腹膜腔には尿路(腎臓・尿管・膀胱)や

大動脈・大静脈の大血管があります。

 

体温を34℃くらいまで冷却し、下行大動脈を

胸部に入っているステントグラフトごと遮断します。

 

大動脈瘤を切開し、中枢側吻合を行います。

(ステントグラフト末梢側部および自己血管と吻合。)

 

腹部分枝動脈も適宜、人工血管で再建し、

術中検査(脊髄の電気生理学検査)で反応を確認しながら、

必要な肋間動脈を再建します。

 

止血を確認し、胸部と腹部の傷を閉じて手術終了。

止血確認と左肺からの空気漏れを確認するため、

ドレーンと呼ばれる管を3本挿入しました。

 

10:00に始まった手術は、22:00に終了しました。

予定より少し遅れて12時間かかりました。

それでも心配された対麻痺などもなく、手術は成功しました。

 

目覚めた時は、夜中でした。

まだ人工呼吸器の管が入っていたため話すことができず、

目覚めたばかりの私は、何がどうなったのか、

プチパニックになりかけたところ、看護師さんが教えてくれて納得。

 

できれば、管を抜いた後に起こしてほしかったなあ。

起きているのにしゃべれないのは辛いだけだから・・・。

その後は、麻酔のせいで、またすぐに眠りに落ちました。

 

手術の翌日、2020年10月15日(木)も眠り続け、

しっかり目覚めた時はもう夜だったように思います。

この時は男性の看護師さんが担当して下さいました。

 

酸素マスクをしていたので、唇も喉もすぐに渇きますが、

水分の摂取はまだ認められていなかったので、

看護師さんが小さな氷をなめさせて下さいました。

冷たくて、美味しくて、目覚める度にいただきました。

 

左の脇の下から切開しましたが、手術中、左腕はどうなっていたのか、

目覚めた時に左肩が痛いと訴えると、腕をストレッチしたり、

痛い箇所をマッサージして下さって、とても気持ちがよかった!

 

ICUではウトウトはしますが、なかなか眠ることはできず、

目覚める度に看護師さんが点滴から薬剤を入れていましたが、

その行為が逆に私を目覚めさせていました。

 

手術の2日後、2020年10月16日(金)。

この日は薬の影響でとにかく眠くて眠くて、

ほとんどウトウト寝ていたように思います。

話しかけられれば起きるという感じでした。

水分は少しずつ摂取できるようになっていました。

 

この日の夜、心臓血管外科の教授が見舞いに来られ、

「こんなに大きな手術、よく頑張りましたね」

と労いの言葉を掛けていただきました。

初対面でしたが、とても優しそうな先生でした。

 

教授は数日後にも再び来て下さって、

「あんなに大きな手術をしたのに、ここまで回復して、よく頑張ったね」

と優しく声を掛けて下さいました。

 

この手術で、2011年6月に大動脈解離を起こした部分は

私の体からすべて取り除かれました。

いよいよ手術前日となりました。

10:00から浴室で毛ぞりをして、ゆっくりシャワーをしました。

 

11:30頃にリハビリ科の担当の先生が呼びに来られ、

実習中の学生さんが車椅子を押してくれました。

 

地下のリハビリ室に行くのは久しぶりでしたが、

9年前とは少し様子が変わっていて、

フロア中央にたくさんのリハビリベッドが並び、

窓際にずらっと自転車が並んでいました。

 

術後3日目くらいからICUのリハビリの先生の指導の下、

立ったり、歩いたりと軽い運動からスタートし、

一般病棟に戻ったら、地下のリハビリ室で、

担当の先生の指導の下、リハビリを始めます。

 

数人の方と一緒に体操をした後、

モニターを見ながら自転車漕ぎをします。

9年前は鼠径部を切っていたので自転車は禁止でしたが、

今は3日目以降なら自転車漕ぎもできるということでした。

 

また、要望なども聞かれたので、

バス通勤ができるくらいの体力をつけたいし、

とにかく入院中に筋力を落とさないようにしたいと伝えました。

 

