10年前、盲腸になりまして☺~その10~ | Natural Healing 陽&月

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自然や植物、香りから心と身体を癒していくサロンです

こんにちは。

『Natural Healing 陽&月』のKAORIです☺

 

 

 

では今回も私が10年前に

盲腸になったときのお話です☺

 

 

~前回のあらすじ~

 

 

10年前、21歳だった私は

原因不明の腹痛に悩まされていた。

 

痛みがあまりにひどくなり、大学病院を紹介され

CTをとってみるとひどい虫垂炎だったと発覚。

 

即入院、そして手術を言い渡され

翌日、無事に手術が終わり

しばらくの入院生活が始まったのでした☺

 

回復していくうちに

いろんな恥ずかしいこともあったりして。

 

そして入院していく中で

自分の命の大切さについて

少しずつ気づいていきました。

 

 

 

では、続きにまいります~!

 

 

 

 

 

 

 

入院生活の朝は早い。

 

 

それは、カーテンが薄く

朝陽が容赦なく差し込んでくるから。

 

そして、忙しそうに動き回る看護師さんの足音や

周りの病室から賑やかな話し声が

朝早くから聞こえてくるからだった。

 

 

だから、どんなに眠くても

6時半には目覚めた。

 

それまで、仕事は遅番で出勤することが多く

普段8時半~9時に起床していた私は

早く起きた朝の時間を持て余していた。

 

今まで見たこともなかったのに、朝ドラを見て

ゆっくり食事をした後に、読書をして、日記を書いて

 

今まで慌ただしく仕事の準備をしていた朝が嘘のように

とても穏やかな朝の時間を過ごしていた。

 

 

病室はひとり部屋で静かだし

窓の外から見える景色は、とても広い空と

豊かな新緑の雑木林が広がっていて気持ちいい。

 

時間や予定に追われることがない

何にも縛られない

 

そんなゆっくりとした毎日の中で

心と身体が少しずつ癒されていくのを感じた。

 

 

 

 

 

 

早いもので、手術から数日が経つと退院の話をされた。

 

術後なので体調は悪いし、体力は落ちていて

「こんな早く退院していいの?」と思ったけれど

 

ひとり部屋ということで入院費も高いし

これから入院を控えている人もいると考えれば

私が長く入院しているわけにもいかない。

 

 

 

そして、退院を控える私に

看護師さんはあることを言った。

 

「ガスが出たら言ってね☺」

 

 

ちなみに、ガスとはおならのことである。

(そりゃそうだ)

 

 

ガスが出れば、手術した腸が

正常に機能しているとわかるのだろうか。

 

詳しいことはよく分からないけれど

きっと「ガス」が退院の大切なポイントであり

術後、回復している証拠なのだろうと思った。

 

 

だから、看護師さんはこまめに訊いてくる。

 

「ガス出た?」

「ガス出たら忘れずに言ってね」

 

ふと顔を合わせれば、ガス・ガス・ガス。

 

多分プレッシャーをかけないように気を遣って

さりげなく、優しく訊いてくれるんだけど

自分で勝手に「出さなきゃ」と意気込んでしまう。

 

 

そして不思議なことに

ガスを意識すればするほど、ガスが引っ込むのだ。

 

 

だってさ、ひとり部屋だとはいえ

まだ21歳の女の子だったわけで

 

看護師さんやお医者さまが

いつ病室にやってくるか分からないのに

そんな豪快におならなんてできないじゃない。

(別に豪快にしろとは言っていない)

 

 

がんばって「出さなきゃ」って意気込んでいると

看護師さんが様子を見にやってきてくれたり

がんばっていきもうとしても、術後のお腹が痛んだり

なかなかリラックスしてガスが出せない状況。

 

そのうち、ただ単にガスが出ない状況なのか

恥じらいでガスが出ないのか、分からなくなってきた。

 

 

そのまま退院予定日が近づき

そろそろガスを出さねばと、しびれを切らす頃

 

静かな病室で、もう一度ガスを試みた

すると「これはおならなのか?」「一応おならな気がする」

というくらいの、うっすらとしたガスが出た気がした。

 

もっとしっかりした、正真正銘

胸を張れるほどの「おなら」の方がいいのかな?

 

このうっすらとしたガスを「ガスが出た」って

言っていいものか・・・とても悩んだけれど

 

恥ずかしくて、これ以上のものを出せる気がしなかった。

 

 

 

だから、意を決して看護師さんに伝えることにした。

 

看護師さんて、なんであんなに美人なんだろうね。

 

美人なお姉さんに「おならが出た」なんて

本当は言いたくないけど、言わなきゃいけない。

 

 

なるべく伝えやすい、フレンドリーな看護師さんに

伝えようと決めると、ちょうど彼女が様子を見にやってきた。

 

 

正直、心臓が軽くバクバク言うくらい緊張した。

 

言うぞ・・・ガスが出たって言うぞ・・・!

 と意気込み、おそるおそる声をかける。

 

 

 

「あの・・・たぶん・・・ガス、出ました」

 

多分、消え入りそうな声だったと思う。

 

うっすらとしたガスだったから余計に

堂々と言っていいものか迷って「たぶん」と付けた。

 

 

そしたら看護師のお姉さん。

 

「あら! 出た!?

よかった、先生に伝えておくね☺」

 

と満面の笑み。

 

 

そのお顔を見たら、恥じらいも消えてホッとした。

 

 

おならをして、こんなに喜ばれるんだ☺

 

そんなの、この先きっとないと思う。

 

 

そしてガスが出たことで

当初の予定のまま、退院できることになり

 

入院してから、たぶん7~8日間目。

 

本当にあっという間の入院生活だったけれど

たくさんの大切なものを得て、生まれ変わって

無事に退院することができたのだった。

 

 

 

~つづく~

 

 

あんなに寝ても覚めても「おなら」について考え続け

「おならよ早く、さりげなく出てくれ」と思い続けるのは

後にも先にも、あの時だけだと思う。

 

 

別にコメディにしたいわけじゃなかったんだけど

文章にすると、ほんとうにアホみたいで恥ずかしいね☺

 

正直、うっすいガスだったものだから

看護師さんにちゃんと伝えられた後になって

「あれはちゃんとしたガスだったのだろうか」と

しばらく悶々と悩んだわけだけど

 

退院したら、リラックスしたからか

普通にガスが問題なく出て、安心しました☺

 

 

あれから10年、31歳になった私なら

問題なくガスを伝えられるかな? と思って

想像してみたけど、やっぱり、今だって

伝えるのはかなり恥ずかしい。

 

私の中にまだちゃんと恥じらいが存在していて

安心したような、呆れるような、不思議な気持ちです☺

 

 

 

なにはともあれ、10年後も元気に過ごせている

今をとても幸せを感じます☺

 

 

 

 

 

 

 

さて、長くなりました

盲腸のお話も次で最後になります。

 

次は入院後の私自身の変化について

少し書こうと思っています☺

 

 

あと少しだけ、お付き合いいただけると嬉しいです❀

 

 

 

 

それでは、続きはまた明日☺

 

 

今日もみなさまに

たくさんのしあわせが届きますように☺

 

 

KAORI☺

 

 

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