時は大正後期。関東大震災の翌年。震災からの復興で新しいビルが建ち始めていて、活気にあふれていた頃。歓楽街玉ノ井の銘酒屋に一人の女がひっそりと生活していた。彼女の名前は「小曽根百合(綾瀬はるか)」。彼女は国家諜報機関「幣原機関」により台湾でスパイと人殺しの技を学び、16歳で実地任務につき、東アジアを中心に3年間で57人の要人を殺害した。各国大使館から「最も排除すべき日本人」と呼ばれた、美しき諜報員。20歳を迎えたとき、突然消息を絶つ。
秩父で発生した「細見一家殺人事件」の犯人とされた筒井国松とは旧知の中で、きになった百合は秩父へ出向く。しかし、国松の住居には、銃弾の跡が残り、陸軍の軍人達が家を調べていた。腑に落ちないまま百合は帰りの汽車の中で、軍人に追われる一人の少年を助け出す。この少年は、国松が犯したという一家殺人事件の生き残りで、父・細見欣也から「玉ノ井の小曽根百合の元へ行け」と命じられていることを聞き出す。
玉ノ井の「ランブル」にたどり着いた二人は、店に出入りする腕利き弁護士・岩美良明(長谷川博己)にこの事件の調査を依頼する。結果、少年の父親は、陸軍の機密事項に関与しており、それは上海に設けられた秘密口座に眠る大金についてであった。特殊な契約になっているこの口座は、1年おきに更新が必要で、更新を怠ると、全て銀行のものになってしまう。そのためには、少年・細見慎太の指紋と、暗証番号が必要で、その暗証番号を見つけるための暗号文を書いた書類を、慎太が大切に持っていることがわかる。
闇の大金をめぐり、陸軍と海軍山本五十六大佐がしのぎを削る争いの渦中に、百合と慎太は否応なしに放り込まれ、二人の危険な旅が始まる。
綾瀬はるかが実によろしい!美しいだけではなく、残酷な殺人者である小曽根百合の、冷徹な部分を口元の薄ら笑いで表現し、女性らしいキメの細かさは、抑えた笑顔で表現する。いい女優さんだなぁと、心から思う。
ポップコーン度50%。お薦めです。