今日のカービングはソープカービング
蔦の紋所の蓋の底には、
色違いの麻の葉を入れてみました。
ナイフ1本で
石鹸を彫っています。
さて、新潟は新発田(しばた)の旅館を出た後、
同じ新潟の岩室温泉へ向かってGo~!
観光タクシーだったので、
途中、いろいろ寄って下さいました。
蔵春閣(ぞうしゅんかく)
大倉喜八郎氏が、東京の向島別邸として
明治45年に建設した建物です。
( 後に、大倉喜八郎氏生誕の地、
新発田へ移築されました。)
一階食堂1の天井画。
贅を尽くした建物というのがわかります。
書斎の天井画
城で使われていた金地に墨の龍と
その周りには変わり鯱が24。
今でもこの輝き。
ということは、向島にあったころは、
ピカピカであったことでしょう。
大倉喜八郎氏 というと、
帝国ホテルやホテルオークラのイメージから
落ち着いたものをお好みかと思いきや
秀吉の大ファンだったそうで。。。
そういえば、鹿鳴館も喜八郎氏の設立でした。
中国との貿易もしておられ、
中国螺鈿が。
感激したのは、2階床のタイル画
それは、それは、お洒落で可愛いんです。
蔵春閣でいただいた資料の写真です。
決して広くはないのですが、高さがあり、
空間をうまく演出しています。
手作りガラスの窓枠は、
喜八郎氏考案の漁網デザイン。
もともと農業を営むも、
名字帯刀を許される大名主だった大倉家。
三男の喜八郎氏は江戸に出、
塩物商い、鰹節店で丁稚見習いをしたのち、
乾物店大蔵やを開業。
なので、この漁網は原点でもあるようです。
床の間には、幼名鶴吉からの鶴の絵
武器商人として成功し、
日本の経済の中心にいた喜八郎氏。
この大広間には、
世界の要人が集われたことでしょう。
もちろん、一万円札の方も。
向島に建てた、というのが、
なんとも粋だな、と。
2階の窓からは諏訪神社がみえました。
新発田城跡
次に向かったのは、
「 蕗谷虹児記念館 」
金襴緞子の帯しめがら♪で始まる
唱歌「花嫁人形」の詩の作者であり、
画家である蕗谷虹児氏の記念館です。
ちなみに、この詩。
花嫁御寮はなぜ泣くのだろ♪
と続きます。
そして、2番に出てくるのが花嫁人形。
この花嫁人形とは、
若くして結婚せずに戦死した息子のために、
「あの世でこの人形と結婚できますように」と
母親が供えたものだったとか。
愛しい人は戦死し、
しかし、自分は生きて他の人に嫁ぐ。
との解釈もあるそうです。
だとしたら、あまりに悲しい詩ですが、
なんと、これ、待ってる間に
さらりと生まれた詩だったそうです。
本来は、西條八十が詩をかき、
蕗谷虹児が絵を描くはずだったのですが、
西城八十が来なかったため、
蕗谷虹児が詩も書いたとか。
天才とは、
2物も3物も持ってるものなのですね。
そののち、寄せていただいたのが、
「 五合庵 」
じつは、こちらが今回の旅の目的でした。
今は亡き祖父母と叔母と母の4人で
30年ほど前に来たので、
また、祖父母を懐かしみながら、
五合庵を観たい!
という叔母の願いだったのですが、
どうにも山の斜面も急で、
足の悪い叔母は断念。
このお不動さんたちのいるところまでは
上がれました。
高齢な祖父母と来たのだから、
ほかに道があるのかも、
と従妹と探しましたが、
つり橋があるのみで、車道もなく断念。
30年前も、祖父母は車で待ち、
まだ若かった叔母と母のみでみたのだろう、
と話がつきました。
ちなみに、この五合庵ですが、
国上寺を再興した萬元上人のためにつくられ、
萬元上人は、毎日米五合を手当としてもらい、
座禅をし、ここを拠点に托鉢行脚に
でかけていたそうです。
その後、良寛さんが40歳から20年すごし、
この庵で、沢山の句、絵、がうまれています。
最後に弥彦山へ向かい
( 弥彦神社でいただいたパンフレットゆえ、
黄金の稲穂が映っていますが、
田植え後の小さな緑の苗の状態でした。)
弥彦神社へ
じつは、先月、サントリー美術館の
酒呑童子絵巻を見たばかり。
酒吞童子は越後に生まれ、
あまりの悪童ぶりに祖父が国上寺に預けた、
との説があります。
ちなみに、その国上寺は、
弥彦大神の託宣により建立された寺。
また、京のはずれの大江山で
鬼たちとすごしながら、
京でさらった姫を食べていた酒呑童子。
大江山にこもるころには、妖怪となり、
醜い姿となっておりましたが、
越後で修業していた若い頃は、
それは、それは、美男子で、
酒呑童子を見た娘たちは皆、
恋に陥ったとか。
この山道を酒呑童子が歩いていたかも、
と思うと、ワクワクがとまりません。
そして、この弥彦神社には、
ロープーウェイがありまして、
弥彦山の頂上に行けるんです。
山の高さはスカイツリーと一緒だそうで、
海岸線に沿って山があるため、
内側を見ると越後平野が、
その反対には、佐渡島がみえます。
この日もうっすらと。。。
台風の前後は、それは、それは、
近くに見えるとか。
この霊験あらたかなおやひこさまを拝観し、
岩室温泉へと、最後、向かいました。
おやひこさまと愛された弥彦神社、
素晴らしかったです。
次は、国上寺もみてみたいものです。