2015年11月8日(日)、善光寺散策の続きです。
世尊院釈迦堂を後にして表参道に戻りました。
仁王門も目の前に迫ってきました。
次は仁王門をくぐった後、すぐ右手に見えてきた
善光寺大本願です。
大本願は、善光寺の創建(西暦642年)当初から
その歴史を共にしてきた尼僧寺院です。
大本願の創建以来、尼公上人をもって住職とし、
代々皇室関係の方々が入山されています。
近世において、尼僧では伊勢・慶光院、
熱田・誓願寺とともに日本三上人と言われていましたが、
今日では大本願の上人様のみが法灯を継承されています。
現在は浄土宗の大本山。
大本願は善光寺の入口にあり、
善光寺上人のお住まいのお寺です。
境内は約3,000坪あります。
明治24年の火事で焼失。
今の建物はその後再建されたものです。
善光寺縁起によると、西暦552年に
百済の聖明王から献上された一光三尊像が
排仏派(物部氏)の手により
難波の堀江に投じられていたのを、
信濃の人「本田善光」が背負って招来し、
皇極天皇の御発願により
642年に善光寺が創建されました。
その時、大臣蘇我馬子の姫君を
天皇御杖代として遣わされて守護にあたらせたのが
大本願の起こりで、この方が開基尊光上人です。
大本願は以降代々尼公上人が善光寺上人として、
その伝統を継承されてきました。
現在は第121世「鷹司誓玉上人」が継がれています。
大勧進の貫主(かんす)と共に善光寺住職を兼ねており、
毎朝善光寺本堂で行われるお朝事に出仕されます。
入口を入ってまず左手を見ました。
奥に見えるのが明照殿です。
明照殿は大正3年、
法然上人の明照大師号をいただいて建立され、
平成20年に改築されました。
大広間は、経文わり出しの御殿と言われ108畳敷き、
正面に善光寺如来が安置されています。
法要が行われたり、講演、講習会が催されたりしていますが、
参詣者の休憩の場にも供されています。
明照殿の手前に見えていたのは寿光殿。
昭和54年造営、第120世一條智光上人が命名された、
地上2階、地下1階の御殿です。
2階広間の正面祭壇に文化勲章受賞者、
北村西望氏力作の聖観世音像が安置されています。
襖絵は、中国桂林市、揚永居画伯の筆により、
平成元年7月に完成した中国の伝統芸術に
新しい感覚と技法を数多く駆使した大作です。
入口から入って右手を見るとこんな感じです。
正面に見えた石碑には芭蕉の句が刻まれています。
月影や 四門四宗も 只一つ
紹介文によると、この句は松尾芭蕉が
今から300年前の元禄元年(1688年)8月、
木曽路と更科の月見の旅を楽しんだとき、
善光寺にも詣でて作句されたもの。
仏法は四門四宗と分かれていても、
澄み切った月のように帰するところは一つということ。
芭蕉はこの旅を足ならしとして、
翌年奥の細道の旅に出ました。
この碑は更科紀行300年を記念して建てられました。
こちらは「本理院殿地蔵」です。
徳川三代将軍家光の御台所として
関白鷹司信房の二女の孝子が迎えられました。
しかし、子供もなく、家光没後は本理院殿と称し、
淋しい生涯を72歳まで中の丸御殿で送りました。
その遺骨の一部は善光寺の霊屋に納められましたが、
災害で焼失、天保3年(1832)大奥18名の女性が
供養のため地蔵を奉建しました。
そして、こちらには善光寺の経蔵で見られなかった
輪廻塔と似たようなものがあったので、
こちらで丸い石をぐるっと一周回して来ました。
こちらが本誓殿で、大本願の大殿です。
平成8年11月に総桧造りの本堂として再建されました。
ご本尊は、善光寺一光三尊阿弥陀如来で、
善導大師像、法然上人像をはじめ本田三卿像、
歴代お上人の位牌等が安置されています。
正面向拝の扁額「本誓殿」は久邇宮朝彦親王の御筆。
中が覗けるように少しだけ戸が開いていました。
なので隙間から望遠で撮ってみました。
ご本尊の善光寺一光三尊阿弥陀如来のようですね。
これは誰かな?
本誓殿の右手前には水子観音でしょうか?
こちらの像も赤ちゃんを抱いていますし、
小さな像も周りを取り囲んでいます。
奥には六地蔵のようなお地蔵様が並んでいます。
こちらは本誓殿の正面にあった香炉でしょうか?
狛犬のような動物が親子のように2体並んでいます。
本誓殿の左手前には箱庭のような池が・・・。
本誓殿のすぐそばにはやはり賓頭盧尊者が・・・。
手前のお花のような形をしたものは水甕ですかね?
とにかく、菊の御紋が目立っています。
この他にも宝物殿・位牌堂・奥書院・表書院・
文殊堂などがあります。
宝物殿には歴代皇室の遺品や
浄土宗宝(二十五菩薩来迎図)などの宝物が
たくさん展示されています。(拝観料200円)
奥書院は昭和55年に再建された総桧造りの御殿。
1階広間は、尼公上人が信徒にお会いして、
御十念をお授けになられる間。
2階は、貴賓室になっています。
表書院は表門の正面に位置し、
尼公上人が本堂へお上りなど
公式行事に使われる玄関となっています。
内部は古い型式の広間になっていて、
お授けの間ともよばれています。
webより
尼公上人が団体参拝者とのお会い、
お剃度式(信徒の希望により尼公上人から
髪にカミソリをいただいた上、仏さまのお弟子となった
法号を授かる儀式)が行われます。
秋のお十夜行事の期間中は、毎夜お説教が行われ、
お上人より利剣名号を授かる所でもあります。
文殊堂は、平成元年11月落慶。
智恵を司る文殊菩薩と、
人々の幸せを願う普賢菩薩が祀られています。
webより
現在も、入試を控えた受験生の合格祈願、
七五三の子ども達の成長祈願に
多数の方々がお参りしています。
私たちは表参道に近い所だけ見てきたので、
ほとんどはHPから写真と文章を拝借しました。
その中で、お会いできなくて残念だったのがこちら。
「ひとにぎり地蔵尊」です。
現在の善光寺上人第121世鷹司誓玉大僧正様が
不安要素の多い現生において、
普く信徒の幸せを願い平成24年12月に建立されました。
辛いとき 悲しいとき 苦しいとき
左手でギュッとひとにぎり
安らぎとみなぎるパワーを頂けるでしょう
陶器製の「ひとにぎり地蔵」も販売しています。
ひとにぎりすることにより今日一日のパワーと
情緒不安時に落ち着きとやすらぎを得ることができます。
1個1,000円です。通販もしていましたよ。
この愛嬌があるお顔を見ているだけで、
心が落ち着きリラックスできるような気はしますね。
もう一度善光寺を訪れることがあったら、
買ってみようかなあ・・・。
(つづく)