14:00に脳外科の先生が到着したということで、

てっきり脳外科の外来でやるものと思っていたら、

病棟の処置室で脊髄虚血予防のための

脊髄ドレナージチューブの挿入を行いました。

 

背中を出して、膝を抱えるようにして背中を丸くします。

先生は背骨を何度も触って位置を確認し、

マジックか何かで印を付けていました。

 

その後、3度ほど念入りに消毒し、

針を刺す所に痛み止めの注射を打ちましたが、

この注射がちょっと痛かったです。

先日の動脈採血に似た鋭い痛みでした。

 

それから、チューブを差し込んで行きましたが、

最初だけ、ぐっと押されるような独特の痛みはあったものの、

その後は大した痛みもなく、20cmほどチューブが背中に挿入されました。

 

最後に皮膚に再度痛み止めの注射をして、

チューブが抜けないように2度、念入りに糸を掛け、

あとは看護師さんらが背中にフタをして、

チューブの先端部分はネット状の袋に入れて、

首から下げられるようにしてくれました。

 

終わった直後、右足にしびれがありましたが、

歩いてみたら、特に問題はありませんでした。

やはり初めてのことだったので、

どんなことをやるのかわからない不安がありましたが、

何とか無事に30分ほどで入ってよかったです。

10:00すぎに動脈から採血するため、若い先生が来られた。

 

「痛い検査なのでごめんなさい」と言いながら刺しましたが、

そのとおり独特の鋭い痛みが続き、結局は失敗に終わりました。

 

今度は右手首で再挑戦して、

最初だけチクッとやはり独特の鋭い痛みはありましたが、

その後は大した痛みもなく、無事採血に成功しました。

先生は平謝りでした。

「利き腕はどっち?」と聞かなかった方がよかったかも・・・。

 

その後は絆創膏をきつく締めて貼り、

その上に10:15と書いたシールを貼りました。

2時間後に看護師さんに剥がしてもらうためです。

失敗したおかげで、先生と初めていろいろと話し、

先生との距離は縮まったような気がします。

 

15:20くらいに看護師が来て、

麻酔科の受診が追加になったということで、

先に病室で問診票に記入しました。

アレルギーや病気のことが中心の質問でした。

15:30に輸血の検査用ということで、採血(1本)をしました。

 

麻酔科では、まずこれまでのアレルギー歴、

アレルギーが出た薬剤について詳しく聞かれました。

 

当日は0時から絶飲食になりますが、6:30までに降圧剤0.5錠と

抗ヒスタミン薬のヒドロキシジンパモ酸1錠だけ

少量の水で飲むことになりました。

 

歯についても、口を大きく開けて確認され、

結果、翌日、マウスピースを作るよう指示がありました。

 

その後、当日の麻酔の手順の説明がありました。

麻酔薬は点滴から入り、30秒ほどで眠ってしまいます。

通常、全身麻酔はガスを使いますが、

今回は脊髄の圧を下げる管を入れている関係で、

最後まで点滴で麻酔薬を入れるそうです。

 

また、今回は首の動脈から、

重要な薬剤を安全かつ確実に体に投与し、

大量の輸液や血液製剤を安全かつ急速に投与するとのこと。

 

そして、心臓の機能をより詳しく調べるために、

中心静脈カテーテルと肺動脈カテーテルを留置します。

 

この他、術中には経食道心エコープローベを挿入し、

異常の早期発見やより詳しい心機能の評価を行うそうですが、

眠っている間なので患者に負担はありません。

 

こちらから、術後の痛みのコントロールについて尋ねると、

術中にたっぷり薬を入れておくし、

その後はカテーテルから薬も入れられるということでした。

 

この麻酔科の先生との話の中で、

今回の手術は心臓を止めないでやることを初めて知りました。

 

人工心肺装置を使うので、当然、心臓は止めるものと思っていましたが、

胸部にステントグラフトが入っていて、

今回はステントの下から開胸するということで、

心臓から少し距離があるため、心臓は止めないでできるとのこと。

その代わりに、体温はあまり下げられないそうです。

 

