先週、毎年開催するうちの主催の講演会があり、
今年は地元の○○病院の院長先生に来ていただき、
「うつの現状とその対応 ~どう向き合うのか~」
というテーマで約1時間、お話していただきました。
「うつ病」まではいかなくても、一時的にうつ状態に陥ったり、
憂鬱な気分になったりすることは、
恐らくどなたも経験されていることと思います。
ただ、どこからが「うつ病」と言うのかという線引きや、
実際にお友達が「うつ病」らしき症状で会社に行けなくなり、
長期間、休暇をとっていることもあり、
そういう人には、どう対応していったらよいのか、
きっと「がんばって!」なんて言うと、逆効果だろうし・・・。
なんてことを最近考えていたので、
この講演内容は、短時間ということで簡単なものでしたけど、
とても勉強になりました。
Webで調べれば、詳しく書いてあると思いますが、
せっかくなので、勉強したことを少しだけまとめておきたいと思います。
【うつ病の分類】
①双極性感情障害
躁(そう)と鬱(うつ)を繰り返す。
発症すると症状が激しい場合が多く、
自殺未遂などで運ばれてくる患者さんにこのタイプが多い。
ちなみに、うつ病の場合は抗うつ剤を処方するのに対し、
躁うつ病の場合は、躁とうつの波を小さくする薬が処方される。
②反復性うつ病
ちょっとしたショックで発病し、躁状態がなく、うつ病を繰り返す。
③うつ病エピソード
最初の診断で、うつ病なのか躁うつ病なのか不明という場合に、
「うつ病エピソード」という診断を下す。
④うつ状態 (適応障害、気分変調症など)
本人はしっかりしているが、人間関係などが原因で、
不安に陥ったり、ストレスを蓄積したりする。比較的軽いうつ病。
⑤新型うつ病
最近の若い人に多いタイプ。
家で過ごしたり、友達と楽しいことをする時は元気なのだが、
会社に行くと、うつ状態に陥ってしまう。
原因の大半が人間関係で、私がこうなったのは、あの人のせいだ!
みたいに、自分の権利意識が強く、職場と対立していく。
こういう人に対して、先生がアドバイスすることは、
決して会社と対立関係にならないこと、自分にマイナスに働くからと。
【うつ病・うつ状態の症状】
①憂鬱な気分
②不安・焦燥感 (胸がドキドキ、息苦しい、過呼吸など)
③悲観的思考
以前は・・・「私はこの会社に役立たない人間なんだ」と考える
現代は・・・「こんな状態になったのは会社のせいだと」不機嫌になる
④意欲・興味の喪失
⑤思考力の低下、能率の低下、集中困難
頭の回転が鈍くなり、今まで15分でやっていた仕事が1時間かかる
→もともと仕事ができた人だから、申し訳ない気分になる
→「がんばれよ」と声をかけることがストレスになる
→「がんばれ」とは言わず、「休んだら・・・」とアドバイスする
⑥易疲労性 (人と会うと疲れる、仕事をすると疲れる)
⑦睡眠障害 (途中覚醒、早朝覚醒)
朝3時頃に目が覚め、大きな溜め息をつきながら天井を見つめる。
そういう人は朝の調子が一番悪く、突然自殺を思い立つことも。
⑥妄想 (被害妄想など)
自分が仕事ができなくて、会社に迷惑をかけている・・・、
みんなが自分のことを嫌っている・・・といった妄想。
⑨自殺念慮
私たちが支えて行くから、決して自分で自分の体を傷つけないよう、
先生は治療の際に話しているそうです。
ちなみに①から②は治りやすいタイプですが、
その他を治すには時間がかかる場合が多いそうです。
【うつ病になりやすい性格傾向】
うつ病・うつ状態は誰にでも起こりうる!
