今日のカービングは、石鹸カービング
来年の干支、午を絵馬にしてみました。
( 他バージョンも彫って、
レッスンでは選んでいただく予定です。 )
ひひ~んと前足を上げている馬。
来年、上がり調子の年となりますように。
先日、告知だけで尻切れトンボになってしまった
SOMPO美術館
「 モーリス・ユトリロ展 」
とても、とても、素晴らしかったです!!
過去の私にとってのユトリロの絵のイメージは、
白い風景画、お洒落なパリ💛。
かつ、絵以上に、
複雑な母子関係のインパクトが私にとっては大でした。
モデルであり、画家である母シュザンヌ・ヴァラドンは、
18歳でユトリロを生み、
ユトリロはヴァラドンの母(ユトリロの祖母)に預けられるのですが、
ユトリロは、祖母の影響で幼少期よりアルコール依存症になります。
この母子関係のたくさんの書物は、かなりあります。
( ヴァラドンは魅力的な方だったようで、
ロートレック、エリック・サティ、ルノワールと、
様々な大物と浮名を流しながら、
結婚相手のユッテルはくせものだったらしい。。。)
で、肝心のユトリロの絵をどれだけみたか、というと、
エコール・ド・パリなどの企画で、
1枚か2枚、ちょろっと添えられているのをみたくらい。
そして、それは、白い風景画でした。
なので、今回のように、がっつりユトリロを見るのは、
初めての事。
で、このがっつりユトリロが素晴らしいんです!!
ネタバレになるので、写真はあまり載せませんが、
これを見てみてください。
ラパン・アジル
ユトリロは、城に閉じ込められた時期も含め、
絵ハガキなどの写真を見て描くことが多く、
また、同じモチーフを繰り返し書き、
このラパン・アジルの風景は300点描いたといわれています。
アルコール依存症の治療として絵を描き始めたユトリロは、
いわゆる学校で絵を学ぶという事はしていません。
独学で描くことで昇華していったというか。
で、上の写真↑は、20代のころの絵なんですが、
下の写真↓は、44歳の時のラパン・アジルの絵。
ユトリロ、こんな色のある絵を描くんだ!!
と驚いた私。
なんか、うきうきしてきませんか?
独学ゆえ、このころから色を乗せることを覚えた、という説もありますが、
このころ、後に結婚し、ユトリロのよき理解者であり、
画家としてのユトリロを支えたリュシー・ヴァロールとも出会っています。
で、驚いたのは、ユトリロ73歳まで生きてるんです!!
子供のころからアルコール依存症で、
外に出ては騒いだり、暴力をふるっては、
病院に収容された彼はてっきり早逝だと思っていたので、
びっくり!!
この聖トマス教会も上は30歳、下は50代の作品。
色はもちろん、人の描き方も変わってきています。
若い頃なら、絶対に「白の時代」の絵の方が好きだったと思うのですが、
歳を重ねると、この「色彩の時代」の作品が素敵で、
心地よくなってきます。
そして、貴重な親子間での直筆の手紙や、
名誉市民賞のメダルもあります。
ユトリロはフランスの誇りであり、フランスそのものなんだなあ、と。
ナチス嫌いで、熱心なカソリック信者。
特異な形ではありますが、
ヴァラドンも確かにユトリロを愛していたのが感じられました。
次は、ヴァラドンの作品も見てみたい。
どこに行ったらみられるのかな。
ユトリロを見たあと
美術館2Fのカフェコーナーでほっこり。