麻酔科の後、引き続き脳神経外科を受診しました。

明日(手術前日)、背中からドレナージチューブを入れるので、

その方法などについて説明がありました。

 

すべり症による脊柱管狭窄があることを伝えると、

もしかしたらチューブは入れにくいかもしれないと言われました。

 

うまく行けば30分くらいで入れられますが、

難しい時は2時間くらいかかることもあるとか。

入れた後、2時間くらいは横になっていなければいけないみたいです。

 

術後はチューブを開放したままになり、

頭を高く上げると髄液が漏れるので、注意が必要。

チューブをいつまで入れているかは心外科の先生が決めるようですが、

大体5日間から1週間くらいのようです。

 

背中にチューブを入れるのが初めてなので、

ちょっと怖かったです・・・。

2020年10月10日(土)9:30から、

棟の説明室で手術の詳細を聞きました。

普通は家族も呼んで一緒に説明を聞くようですが、

私はいつも「独り暮らしだと思って下さい」と話していて、

このような説明も、手術の当日も、家族は呼びません。

 

説明は病気の現状、手術方法など、

先日外来で聞いた説明のおさらいから始まって、

いよいよ手術の詳細説明に入りました。

看護師さんも一人、同席されました。

 

手術前日、脳神経外科で脊髄虚血予防の

脊髄ドレナージチューブを背中に挿入します。

手術は当然、全身麻酔で行います。

体を消毒した後、

左側胸部(脇の下)から下腹部(へその横)まで大切開します。

鼠径部を切開して、大腿動静脈を露出します。

ヘパリンの注射をした後、大腿動静脈からカニューレを挿入し、

人工心肺に装着します。

(血行遮断中、下半身のみに血液を送るため)

 

胸部は左肺をよけて、下行大動脈を露出します。

皮膚を切開した後、横隔膜も切開、

肋骨も2本は切ることになります。

肋骨は広げる時にもう1~2本折れてしまうこともあるらしい。

(という話でしたが、実際は6本全部切断しました。)

 

腹部は後腹膜腔を剥離して腹部大動脈、

腹部分枝(上腸間膜動脈、腹腔動脈幹、腎動脈2本)を露出します。

腹膜腔には胃や腸があり、

後腹膜腔には尿路(腎臓・尿管・膀胱)や

大動脈・大静脈の大血管があります。

 

体温を冷却し、下行大動脈を

胸部に入っているステントグラフトごと遮断します。

瘤を切開し、中枢側吻合を行います。

(ステントグラフト末梢側部および自己血管と吻合します。)

 

腹部分枝は適宜、人工血管で再建し、

術中検査(脊髄の電気生理学検査)をしつつ、

必要な肋間動脈を再建します。

 

止血を確認し、胸部と腹部の傷を閉じて手術を終了します。

また、止血確認と左肺からの空気漏れを確認するため、

ドレーンと呼ばれる管を挿入します。

 

手術予定時間は、約10時間。

術中所見により術式が変更となる可能性があります。

 

引き続き、予想される合併症の説明がありました。

術中の大動脈破裂や上行大動脈の解離等で

死亡してしまう可能性があります。

 

血管のゴミ(コレステロール等)が飛ぶことにより、

脳梗塞、脳出血、心不全、危険な不整脈、急性心筋梗塞、

狭心症、血栓塞栓症が発症する恐れがあります。

 

横隔膜を一度切ることにより、肺機能の低下が予想されます。

呼吸不全、横隔神経麻痺、横隔膜ヘルニア、

長期人工呼吸器管理(→気管切開術)となる可能性があります。

 

各臓器を動かすため、腎不全(→透析、肝不全)、腸管損傷、腸閉塞、

尿管損傷、腹壁瘢痕ヘルニア、下肢虚血、腸管虚血などもあり得ます。

人工血管や傷がばい菌に感染してしまうこともあります。

 

先生が一番心配しているのは、

脊髄の虚血による対麻痺や膀胱直腸障害。

そして、長い間ICUにいることで、

ICU症候群(不穏・不安・せん妄)を発症する方もいらっしゃるとか。

 