①循環気質
比較的社交的で、明るく、活発な人は気分の波が激しく、
双極性感情障害に陥りやすい。
②几帳面、こだわりの強い人
失敗すると引きずるタイプの人。
ああすればよかった、こうすればよかったと後悔が続く。
③仕事熱心、まじめ
初期の段階で休暇を取るなどすればよいのだが、
仕事に熱心なために、結局は疲れ果てて、悪化させてしまう。
④性格的に偏りがある人(適応障害)
親子の分離失敗(親離れできない)や対人関係が依存的な場合、
例えば、彼ができて、ずっと彼のそばから離れたくないといったとき、
彼とのトラブルがあって、彼との分離不安が起こった時に、
それを解消する手段として、自分の体を傷つけたりする。
【発症の契機】
①周期的な気分変動・・・躁とうつの波
②季節性うつ病・・・カナダや北欧に多い (冬型うつ病など)
③過重労働による疲労の蓄積
不満を持ちながら長時間仕事をする。
IT関係のSEなどは、期限付きの徹夜仕事が続き、なりやすい。
④更年期うつ病
ホルモンバランスの崩れによる体調不良だけが原因ではない。
50代前半になると、大きな変換期を迎える。
職場では、若い人が入って来てよい仕事をすると、
自分はそろそろ引退かと考えるし、体の衰えも感じ始める。
家庭では、娘が結婚し子どももでき、安心と幸せを感じていた時に、
実は・・・と娘から離婚の相談を持ちかけられたりする。
⑤引っ越しうつ病、転勤うつ病、昇進うつ病
引っ越し疲れ、仕事の引き継ぎによるストレス、環境の変化。
課長に昇進したことによる孤立化、上との意見の対立→腹立たしさ。
⑥職場での失敗→失望・後悔・罪責感の持続→うつ気分
⑦人間関係上の問題→怒りの持続・孤立感→うつ気分
⑧以前の体験の燃え上がり(フラッシュバック)
時々、以前の嫌な体験が思い出されてうつ状態になる。
会社に近づくだけで嫌な気分になる。
【うつ病・うつ状態の治療】
①早期発見・早期治療
②休息 (大げさなくらいがよい)
③薬物療法
④支持的な精神療法 (支えてあげますという態度を表明する)
⑤種々の支援 (家族・職場・産業医など多ければ多いほどよい)
【軽症うつ病の早期発見のための簡易質問】
①朝、いつもより早く目が覚める
②朝起きた時、陰気な気分になる
③朝、いつものように新聞やテレビを見る気になれない
④服装や身だしなみにいつものように関心がない
⑤仕事に取りかかる気になかなかなれない
⑥仕事に取りかかっても根気がない
⑦決断がなかなか着かない
⑧いつものように気軽に人と会う気にならない
⑨何となく不安でイライラする
⑩これから先やっていく自信がない
⑪「いっそのこと、この世から消えてしまいたい」と思うことがよくある
⑫テレビがいつものように面白くない
⑬淋しいので誰かそばにいてほしいと思うことがよくある。
⑭涙ぐむことがよくある
⑮夕方になると気分が楽になる
⑯頭が重かったり痛かったりする
⑰性欲が最近は落ちた
⑱食欲も最近落ちている
5個以上あてはまった場合は、うつ状態にあるかもしれないので、
無理をしないで休みをとり、気晴らしして、長引かないようにする。
8~9個ある人は、誰でもよいので相談してみる。
家族や同僚が「休みをとったら?」「お医者さんに行ったら?」
などと後押ししてあげられるとよい。
というような内容でしたが、いかがでしたか?
何かの参考になればと、紹介してみました。
実際、姉さん自身も、職場の人間関係の問題については、
就職した時からずっと絶えずあり続けているし、
それに対する不満もあって、ストレスを増大させたりしていたので、
恐らくそんな時はうつ状態にあったのだろうと思います。
ただ、仲良しお姉さんに話を聞いてもらったり、
こうやってブログを通して愚痴を吐き出すことでストレスを減らしたり、
時にはお友達からよいアドバイスをいただいたりして、
うつ状態から脱してきたのだと思います。
特に、対人の仕事をしているから、
自分の体調が悪くても、仕事の時は無理にでもテンションを上げ、
そして、ちょっとトイレ休憩・・・と、誰もいない廊下に出たら、
ハァ~と大きな溜め息をついたりなんかもしているけど、
そうやって、どこかで息抜きしながら、やっていくしかないですよね。
若い頃は、典型的なA型と言われ、
真面目一本だったかもしれませんが、
今ではちょっと余裕を持って仕事ができるようになりましたね。
そして、昨年大病したことで、体質もすっかり変わったけれど、
意識や考え方も随分変わったみたいです。
死んでいてもおかしくなかったのに、命が助かったということで、
何でしょう、気持ちが大きくなったと言うのか、
小さなことでああだこうだ考えていてもしようがない・・・みたいなね。
あと、どれくらい命があるかはわからないけれど、
こうなったら、残りの人生思いっきり楽しみたい!って感じです。
だから、嫌なこと、不満なことはあっても、
ずっと持っていないで、さっさと流すか、吐き出すかして、
常に楽しい状態でいたいなあと思うようになりましたね。
人間だから、いろいろあるのでしょうけど、
やっぱり先日の「病は気から」ですね!
うつ病も、例外ではないと思いますよ~。
姉さんのお友達も、先週から職場に復帰しましたが、
最初は1時間からということで、
すぐに元の環境に戻すのではなく、
徐々に慣れていくように職場も配慮して下さったみたいです。
私もそっと見守っていきたいと思っています。