手作りひよちゃん -3ページ目

手作りひよちゃん

手芸、三味線、旅、食が大好きなカービング(石鹸、果物、野菜、キャンドル、島ぞうりの彫刻)講師(カービングY主催)のなんてことない日常。
髑髏のアイコンは石鹸を彫ったものです。
よろしくお願いいたします。

今日のカービングは、石鹸カービング

来年の干支、午を絵馬にしてみました。

( 他バージョンも彫って、

レッスンでは選んでいただく予定です。 )

ひひ~んと前足を上げている馬。

来年、上がり調子の年となりますように。

 

 

先日、告知だけで尻切れトンボになってしまった

SOMPO美術館

「 モーリス・ユトリロ展 」

とても、とても、素晴らしかったです!!

 

過去の私にとってのユトリロの絵のイメージは、

白い風景画、お洒落なパリ💛。

かつ、絵以上に、

複雑な母子関係のインパクトが私にとっては大でした。

 

モデルであり、画家である母シュザンヌ・ヴァラドンは、

18歳でユトリロを生み、

ユトリロはヴァラドンの母(ユトリロの祖母)に預けられるのですが、

ユトリロは、祖母の影響で幼少期よりアルコール依存症になります。

この母子関係のたくさんの書物は、かなりあります。

( ヴァラドンは魅力的な方だったようで、

ロートレック、エリック・サティ、ルノワールと、

様々な大物と浮名を流しながら、

結婚相手のユッテルはくせものだったらしい。。。)

 

で、肝心のユトリロの絵をどれだけみたか、というと、

エコール・ド・パリなどの企画で、

1枚か2枚、ちょろっと添えられているのをみたくらい。

そして、それは、白い風景画でした。

 

なので、今回のように、がっつりユトリロを見るのは、

初めての事。

 

で、このがっつりユトリロが素晴らしいんです!!

ネタバレになるので、写真はあまり載せませんが、

これを見てみてください。

ラパン・アジル

ユトリロは、城に閉じ込められた時期も含め、

絵ハガキなどの写真を見て描くことが多く、

また、同じモチーフを繰り返し書き、

このラパン・アジルの風景は300点描いたといわれています。

 

アルコール依存症の治療として絵を描き始めたユトリロは、

いわゆる学校で絵を学ぶという事はしていません。

独学で描くことで昇華していったというか。

 

で、上の写真↑は、20代のころの絵なんですが、

下の写真↓は、44歳の時のラパン・アジルの絵。

ユトリロ、こんな色のある絵を描くんだ!!

と驚いた私。

なんか、うきうきしてきませんか?

 

独学ゆえ、このころから色を乗せることを覚えた、という説もありますが、

このころ、後に結婚し、ユトリロのよき理解者であり、

画家としてのユトリロを支えたリュシー・ヴァロールとも出会っています。

 

で、驚いたのは、ユトリロ73歳まで生きてるんです!!

子供のころからアルコール依存症で、

外に出ては騒いだり、暴力をふるっては、

病院に収容された彼はてっきり早逝だと思っていたので、

びっくり!!

この聖トマス教会も上は30歳、下は50代の作品。

色はもちろん、人の描き方も変わってきています。

 

若い頃なら、絶対に「白の時代」の絵の方が好きだったと思うのですが、

歳を重ねると、この「色彩の時代」の作品が素敵で、

心地よくなってきます。

 

そして、貴重な親子間での直筆の手紙や、

名誉市民賞のメダルもあります。

ユトリロはフランスの誇りであり、フランスそのものなんだなあ、と。

ナチス嫌いで、熱心なカソリック信者。

 

特異な形ではありますが、

ヴァラドンも確かにユトリロを愛していたのが感じられました。

 

次は、ヴァラドンの作品も見てみたい。

どこに行ったらみられるのかな。

ユトリロを見たあと

美術館2Fのカフェコーナーでほっこり。

 

にほんブログ村 ハンドメイドブログ カービングへ
にほんブログ村