これらを踏まえて、日本のこの手術を受けた方のデータによると、

手術死亡率5.9%、合併症が起こる可能性36.6%、対麻痺9.7%・・・と、

合併症はある程度覚悟しなければいけないようですが、

重症にならないことを祈るばかりです。

 

この後は、質問タイム。

好奇心旺盛な私は、いろんな質問をしました。

 

人工血管は1本のホースのようなものなのか尋ねてみると、

人工血管には予め分枝がついているらしく、

主要な分枝動脈はそこと吻合するみたいですが、

新たに再建する動脈が増えた場合は、

人工血管に穴を開けて吻合するそうです。

 

また、人工血管の素材を尋ねると、

ポリエステル繊維のようなものだそうで、

術後は血液サラサラの薬を飲まなければいけないのかと聞くと、

バイアスピリンを服用してもらう予定とのこと。

 

バイアスピリンなら今までも飲んでいたので、

「それなら納豆は食べられますよね?」と聞くと「はい」との答え。

場合によってはワーファリンに変えることもあるけれど、

今はワーファリンではなく、納豆も食べられる別の薬もあるとのことで、

どうやら納豆禁止にはならないようで・・・よかったです!

 

それから、脊髄を栄養している動脈の

再建が難しいという話は前から聞いていましたが、

いつもCTの画像ばかり見ていたので、

先日撮ったMRIの画像を初めて見せてもらいました。

 

やはりCTに比べると不鮮明な画像でしたが、

大動脈と脊髄を結ぶ血管が見えました。

1本はある程度の太さがあってわかりやすいのですが、

もう1本は細くて1mmほどしかなく、

それでダメなら手術中に実際に見て再建する動脈を増やすようです。

 

そして、何か希望があれば・・・ということだったので、

先日いただいた診断書には、

術後4週間で退院、自宅で4週間の安静静養、

その後仕事は可能と書いてありましたが、

私の場合、家に帰ると、家事や母親の介助など、

すべて私がやらなければいけなくなるので、

実は、会社に行って仕事をしていた方が、

ほとんどイスに座ってパソコンを操作するだけなのでずっと楽。

 

ただ、私はバス通勤をしているので、

バス通勤するだけの体力が戻らないと出勤もできません。

できればその体力がつくまで病院でリハビリをしたい旨を伝えました。

 

また、何度かすでに話をしていましたが、

ICUで仰向けで寝ている状態が続くようなら、

私には「すべり症による脊柱管狭窄症」という持病があるので、

ベッドは体が沈まない程度の硬さで、

膝の下にはバスタオルなどを入れてほしいとお願いしました。

 

これで先生の話は終了、たくさんの同意書にサインしました。

説明から帰ると、ちょうど10:30。

1時間も話していたとはビックリしました。

 

とにかく大変な手術であることはわかっていましたが、

痛みもかなりのものらしく、しばらくは点滴から痛み止めの薬を入れ、

最初は恐らく麻薬系の薬も使うことになるようです。

あとは、服薬と合わせて痛みをコントロールして下さるそうです。

 

手術の流れはわかりましたが、私は「まな板の鯉」。

あとは先生方にお願いするのみです。

2020年10月8日(木)、入院2日目。

9:15頃、歯科口腔外科から呼ばれました。

 

まずは、画像診断検査室で顎のレントゲン写真を撮り、

その後、歯科口腔外科に行きました。

事前に「悪い歯やぐらぐらの歯は抜かれる」と聞いていたので、

恐る恐る受診しました。

 

女性の先生に診察してもらいましたが、

やはり右上の奥歯が1本ぐらぐらしていると指摘されました。

それは私もわかっていたので「ヤバイ!」と思いました。

 

そして、その歯の写真を撮ったところ、根っこはしっかりしていたようで、

とりあえず今は抜かなくてもよいことになりホッとしました。

最後に、歯科衛生士さんが歯の汚れを簡単に取って終了。

 

後で病室に届いた診断書には、「歯の状態は良好」と書いてありました。

9月末までに、虫歯になりかけている歯の治療や、

クリーニングしておいたかいがありました。

 

