2022年12月3日(土)の高岡の旅の続きです。

 

高岡おとぎの森公園を後にすると、

最後の目的地、瑞龍寺に向かいました。

公園から車で10分ほどでした。

 

 

国宝・瑞龍寺は、高岡を代表する有名なお寺なので、

混雑を予想し、ランチの時間を狙って行くことにしましたが、

予定がスムーズに行きすぎて、11:45に到着。

次から次と観光客は訪れていましたが、

団体客とは会わなかったのでよかったです。

 

まずは境内図を載せておきます。

瑞龍寺は七堂伽藍(しちどうがらん)と呼ばれる

7つの主要な建物が回廊で結ばれている大きな禅宗寺院です。

 

 

鎌倉時代に広く我が国にもたらされた

中国の寺院建築を模して建立されたもので、

総門・山門・仏殿・法堂を一直線に配列し、

左右に禅堂と大庫裏を置き、加えて四周を回廊で結ぶ、

厳粛かつ整然とした伽藍構成です。

 

こちらは総門。

正面三間の薬医門形式で正保年間(1644~1648年)の建立。

国の重要文化財に指定されています。
 

 

総門前の立て看板に貼られていた奇妙な絵。

禅宗七堂伽藍人体表相図だそうです。

 

 

それでは、早速総門をくぐって中へ入りましょう。

前田家の梅鉢紋が目立ちます。

 

 

荘厳かつ美しい佇まいの瑞龍寺は、

高岡の開祖、加賀前田家2代当主・前田利長の菩提寺。

前田利長公の菩提を弔うため、

3代当主・前田利常によって建立されました。

 

山門、仏殿、法堂が一直線に配列されていて、

山門の手前に立つと、門を借景にして

奥にある仏殿の姿を美しく捉えられます。

 

 

次に見えて来たのが山門で、国宝に指定されています。

 

 

現在の門は1820年(文政3年)に竣工したもの。

高さは約18mで寺院内で最も高い。

 

 

二重門(2階建てで、上層と下層の境にも軒の出をつくるもの)で、

屋根は入母屋造、杮(こけら)葺き。

 

二重門では下層の屋根を上層よりも大きくつくることが多いのですが、

この門は上層と下層の屋根の出があまり変わりません。

これは積雪時に上層屋根から落下した雪が

下層屋根に当たるのを防ぐためといわれています。

 

 

下層左右には金剛力士(仁王)像、

上層内部(楼上)には宝冠釈迦如来と十六羅漢像を安置しています。

 

 

 

 

 

山門を裏から見てみると・・・。

 

 

 

山門をくぐると、正面に仏殿が見えて来ます。

右手の大きな建物は大庫裏(おおくり)で、重要文化財。

 

 

大庫裏は、調理配膳や寺務運営を行った建物。

建物は桁行10間(19.7m)、梁間6間(13.9m)で、

切妻造り柿葺(こけらぶき)で向拝が付いています。

 

 

正面中央に「香積堂」の額を掲げ、

厨子内に韋駄天像(木像、高さ約90cm)を安置しています。

 

 

右手は竈(かまど)や流し、調理台を置く炊事土間になっていて、

左手には寺務運営を行った畳敷きの大広間と板の間があります。

 

 

境内図をもう一度。

 

 

大庫裏と大茶堂の間をつなぐ回廊の途中にあるのが鐘楼。

 

 

鐘楼の1階には、延命地蔵菩薩が安置されています。

2階には梵鐘があり、大晦日に除夜の鐘が鳴らされます。

 

 

この辺りの回廊(北回廊)だと思います。

大伽藍を囲む周囲約300mの回廊は(重要文化財)、

北回廊、南東回廊、南西回廊からなり、

回廊の左右の壁は、規則正しく並んだ柱と白壁、

格子枠の障子戸が特徴。

 

 

大庫裏の向かい側にあるのが座禅修行をする禅堂(重要文化財)。

座禅だけを行う場合は「禅堂」、

食事等の修行も合わせて行う場合は「僧堂」と呼ばれます。

瑞龍寺は、食事用施設も付随しているので「僧堂」。

 

 

国の重要文化財に指定されている三棟の禅堂(僧堂)の一つ。

他は、京都の東福寺(臨済宗)と字治の萬福寺(黄檗宗)。

 

 

禅堂の当初の建物は1746年(延享3年)に焼失し、

直後に再建されました。

 

 

瑞龍寺の僧堂(禅堂)は「古規僧堂」として高く評価されています。

古規僧堂では、

坐禅をする場所(單)

法服寝具を納める棚(函櫃、カンキ)

坐禅のあい間に歩く廊下(経行廊、キンヒンロウ)

が備わっていることが大切です。

瑞龍寺の僧堂はすべてそれらが整っています。

 

 

更に黄檗宗の影響が見受けられます。
一、文殊菩薩(聖僧さま)の背後に来迎柱、来迎壁が存在する。
一、單にあがる際の踏み台(踏床、フンショウ)がある。

 


 

他にない特徴として、

函櫃の上は明かり障子である場合が多いが壁となっています。

構造として夏は涼しく冬は暖かく留意されており、

採光はたそがれ時の明るさを保つよう工夫されています。

 

こちらは禅堂近くにあった開梛(かいぱん)。

時を報ずるための魚板で、木製で口に珠をくわえた

長魚の形(主に鯉)をしていて、魚が泳いでいるように吊ってあります。

私はかなり前に萬福寺で見た開梛が記憶に残っています。

 

 

(つづく)