映画#40 イコライザー3 | なんのこっちゃホイ!

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デンゼル・ワシントンが、極めて几帳面だが、めっぽう強い元CIA捜査官ロバート・マッコールを演じているシリーズの3作目。

巨悪ではなく、自身の身近にいる人の困りごとを解決するために、悪者をやっつけるのだが、それが段々大きな話に膨らんでいくというのが、おなじみの展開。

1作目では、DIYショップの店員であった。

レジに静かに押し入って、金とレジ係の女性の指輪を奪った男をやっつける。金槌を持って出たものの、どのようにやっつけたのかは描かれない。ただ、レジスターの中には、例の指輪が返されていて、マッコールは金槌を拭きながら、元の棚に戻す。

几帳面なマッコールは、「読むべき100冊」というTIMEの記事の順番に、100冊の本を読み続けている。彼の習慣は、夜になると近所のダイナーで一人テーブルに座り、本を読むこと。自身のスプーンを丁寧にペーパーナプキンに包み、ダイナーのテーブルでそれを広げて、きちっとたたむ。頼むのはお湯。ポットのお湯に持参のティーバック紅茶を入れ、丁寧にかきまぜ、さらに水気を取ったスプーンを広げたナプキンの決められた場所に置く。そのダイナーのカウンターにやってくる、まだ未成年の売春婦。彼女はヤクザに仕切られており、暴力を受けている。見かねたマッコールは、マフィアの組織を解体させる。マフィアの事務所に入ると、四方に視線を配り「19秒だな」とつぶやき、TIMEX製の時計のストップウォッチをスタートし、全員をやり終えたところで時計を観て、「29秒か」と首をかしげる。

2作目は、UBERのドライバーをやっている。いつも本を買う書店の女性主人の娘が誘拐されたので、トルコまで探しに行く。オリエント急行の中で、またもや犯人一味を「秒」の単位で全滅させる。そしてそれが元で、マフィア組織と戦い全滅させる。

そして3作目は、イタリアのシシリア島が舞台。あるワイナリーに乗り込んだマッコールは、ドラッグ密売組織を例によって全滅させる。だが今回は不覚をとり、傷を受けてしまう。マッコールは、小さな街の一室で目が覚める。そこには、彼を助けた憲兵と、医者が彼の面倒を観てくれている。救急車も呼ばず、警察にも届けず、黙って治療をする老医師。目覚めたマッコールに「キミは良いやつか?」と問う。「分からない」と答えたマッコール。手厚い看護のお陰で体力を回復しリハビリに務める。ようやく街の人々とも顔見知りになり、排他的であった人々も、彼を受け入れはじめた矢先、地元マフィアが街の商店から、手荒いやり方で金を巻き上げていることを知る。苦しむ街の人々のため、マッコールは立ち上がる。

また、CIAの特別な番号に電話して、ワイナリーで事件があり、密輸されたドラッグで悪事をやっている組織を密告する。その事件の担当するのが、ダコタ・ファニング演じるCIAエージェント、エマ・コリンズ。

聡明な彼女と、テロ事件とワイナリーの謎に挑み、街の人々を苦しめるマフィアの組織を壊滅させていく。

 

これまでの作品では、マッコールが暗殺のスゴ技を披露して、瞬時に敵を倒していく場面が出てくるが、それほどエゲツなく詳細に描かれない。今作では、残虐な殺しの現場をあからさまに描写している。これは、あまり頂けない。描くべきは、マッコールの病的なまでの几帳面さを持った殺人の技術と、その素早さや。それこそが、このシリーズの中心であったはずが、几帳面さよりも、残虐な戦いの描写に移ってしまったのは、非常に残念だ。

邦題では「ファイナル」とあるが、映画のどこにも、タイトルロールにすら、ファイナルの文字はない。どういうことなんだろう?

続編を期待し、原点回帰を、強く望む。そして、強者によって虐げられる弱者を助け、世の中を公平 (Equalize) にしてくれ。

まずは我が国総理大臣あたりから願いたい。