ただ、手術の時には口からたくさんの管を入れるため、

ぐらぐらの歯がさらにぐらぐらになる可能性があり、

手術の2週間後に再度受診することになりました。

 

10月13日(火)、手術の前日ですが、

12:45頃、急きょ、麻酔科からの依頼で、

ぐらぐらの歯を保護するため、マウスピースを作ることになり、

歯科口腔外科を再度受診しました。

 

この時はやさしい男性医師が担当して下さって、

歯を確認した後、マウスピースの型取りをしました。

 

16:30頃、再び歯科から呼び出しがあり、

出来上がったマウスピースの確認に行きました。

 

半透明な柔らかい素材のマウスピースで、

一度先生が入れて確認した後、

今度は自分で出し入れできるかやってみました。

特に問題はなかったので、それを病室に持ち帰りました。

手術当日は、このマウスピースをして手術室に行きます。

前日は1時間ほど残業して、

一緒に残っていた上司二人に挨拶をして、

しばらくお仕事はお休みをいただくこととになりました。

 

2020年10月7日(水)、8:45頃に大学病院に到着。

大学病院では、全身麻酔の手術を予定している入院患者全員を対象に

入院前にPCR検査を実施することになっていて、

費用は国が全額負担することになっています。

 

私も入院の大量の荷物とともに指定されたPCR検査場へ向かうと、

すでに5~6組の方が廊下で待っていました。

 

8:55から検査が始まり、9:10に順番が回って来ました。

マスクを下にずらして鼻を出し、

片方の鼻の奥を長い綿棒でこすった後、

そのまま綿棒を鼻に入れたまま10秒。これで検査は終了です。

 

それから、心臓血管外科の窓口へ行き、

大量の荷物はここで預かってもらい、問診票に記入。

内容は「風邪の症状はないか?」「最近、東京や大阪に行っていないか?」

「コロナウイルス陽性だった人と接触していないか?」などでした。

 

その後、看護師さんがやって来て、

おでこの熱と(36.2℃)、酸素濃度を測り(97%)、

あとは「12時に入退院センターで手続きをして下さい」ということで、

PCR検査の結果が出るまで、3時間ほど暇つぶしをしました。

 

まずは、前から計画していたとおり、生命保険会社に電話をして、

今日から入院するから保険請求に必要な書類を郵送しておいて下さいと依頼。

あとは病院のプリペイドカードに入金。

その後は、病院内の人通りが少ないベンチで時間を潰しました。

 

11:55に心臓血管外科の窓口で荷物を受け取り、

入退院センターに行くと、すでにたくさんの方がお待ちで、

もっと早く来なければいけなかったか~と思っていたら、

12:00になって最初に呼ばれたのが私でした。

手続きは簡単に終了し、書類を持って6階の西病棟へ。

 

今回の病室は653号室で、初めて山側の病室になり、

しかも窓際だったので、景色が最高でした。

卯辰山や山側外環状道路がよく見えますし、

何より天気がよくわかるのがよかった・・・。

 

前回の検査入院の時は、病室の暑さに困りましたが、

季節は秋になり、前よりは涼しくなったものの、

ちょっと動き回るとやはり汗が出ました。

おかげで、しばらくはプチ扇風機も役立ちました。

 

早速、大量の荷物を整理し、病衣に着替えましたが、

この日は主治医が朝から手術に入っていて、

新たな検査のオーダーが入れられず、鼻の奥の細菌検査だけ行いました。

夕方からは、胸の3箇所に心電図の電極を装着。

この心電図の機器が古くて重いのなんの。

手術後もずっとこの機器と一緒で、本当に「邪魔」でした(笑)。

 

夜、私の担当となった若い先生が挨拶に来られました。

主治医はまだ手術中らしく、その先生も手術衣のままでした。

こうやって、今回は執刀医・主治医・若手の先生2人の4人の先生が、

全員または交代で毎日朝晩、様子を見に来て下さいました。

 

PCR検査の結果は陰性で、念のため、会社にも報告しておきました。